インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
俺達は記憶を見終えて、現実に戻って来た。そこで見たのは、櫂が頭を抱えて座り込んでいる姿だった。
「嘘だろ、そんな………」
櫂はブツブツと何かを言いながら何かを握りしめていた。
「なぁ櫂。どうしたんだ?」
「…………闇の力は、封印する」
「え?」
闇の力?それって櫂がさっきも使った紫のリングの事か?確かにダークって名前だけど、闇の力って程じゃ。
「なぁ櫂、どうしたんだよ。ていうか、お前だけ過去の中に居なかったんだけど」
「うるせぇな!ちょっと黙ってろ!」
「え?」
櫂が、怒ってる?なんでなんだ。もしかして、何か変な記憶でも見たのか?いや、でもそんな変な記憶は………まさか
「お前、俺が誘拐された時の記憶を見たのか?」
「………あぁ、そうだよ」
「何を見たんだ?俺、その時の記憶が曖昧だから、それで怒ってるなら「いや、記憶は鮮明に残ってたよ」え?どういう事だよ!俺何も覚えてないんだぞ?!」
俺は櫂の肩を掴んで聞こうとした。けど、櫂は既に話す気だった様で、俺の手を払った。
「あぁ、お前の記憶じゃねぇよ」
「え?じゃあ誰の記憶なんだ?」
俺の質問に、櫂はもう一度俯いた後に、俺の顔を見ながら言った。
「お前の中の闇だよ」
「え?どういう事だ?俺の中の闇って、一体」
「櫂、説明しろ。一夏が困惑しているだろ」
櫂は立ち上がりながら、手に持っていた何かをポケットに入れた。
「それは鈴と晴香、そして輪島さんにも話したい。だから明日皆で面影堂行くぞ」
「おい待て。面影堂とは何だ。それに恐らく明日は寮から出るなという指示が出る筈だ。表向きはテロ行為による損害だが、それでも二度目だ。警戒レベルが上がる」
千冬姉は多分心配しているんだ。少し早口になってる。千冬姉は昔から心配すると少しだけ早口になる癖がある。
「今回は行かせろよ。これは一夏にも関係するんだ。アンタとしても放っておけないだろ」
「あぁ、放っておけない。だが、それとこれとは!「いい加減にしろよ!」か、櫂?」
櫂は千冬姉に怒鳴り声をあげた。
「お前には分からねぇだろうが!俺達は命かけてんだよ!ファントムは全部殺す!相手が誰でもな!」
「ファントムとは、あの怪物の事か?それは今関係ないだろ!」
「あるんだよ!…………俺達魔法使いは、魔力を使う度に内に秘めるファントムの力を活性化させてる。普通の魔法使いならまだそれは微々たるものだ。だが、俺とコイツは違う。俺達は変身しちまったんだよ」
櫂の目に、深い悲しみの様な感情が宿った。多分、今櫂の脳裏には戦いやサバトの記憶が映っているんだと思う。
「元々俺だけだったウィザードも、今じゃ二人だ。多分俺も一夏も本来より大きく力を活性化させてる。ウィザードライバーで押さえられる力にも限度がある」
「つまり、魔法を使い続ければ、俺もお前もファントムになるって事か?」
そんなの、冗談だろ?そんなストレートに「ミイラ取りがミイラになる」って、無いだろ……。
「今回一夏を変身させたのは応急処置だし、一度だけならそのリスクも低い。それに、戦いが終わった世界で力を持つ者は必要無い」
「……………だから、戦いが終われば『自分を殺す』という事?」
え?今、シャルロット、なんて。
「さぁな」
待ってくれよ。櫂が自分を殺す?なんで、そんな必要があるんだ?
「なぁ櫂!お前何考えてんだよ!自分を殺すとか訳分かんねぇよ!」
「分かんねぇのか?俺はファントムになる可能性があるんだよ。つまり、俺が死ななけりゃ戦いは終われねぇんだよ」
櫂の声色は、酷く冷たく、そしてどこまでも暗かった。
ここで突然ですが宣伝!自分のですが!
「インフィニット・ストラトス 〜空から降ってきた白銀と少女〜」が連載中です!
エクストルーパーズっていう超ド級の名作なのにマイナーなゲームとISのクロスオーバーとなっています!
最初の方はまだ初心者だったので下手くそですが、興味がある方は読んで頂けると嬉しいです!
https://syosetu.org/novel/133951/