インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「という訳で、外出&休学届の紙プリーズ」
「ダメだ」
あっさり断られた櫂の言葉。まぁ、そりゃな。ちなみにここは職員室。千冬姉のデスクの所で話している。
「いや、今回ばかりは行かせてくれ。ウィザーズからドライバーが盗まれたんだ」
「ドライバー?お前達が使ってるそれか?」
「そう。しかも試作品だから出力がデカい。放っとけば何するか分かったもんじゃねぇ」
櫂の説明に、考え込む千冬姉。それから少し考え出した答えは。
「子供だけではダメだ私も行く」
「お前授業はいいのかよ」
正直俺もそれは気になったが、千冬姉は別に気にすることなく答えた。
「元々私より山田先生の方が教えるのは上手いからな。私よりあっちが残った方がいいだろう。何人で行くつもりだ?」
千冬姉はそう言うと、引き出しから数枚のプリントを出した。
「俺と一夏と鈴と晴香、それとシャルロットだな。出来れば箒とセシリアも連れて行きてぇが」
「ん?最初のメンバーは分かるが、何故篠ノ之とオルコットなんだ?」
それは俺も思った。だが、櫂は何か考えがある様で懐からスマホを取り出した。
「これは二人の魔力量を測定したものだ。本来セシリアは俺が魔力を消滅させた筈だ。だが、この通り魔力は健在どころかあれから増し続けてる。異例中の異例だ。更に箒。コイツの魔力は俺と同等。つまり変身も可能って訳だ」
この話の大半の深い意味は、少し魔法について勉強した俺でさえも分からなかった。だが、一番印象に残った言葉。それは、箒が変身が可能だって事。
「お、おい!どういう事だよ!」
俺は驚いた。そんなにゴロゴロ居るものなのか?変身能力を持つ者が。
「待て。お前は以前なれる者は自分しか居ないと言っていただろ。それが立て続けに二人も出るのはおかしいんじゃ無いか?」
当然の疑問だ。だって、俺達の千冬身近に変身能力を持たない魔法使いが二人居て、尚且つそれが普通だと聞いていたから。
「俺だって驚いてんだよ。でも、それだけの魔力を持つなら、自分を守る術を持ってた方がいいだろ」
櫂が言うことは最もだ。だが、やはり俺達は多くの人が力を持つ事を懸念する。二人に限って無いだろうが、その力がもし悪用されれば……そう、今回のルパン騒動の様に。
「お前らの懸念する事も分かるだが、俺なりにアイツらを信頼しての事だ。アイツらなら間違えない」
櫂の口から信頼という言葉が出た。この時点で、俺と千冬姉の意思は合致した。
「分かった。篠ノ之とオルコットの同行を許可しよう」
千冬姉はそう言いながら人数分の書類を出した。
「助かる」
櫂はそれを受け取って職員室を出ようとした。だがその時、櫂のスマホに通知が来た。それを見た瞬間、櫂の顔が険しくなった。
「一夏!アイツが出た!行くぞ!」
「分かった!」
俺は櫂のあとに続き、職員室を飛び出した。