インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「警部。犯行予告まで五分をきりました」
「分かった」
テレビ番組の収録スタジオ。本来スタッフと機材とセットだけのはずの場所に、異様な闘志を漲らせる男の人達がいた。その人達は皆警官服やスーツを身に纏い、腰や服の裏のホルスターに銃を携帯していた。
「社長。今回我々に警備の協力を仰ぐのは分かります。ですが、彼らは一体何なのですか?見たところ、織斑千冬や男性操縦者といった面子が揃っている。何故です?このタイミングで職場見学ですか?」
警部と呼ばれた人は、俺達に鋭い目線を向けながらそう言った。警戒するのは当たり前だ。俺達はイレギュラーだ。男がISを動かした。本来あってはならない事を俺達はやっている。その体を研究材料にしたい科学者は山ほど居るだろう。それ故に誘拐を狙う様な輩も少なくないと聞く。あの人達からしたら、俺達はお荷物以外の何者でもない。
「安心してください。彼らは警備の協力者として来ています。特に竜川君に関してはルパンに対抗する術を持っています。まぁ、今は別行動をしていますが。貴方方の想像する様な事にはなりませんよ」
「だと良いのですが」
まだ警戒と疑心を解いていない。当然だ。そんな言葉だけで信じてたら疑うのが仕事と言われる警察官は勤まらないだろう。
「すみません。少しお手洗いに」
社長が席を外す。まぁ、緊張とかもあるだろうし仕方ないだろう。
「予告まで時間がありません。手短に」
「はい」
社長と警部は手短に会話を済ませた。もはや一刻の猶予も無いって事だ。あと、二分。
「おっと、そろそろ犯行予告時刻となります!今スタジオでは警察や探偵の方が来ています。さて、怪盗は、本当にやってくるのでしょうか!」
「ここまでの警備は厳重です。そもそも、ここに辿り着く事自体が困難でしょう。いくらルパンと言えど、こればかりはねぇ」
アナウンサーやコメンテーターが駄弁る様に言う。緩みきっている。あと、一分。
「さぁ来いルパン。今度は逃がさんぞ」
警部が拳を握り締める。あと、三十秒。
(悪い!そっちに行った!)
残り十秒の所で、俺の頭に櫂の声が響いた。これは、テレパシーだ。まさか、アイツ戦ってたのか?
(先に言っとけよ!)
(馬鹿か!戦力残しといた方がいいだろが!)
「さぁ!予告の時間となりました!怪盗アルセーヌ・ルパンは現れるのでしょうか!」
「っ!」
しまった!もう来る!
〈フォール・ナウ〉
その不気味な声と共に、そいつは現れた。天井に一瞬魔方陣が浮かび、それはすぐに穴となった。
「怪盗アルセーヌ・ルパン。ここに参上」
「あ、現れました!怪盗ルパンが!遂に我々の前に姿を見せました!」
不味い、出遅れた!
「変身!」
〈ダーク・ナウ〉
俺は即座に変身し、ルパンに斬りかかる。
「やらせるか!」
「なるほど。君も魔法使いだったか!」
も?そうか、先に櫂と戦ったなら、知っててもおかしくないか。ていうか一回会ってるし。
「この宝石は渡さない!」
「社長!こちらからお逃げください!」
「こんな場面で逃げられるか!私には彼らの戦いを見届ける義務がある!」
嘘だろ。こんなタイミングで社長が戻ってくるなんて!
「余所見をしていてもいいのかい?なぁ!」
「なにっ?!グアァ!」
ズドーーーンッ!
ゼロ距離で何かを放たれた。その威力は俺を弾き飛ばすに留まらず、セットの一部を破壊してその破片を辺りの人達に飛ばした。
「危ない!」
「キャアァァ!」
ヤバイ、あれに当たったら!そう思い俺は焦った。だが、思う様に体が動かない。なんで、こんな時に!
