インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「ここが、ラウラのアンダーワールド」
そこは、何処かの研究施設だった。恐らくドイツだろうけど。
「試験管ベイビー、識別名ラウラ・ボーデヴィッヒのIS適合手術は完了しました。ミスター竜川」
「っ?!」
そこに居たのは、正しく親父だった。ラウラが試験管ベイビーなのは知っていたし、それでも俺はこうやって普通に振る舞える。なんなら体の異常さで言えば俺の方が異常だからだ。でも、何故親父が?ラウラが作られたのは俺の出生と同時期。その頃から、この男はこんな事を。
「ふざけんな!」
俺はソイツを殴りたくて仕方なかった。だが、それは巨大なファントムに阻まれた。
バリィィィィィンッ!
「キシャーーーッ!」
そのファントムは、兎の様な見た目だった。
「チッ!邪魔してんじゃねぇよ!」
俺はウィザーソードガンでファントムに斬り掛かる。その攻撃はファントムの皮膚を裂き、そこから魔力を溢れださせた。
「明らかに攻撃力が上がってんな。ドラゴンの力もあるから、こいつらにも効くのか」
俺は少し冷静になり始めた。俺はウィザーソードガンをレイピアの様に構え、突撃してくるファントムにカウンターでダメージを与えていく。
「そろそろ決めるか。行くぞドラゴン!」
俺の声と共に、俺の真上に魔法陣が現れる。それと同時に俺はフレイムスタイルに戻り、ドラゴンが現れる。
〈コネクト・プリーズ〉
俺はマシンウィンガーを出現させて跨り、ドラゴンにドッキングさせた。
「ドラゴン!俺に従え!」
今日二回目となる言葉を叫び、俺は暴れるファントムを追った。
『おい、どうする?アイツを倒せば、恐らく宿主は二度とあの黒い力を使えんぞ。あれには魔法も使われていたからな』
「使わせねぇよ。あんな力無くても、アイツは強い。俺がそれをよく知ってる」
俺達が戦ってる間も、景色は移り変わる。場面は………俺とラウラが出会った辺りか。そこから景色が鮮明になった。
「これがアイツの希望か。ったく。俺との出会いが希望とか、アイツ俺の事好きなのかよ」
まぁ、まず有り得ねぇけどな。俺化け物だし。
「オォォォォ!」
「っと、そんな事考えてる場合じゃねぇな。行くぞドラゴン!」
俺はドラゴンを蹴って飛び上がり、ファントムの真上に飛んだ。
「来い!」
俺が叫ぶと、俺の背後に現れた魔法陣にドラゴンが吸い込まれる様に突っ込んで来た。俺はもう一度フレイムドラゴンになり、胸にドラゴンの首を出現させた。
「これで終わりだ!」
俺はドラゴンの口から豪炎を吐かせた。豪炎はファントムに直撃し、爆散させた。
「フィー。……ん?」
俺が降りると、そこには俺とラウラが居た。
『お前は、何者だ?』
『だから言ったろ。魔法使いだって』
『どうして私も助けたんだ?あの隙に奴に攻撃していれば、お前の力なら倒せただろう?』
久しぶりに聞いてもアホな事言ってんなコイツ。
『そうだな。でも、それをやっちまえば、俺はもうヒーローでも魔法使いでも無くなる。それにもう、俺の目の前で、誰も死なせたくねぇんだよ』
そういや俺、こんな事言ったっけか。
『私は、普通の人間じゃないんだ。だから、死んでも……』
『「言い訳ねぇだろ」』
っと、つい俺も釣られて言っちまった。
『どんな極悪人だろうと、アイツらが襲うなら俺は救う。それが例え、誰かにとっての悪だとしても。俺は、俺の正義と魔法を信じる』
そう言って記憶の俺は変身を解いた。
『私は、生きててもいいのか?こんなに弱い私が……』
ラウラはそう言って黙り込んだ。それを見て、記憶の俺はため息をつきながら語りだした。
『……知ってるか?人間って繋がりを持つと強くなれるらしいぜ』
『え?』
『友達とか、家族とか、恋人とか。そんな繋がりがあると、人は強くなれるらしい。だから、弱いなら繋がって強くなればいい。相手がいねぇんなら、俺がなってやる』
そう言って記憶の俺は手を差し伸べた。ていうか俺こんな事言ったっけ?うわ、恥ずかし。
『いいのか?』
『勝手にどうぞ』
やっべぇ。これ以上見たくねぇわ。
「show is over」
俺は魔法陣を出現させ、そそくさとラウラの記憶から抜け出した。