インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「クッソ!今更気が付いても遅せぇだろ!」
俺はアリーナのグラウンドへと続く非常口を走っていた。
「あの時感じた魔力。一夏が特訓でもしてんのかと思ってたが、違った。あの時は頭に血が上って冷静に考えられなかったが、よく考えてみればラウラはあんな口調じゃねぇ。つまり、あれは「ファントム、だろ?」………あぁ、まさにその通りだ」
俺は背後から聞こえた声に立ち止まり、冷静に答えた。
「お前がラウラに化けてたファントムか」
「そうだとしたら?」
「倒すに決まってんだろ」
〈ドライバーオン・プリーズ〉
俺はそう言いながらドライバーを出現させた。そしてハンドオーサーを操作して変身待機状態へと移行する。
〈シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!〉
「変身」
〈フレイム・プリーズ〉
〈ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!〉
赤い魔方陣が俺の体を通過し、赤い宝石を散りばめた姿へと変わる。
「さぁ、ショータイムだ」
俺はファントムと戦闘を開始した。だが、このファントムは強かった。恐らく通常の戦い方じゃ倒せない。
「コイツを使うか……」
俺は一つのリングを取り出した。
「いや、コイツは最後の手段だ」
そのリングを仕舞い、俺は戦闘を再開した。
「クッ!ハァ!」
攻めるタイミングが全然掴めねぇ。コイツの攻撃は間髪入れずに体の色々な部位を使って攻めてくる。このままじゃジリ貧だ。
「ウォッ?!」
その時、背が壁に当たった。それは非常口で、この中では戦闘の真っ只中だ。しかし、なんか変に騒がしいな。
「行ってみりゃ分かるだろ!」
俺は扉を蹴り破って中に入った。
「一夏!ボーッとすんな!」
そして話は合流した所に戻る。
「いいのかい?力で言えば君もあちらに参加した方がいいと思うが」
「ここであっち行くとお前逃げるだろ。今俺超機嫌悪いんだよ。とりあえず、てめぇはぶっ潰す!」
俺は戦いながらも考えた。どうすればコイツを倒せるか。どうすればラウラを助けられるか。その時、変身した一夏のドライバーのリングホルダーに、一つのリングを見つけた。
「おい!一夏!そのリングなんだ!」
「え?!あ、これは試作品だからダメだ!」
「はぁ?!んな事言ってる場合じゃねえだろ!」
一夏は渋るが、本当にそんな場合じゃない。正直一番相性がいいと思うフレイムでさえこのザマだ。恐らくダークを使っても自爆覚悟じゃねぇと倒せねぇ。
「今ここでやらなきゃ、コイツは同じ手で人を苦しめる!ここで終わらせるのが俺達の使命だ!試作でもなんでもいい!ソイツを寄越せ!」
「あーもう!分かったよ!」
一夏はやけになりながらリングを投げた。俺はそれを受け取って左手にはめた。
「これが、新しい力か」
そのリングはフレイムと酷似していた。だが、リングから溢れ出る魔力が、フレイムを凌駕している。それが何よりの証拠だ。
「行くぜ」
俺はハンドオーサーを動かし、もう一度変身待機状態へと移行させた。
〈シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!〉
俺は左手のリングのゴーグルパーツを下ろして、いつものあの言葉を呟く。
「変身」
〈フレイム・ドラゴン〉
声と共に魔法陣が現れ、そこから炎のドラゴンが現れた。それと共に、俺の意識は精神世界に落ちた。
…………………………
『よぉ、相棒』
「相棒って呼ぶな」
ったく。人の事食おうとしてるくせに、よく言うよ。
『どうだ?素直に俺の力を使う気になったか?』
「正直死ぬほど嫌だ。でも、アイツを倒してラウラを救うには、これしかない」
『なら、答えはもう決まっているんだな?』
答えも覚悟も、もう決まってる。俺はいつもの言葉で、コイツを従わせればいい。
「ドラゴン!俺に従え!」
俺は叫ぶ。ドラゴンのニヤケヅラに苛立ちながら、俺は現実へと戻る。
…………………………
〈ボー・ボー・ボーボーボー!〉
魔法陣は俺を通過する。すると龍が俺の周りを飛び、俺に新たな力を与える。
「ハァ!」
身にまとわりつく炎を払い、俺はその姿を晒した。
「お、おぉ!成功した!」
「ドラゴンの力だから、フレイムドラゴンって所か」
「何?!ファントムの力だと?!」
「は?違ぇよ。これはな」
俺は左手のリングを見せ付ける様にしながら言った。
「俺達の力だ」
そう。これは一夏が作り出して、俺が使う。俺達の力だ。誰がドラゴンの力だとか認めてやるか。とにかく、今は目の前のコイツだ。俺はいつものポーズで、ファントムへと言った。
「さぁ、ショータイムだ」