インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
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「っと。ここか」
一夏が発動したメモリーの力で、俺達の意識は一夏の記憶の中に飛ばされた。
「まぁ、俺だけ違うんだけどな」
そう。俺だけ違う記憶の中にいるんだ。今回この状況を利用して一夏の誘拐に隠されたもう一つの出来事。白い魔法使いとの遭遇について調べる為だ。
「ここが誘拐現場か。お、一夏だ」
俺が適当に現場を歩いていると、そこには柱に縛られた一夏が居た。
「気を失ってんのか。まぁそりゃそうか」
しかし、周りにいる奴らは物騒だな。ISを纏った女もいればロケラン持った兵隊風の奴もいる。
ドカアァァァァン!
その時、換金場所の壁の一つが吹き飛んだ。
「一夏!」
そこから飛び込んで来たのは、暮桜を纏った千冬だった。
「後は、白い魔法使いだけだ」
千冬が誘拐犯共を蹴散らしてる間に、俺は状況を整理していた。
「一夏と千冬は共に白い魔法使いを見たと言った。だが、一夏も千冬もその時の記憶が曖昧だって話だ。だから記憶の中に入って見ようと思った訳だが」
俺は、当たりを見渡した。
「これ、オーバーキルだろ」
そこには飽きれる程にボロボロで、生きてるかどうかすら怪しい気絶した誘拐犯達が床に転がっていた。
コンッコンッコンッコンッ
その時、ブーツの音がその場に響いた。
「その魔力、頂こうか」
そこには、白いローブを纏った様なウィザードがいた。
「貴様何者だ!」
「私は、ただの魔法使いさ」
「魔法使い、だと?巫山戯るな!」
千冬は雪片を構えて白い魔法使いに斬り掛かる。だがその程度でやられる程、奴は弱くない。
〈チェイン・ナウ〉
空中に現れた魔法陣から白い鎖が放たれる。その鎖は生き物の様に動き、千冬の動きを止めた。
「なんだ、これは!」
「君の魔力、頂くぞ」
白い魔法使いは千冬の額に黒い魔法石を当てた。すると魔法石は輝き出した。
「やめろ!放せ!やめ!……ろ」
千冬は意識を失い、白い魔法使いは一夏の元へ向かった。
「こっち来んな!化け物!」
「化け物、か。間違いでは無い」
「うわぁぁぁ!」
一夏はがむしゃらに拳を振るった。その拳が白い魔法使いに当たった瞬間、空間が波打った。
「うっ?!」
その拳は白い魔法使いをよろめかせた。
「くっ、内から魔力が溢れている。天然の素材か」
白い魔法使いはそう言いながら立ち上がる。するとその姿は一瞬で消え、一夏の背後に回った。
「これだけの魔力。この魔法石には収まらない」
白い魔法使いは、そう呟きやきながら指輪を変えた。
〈ブラスト・ナウ〉
魔法が発動すると、魔法陣から衝撃波が放たれて一夏を吹き飛ばした。
「うわっ?!」
ガンッ!
「うっ!………」
バタッ
一夏は意識を失い、その場に倒れた。
「なるほど。こういう事か」
俺は記憶を見終わり、その世界を出ようとした。その時。
「見たな。俺の過去」
「っ?!」
背後に突然、一夏が現れた。
「お前、なんでこっちに」
「俺は織斑一夏であってそうでは無い。織斑一夏の心が生み出した闇だ」
「一夏の闇、だと?」
「そうだ。そして、お前の闇でもある!」
その瞬間、紫色の魔法陣が現れて一夏の体を通過した。そして一夏の姿はウィザードダークスタイルに変わっていた。
「お前、なんでそれを!」
「忠告しておいてやる。この力を生み出したのはお前じゃない。織斑一夏の闇である俺だ」
「なに?」
どういう事だ。一夏の闇がダークの力を生み出した?確かに一夏には魔力がある。恐らく白い魔法使いに細工されて気付けない様にされていたが。だがそれでも、指輪を自分の意志でリングを生み出せる程じゃ。
その時、俺の視界の端に、記憶の続きが映った。
「どういう事だ?一夏は気絶してんだぞ?なんで記憶の続きが」
「俺の記憶だ。よく見ておけ。織斑一夏の真実を」
俺は、一夏に歩み寄る白い魔法使いを凝視した。
「ごめんね、一夏君。これは君が魔力を抑えるきれずに暴走するにを止める為に必要だと、私は思うの。だから、記憶も貰うわ」
先程とは違う話し方。俺はあの声に聞き覚えがある。けど何故だかそれが思い出せない。
「ごめんね」
白い魔法使いはその手から魔法石を一夏に落とした。
「っ?!」
魔法石はそのまま一夏の体に溶けていき、完全に同化した。
「おい、あれはなんだ」
「あれは、お前が持つ魔法石と対となる物。希望では無く絶望を源とする魔法石だ」
「絶望を?そんなのある訳!」
「ならば、君はあの闇の力を否定出来るのか?」
俺は言葉を詰まらせた。その瞬間、世界が白く染まりだした。
「なんだ!」
「記憶の終わりさ。まぁ、強制終了だがね」
「おい、待て!お前にはまだ聞くことが!」
「安心しろ。どうせすぐに会える」
その言葉と共に、世界は完全に白く染まった。