インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「ここがアンタの家か」
「あぁ、そうだ」
俺達は、秋山社長の家に来ていた。櫂の約束した、娘さんの様態を見る為だ。俺達は家に上がり、秋山社長から事情を説明された奥さんにお茶を出すとと言われて、座敷にいる。
「それで、アンタの娘の詳し情報を教えてくれ」
「五日前、娘は学校で意識を失った。娘の友達から聞いた話なのだが、その日娘はクラスの男子に告白しようとしていたらしい。だが、恋愛相談をしていた友達がその彼と抱きしめあっている現場を目撃し、その事で泣いている時に、突然倒れたそうだ」
話を聞いてみたが、すっごく嫌な気分になる。
(一夏)
その時、櫂が家に着く前に全員と交わしていたテレパシーの対象を俺に絞って話しかけて来た。
(最悪の場合はアンダーワールドに潜る。俺が予告時間までに戻らなかったら、頼むぜ)
(分かってる)
俺達は短く言葉を(心の中で)交わすと、テレパシーの対象を全員に戻した。
「それからずっと目覚めないのか」
「あぁ、あれからずっと寝たままだ。私達がいない間に起きているのかと思い、診察等も兼ねて医者を付けてみたが、三日間起きなかった」
「ソイツはもう確定だな」
櫂がリングを取り出す。それはエンゲージリングだった。
「アンタの娘を救う。一先ず俺達が出来る最高の方法でな。それで無理だったら、もう少し探らなきゃならねぇ」
「頼む。私達の娘を、どうか救ってくれ」
「あぁ、分かってる」
櫂は立ち上がり、さっき教えられた部屋に向かう。俺達と秋山夫妻も後に続き、二階にある娘さんの部屋へと向かった。
「あ、やっぱり一旦俺と一夏と社長は外出る。鈴、ヒビがあるか見てくれ」
「分かったわ」
俺と社長は、櫂と一緒に部屋の外へ出た。
「一つ聞きたい。ヒビとはなんだ?」
その時、社長が怪訝そうな顔で聞いてきた。
「俺達がそう呼んでるだけだ。他に言い様が無いんでな。ヒビは、ファントムって言う怪物の手によって絶望した者に現れる。恐らく今回の事もファントムが仕組んでる」
「そのヒビが入ると、どうなる」
「ヒビが全身に回ると、身体は砕け、その内に秘めた魔力が怪物を作る。それがファントムだ」
櫂の言葉に、社長の顔に焦燥が見て取れる程に表れた。
「そんな!あの娘は私達の大切なる子供だ!怪物等にさせて溜まるか!」
「分かってる。だから俺達が居るんだよ………だが、妙だな」
「何がだ?」
俺は櫂が疑問に思っている事が分からず、聞いてみた。
「いや、三日も経てばヒビどころか、ファントムになっててもおかしくねぇ。でも、あの娘からはファントムの気配なんて感じなかったんだ」
確かにそうだ。セシリアや、魔法使いになってから学園を抜け出して行っていたゲートの救出時にもなんどもヒビの進行具合を見た。三日もあれば、あのヒビは体全身を蝕み、ファントムにするくらい簡単だろう。
「そうか、なら、良かった………」ボソッ
「ん?何か言ったか?」
「いや、何でもない」
社長が不自然な態度で返した時、俺の後ろの扉が開いた。
「お、いたいた。鈴が終わったから入っていいって」
俺たちを呼んだのはシャルだ。シャルはそのまま扉を開いて中へと招く。
「おう。とりあえず説明も兼ねてあの娘の状態聞こうぜ」
「あぁ、そうだな」
「了解。あ、もしもの時の為にこれ渡しとくよ」
俺は懐から一つのリングを取り出した。
「予備のエンゲージか。サンキュー」
「あ、それとこれも」
俺はある事を思い出し、もう一つのリングを取り出した。
「あ?なんだこれ?」
櫂に渡したのは、赤と青で顔が斜め半分に分かれたリングだ。
「よく分かんねぇけど、なんか輪島さんの所に届いたらしい」
事実、俺もよく分からない。昨日の夜と今朝を使って調べてみたが、偽物でもない。なんか、雰囲気で言えば変身用に似ている。
「まぁとりあえず、行くか」
「おう」
俺達は部屋へと入る。すると、鈴と晴香は不思議そうな顔をしていた。