インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「待て待て待て。アンタらの言う通りなら、俺は異世界に来たってのか?」
「まぁ、そうなるな」
やっべぇ、頭痛てぇ。ていうかなんでアンダーワールドに入ったら異世界なんだよ…。
ちなみに今俺と話しているのが桐生 戦兎。で、その隣で俺をずっと睨んでるのが万丈 龍我。そしてここはコイツらの拠点のガレージ。元々はとあるカフェの下に秘密基地があったらしいが、今は使えないらしい。
「まぁ、おかしいとは思ったよ。そもそもアンダーワールドは精神世界だから、俺と会話が成立するのはよっぽど意思の強い人間の精神か、それに関連する誰かとだけだしな」
ちょうどいい例がセシリアだな。アイツの母親との思い出がそのままセシリアの中で生き続けていたからこそ、あーいう事が起こる。
「なぁ、さっきから言ってるそのアンダーワールドって言うのは何なんだ?」
おっと、説明忘れてた。
「アンダーワールドってのは、所謂人間の精神世界だ。入れるのは、俺みたいな魔法使いやファントム。そして本人だけだ」
「魔法使い?ンなもんいる訳ねぇだろ」
ここで万丈が口を挟む。まぁ、コイツの性格を考えればこのくらい予測できる。出会って一時間も経ってねぇけどな。
「じゃあ、見せてやろうか?俺の魔法」
「おう、見せてみろよ」
さて、何を見せようか。
「んじゃあこれだ」
俺はガルーダリングを取り出して右手にはめる。
〈ガルーダ・プリーズ〉
魔法発動と同時に、プラモデルのランナーの様な者が現れる。それにはまっているパーツは自立して勝手に組み上がっていき、赤い鳥の様な物が出来上がる。
「ほい」
ガルーダリングをその胸部に刺すと、ガルーダは勝手に動き出した。
「うおっ?!なんだこりゃ!」
「凄い!これはどういう原理で動いてるんだ?エネルギー供給は?使われている素材は?!」
なんか桐生が手帳持って詰め寄ってきた。
「あぁうるせぇうるせぇ!こいつは俺の魔力で動いてんだよ!素材は魔法石だ!」
「魔力?魔法石?もしそれが本当なら、既存の物理法則では解明出来ない可能性もあるのか?」
「知るかよ。そういうのは俺は専門外だ」
実際、物理学は俺が一番苦手とする教科だ。
「さて、俺がこんだけ話したんだ。そっちも話せよ」
「話せって、何をだよ」
万丈が少し苛立たしげに聞く。もしかして君は俺の事が嫌いなのかなぁ?っと、何考えてんだ俺。アホか。
「まぁ、とりあえず全部だ」
「わかった」
そう言って万丈が立ち上がる。
「俺が生まれたのは、横浜の産婦人科だった。3203gの元気な赤ん坊で「誰が生い立ちから話せっつったよ」おぉい!いい所なのに!」
馬鹿かコイツ。あ、違うか。
「馬鹿なんだなお前」
「あぁ?!誰が馬鹿だブルゥアァ!」
「おい落ち着けよきんに君。スクラッシュしてるから」
なんかよく分からんネタが飛び交うが、まぁ無視でいいだろう。
「とにかく、話を聞かせろ」
「分かった」
今度は桐生が立つ。コイツは大丈夫だろう。
「天才物理学者の桐生戦兎がいる東都の街では、スマッシュと呼ばれる謎の怪人が市民を脅かしていた。そこに現れたのが我らがヒーロー、仮面ライダー「待て待て。なんでそんなにセリフ口調なんだ」んだよ、いい所で」
コイツらはまともに話せねぇのか?
「ていうか、仮面ライダーってなんだよ」
「「え?」」
うわ、なんか非常識みたいな目で見られた。なんで?
「お前、自分の呼び名も知らねぇの?」
「え、俺もなの?」
「そう。ていうか、お前の本当の姿まだ見た事無いんだけど」
そう言えば、俺はまだビルドにしかなってねぇな。
「見るか?」
「おう、頼む」
桐生の返答を聞いて、俺は立ち上がった。
「おし、行くぜ」
〈ドライバーオン・プリーズ〉
いつも通りベルトを具現化。んでもってハンドオーサーを逆サイドに。
〈シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!〉
そして左手にフレイムリングをはめる。んで、ゴーグルパーツを下げてからの
「変身」
いつもの掛け声と共に左手をドライバーにかざす。
〈フレイム・プリーズ〉
左手を適当に横に向けると、そこに魔法陣が現れてそのまま俺を通過する。
〈ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!〉
そして今度こそ、俺の姿はウィザードになった。
「それがお前の本当の姿か」
「そう。これはウィザード。魔法使いさ」
「ウィザード……」
さてさて、これからどうすっかねぇ。