「ウオォォォォ!」
その時、雄たけびと共に二本の触手が撓りながら全ての破片を細かく切り刻んだ。
「シャ、シャル!」
「一夏は休んでいて。コイツは僕が抑えるよ!」
シャルは爪を伸ばしながらルパンに迫る。あの爪は通常のファントムであればほぼ一撃で仕留める事が出来るらしい。
「甘い!」
「クッ!」
しかし、それも当たらなければ意味が無い。ルパンはその攻撃を簡単に避けていく。まるでダンスでも踊る様に。
「ヴェアァァァ!」
シャルは獣の様な雄叫びを上げ、触手を操りながら爪でルパンを切り裂こうとする。
「トァアァ!」
「グアァッ!」
ルパンの放った衝撃波が、シャルを壁に叩きつける。
「シャルゥ!」
「見つけたぞ!」
その時、天井に開いた穴から櫂が飛び込んで来た。
「これは、流石に不利か」
〈コネクト・ナウ〉
「あ、てめぇ!」
櫂が咄嗟に悪霊の眼球を掴もうとしたが、脊髄反射だけで追いつける距離だけではなかった。
「本来の目的は果たした。君達との決着はいずれ付けよう。そうだな。明後日の朝日が昇る頃、天の玉座で君を待とう」
「天の玉座だ?ハッ!ンなもん待たずしてここでぶっ倒してやんよ!」
「おやおや、野蛮だねぇ。指輪の魔法使い」
「っ!」
櫂が斬りかかろうとしたその瞬間、横槍を入れる様にエネルギー弾が飛んで来た。
「………なんだぁ?てめぇ」
櫂がキレる寸前で耐えてる。ここで変にキレても意味が無いって分かってるんだ。
「俺はファントム幹部の一人、スネークル。君に挨拶をと思ってねぇ」
スネークルと名乗ったファントムは、左手に亀の甲羅の様な盾を持ち、右手に蛇が顎で宝玉を掴んでいるの様な杖を持っていた。亀と蛇……四神の玄武?
「君達の力、試させてもら「邪魔だクソ亀野郎が!」グアァッ!」
うわ、喋ってる時に膝蹴りって…。しかも顎に。
「グ、ゴアァ……」
痛そー。まぁ、そもそも相手がファントムな時点でもう櫂には加減する理由が無いから仕方が無い。
「おや、時間を稼いでくれると期待したのだが」
「あんなクソ雑魚放っておいて、さっさと続きやろうぜ」
櫂は構えをとりながらそう言った。
「いや、もう時間の様だ」
「なに?」
「今回はここまで。君達とはまた相見える。その時は、賢者の石も頂く」
〈テレポート・ナウ〉
ルパンはそう言いながら、魔法陣の中に消えていった。
「チッ、逃げられた。しゃーねーな。あのクソ亀野郎で八つ当たり…逃げたんか」
「悪い、櫂。俺も今やっと動ける様になったんだ」
「いや、仕方ない。お前は経験が浅いからな」
それでいいのかと聞きたいが、今は優先事項が違う。
「櫂。どうするんだ?明後日って、それまでに天の玉座って場所を探さなきゃ行けないんだろ?」
「あぁ、そうだな」
「そうだなって、なんでそんなに落ち着いてんだよ」
「当てはある。そこに行く手段が微妙だがな」
櫂は静かに言いながら変身を解いた。俺もそれに続いて変身を解いたが、シャルはどうしただろう。
「一夏、大丈夫?」
「え?」
背後から声をかけられた。声はシャルのだけど、どうして後ろなんだ?俺は今シャルのいる方を向いて……
「ふらついてるよ?」
俺が、ふらついてる?そう言えば、さっきから視界がハッキリしないな。おか、しいな?
「うっ…」
「っ!一夏!」
シャルが駆け寄ってくる。なんで横向きなんだ?あぁ、俺倒れたのか。まだやる事あるのに……。
俺の意識は、そこで完全に落ちた。
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