インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
あれから九日後。俺達は櫂とまともに話せずに今日を迎えた。会話といえば今日の放課後に特訓に誘ったくらいだ。櫂の返事も何処か適当で、まるで避けられてるみたいだった。
「一夏?どうしたの?」
「ん?あぁ、シャルか。なんでもないよ」
廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。声の主はシャルだ。シャルはあのファントムの襲撃から三日後の日に、再度女子として転入した。その時クラス中の殆どが驚いていたが、六日経った今ではもう普通に受けいられている。
ウィザーズとしてはシャルの身柄を管理したいらしいが、それは近くに櫂がいる事や輪島さんの説得もあって、なんとか俺達が監視すると言う名目で収まった。
そして、これから二人でアリーナに行って鈴とセシリアも交えて特訓するつもりだ。櫂も、来てくれればいいんだけどな……。
「っ?!」
その時、強烈な気配を感じた。
「ん?なんかアリーナの方が騒がしいよ?」
「なんか、嫌な予感がする。行くぞ!」
「え?う、うん!」
俺達は走ってアリーナのピットへと向かった。そして、俺達の目の前に信じられない光景が広がっていた。
「お、おい……何してんだよ、ラウラ」
「ん?なんだ、一夏か。見ての通りだ。害獣駆除さ」
ボロボロのISを纏う鈴とセシリア。そしてそれを嘲笑うかの様に立つラウラだ。
「ふざけんな!どういうつもりだ!」
「少し煽れば襲い掛かって来たんだ。正当防衛という物だろ?」
「何を言ってるんだよラウラ!どうしちゃったの?!」
シャルが叫ぶ。シャルは最近よくラウラと一緒に食事を摂ったりして仲良くいたから、その分衝撃が大きいんだろう。
「フンッ。貴様との関わりもただの馴れ合いに過ぎない。弱者の貴様が強者である私と共にあれると思っているその姿は、滑稽だったぞ。クククッ」
ヤバい。心が滾る。今すぐアイツを殴り飛ばしたい。痛めつけたい。ボコボコにしたい。泣きじゃくっても止めない。
コロシタイ。
「おい、てめぇ」
その時、俺達の背後から低い声が響いた。それと同時に、俺の滾っていた心が冷めていくのを感じた。
「ラウラ。お前何やってんだ?」
「何って、大した事じゃないさ。ただの害獣駆除だ」
「あぁ?」
いつもの櫂じゃない。明らかに怒ってる。
「お前達と話していても切りがない。さらばだ」
ラウラはそのままアリーナを下の非常口から出ていった。
「おい、待やがれ!」
櫂は声にも感情を表して、ラウラを追った。俺は二人の事をシャルに任せて、櫂に続いた。
「おい!ラウラ!」
目の前で、櫂がラウラを捕まえる。
「な、なんだ?どうかしたのか?」
ラウラは明らかに動揺している。さっきとは明らかに違う態度だけどそんな事はどうでもいい。
「どうかしたかだと?お前ふざけてんのか!」
「待て!何の話だ!私には皆目見当もつかないぞ!」
コイツ、ふざけてんのか?だとしたら、許せねぇ。
「お前があの二人を傷付けたんだろうが!」
俺はラウラの胸ぐらを掴もうもしたが、櫂がそれを止めた。
「もういい。話しても無駄だ。お前は叩き潰す。学年別トーナメントでな」
櫂はラウラを突き放し、踵を返した。俺もラウラを睨み、櫂に続いた。
「ま、待ってくれ、櫂……待ってくれ……なんなんだ?一体、私は何をしたんだ?教えてくれ、櫂………」
何故か、その声は俺の耳に鮮明に残った。
察しのいい方は多分展開分かっちゃいますね。