インフィニット・ストラトス 世界への反抗   作:鉄血のブリュンヒルデ

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特別編 part.16 Another Would's Riders

「皆集まったみたいだな」

 

大きな会議室の中で、様々な服装の人達が揃っていた。俺の様にスーツを着ている人間は少ない。本来この会議室はこの格好でないと居られる雰囲気ではないが、今日に限っては逆にこの姿の方が浮いてしまう。

 

「それじゃあ説明に入る。まずここにいる皆の共通点。皆分かっていると思うが、俺を含めこの室内にいるのは全員が仮面ライダー、又は以前に仮面ライダーとして戦っていた事がある事だ」

 

そう。この室内に居るのは、全員が仮面ライダーと呼ばれた戦士達だ。この内の二人、火野さんと俺は変身能力を失ってはいるが、かつてはそうだった。

 

「それを踏まえて、今回は空に現れた複数の地球についてだ。半年前にも似た現象が怒っていたが、それは」

 

俺は右奥の席に座る白衣を着た青年と、奇抜な服を着た青年に目を向ける。

 

「俺達が防いだ。この内の数人の先輩の力も借りてな」

 

その言葉に数人が頷く。なるほど、タケル君や神様もその一人だったのか。ていうか神様の格好、結構普通なんだな。

 

「それじゃあ、俺達警察が手に入れた情報を表示する」

 

俺はそう言いながらスクリーンの電源を入れる。そこには、一人の男が映し出された。

 

「今回の首謀者だと思われるのは、この木島宏大という男だ」

 

その男は右目に眼帯をしていて、そこからはみ出るほどの火傷の痕があった。

 

「ソイツは何者なんだ?」

 

俺の後ろから声が聞こえる。その方を向くと、そこには赤い革ジャンを羽織ったつり目の男が立っていた。

 

「照井警視、お久しぶりです」

 

「あぁ、久しぶりだな。俺の方でも調べ事があって遅れた。左達は何処だ?」

 

照井警視は会議室を見渡す。この人はこの若さで警視に上り詰めた超エリートで、今は風都署の超常犯罪対策課に勤務している。そして、仮面ライダーアクセルとして風都をガイアメモリと呼ばれるUSBメモリ型の装置を使って人間が変身したドーパントという怪物から守った戦士でもある。

 

「ここだよ照井」

 

照井警視の声に反応して手を上げたのは、帽子を被った男だった。彼は左 翔太郎さん。照井警視と同じく風都の人間で、仮面ライダーWとして照井警視よりも前から風都の街を守っていた戦士だ。その隣にいるフィリップさんもそうだ。二人は、二人で一人の仮面ライダーとして、風都に蔓延る悪と戦った。なんでも探偵をしているらしい。

 

「それで、この男の正体ですが。木島宏大は、以前から魔法などの物理学では観測出来ない超常現象を解き明かす研究をしていました」

 

「魔法なんて、本当に存在するんですか?」

 

永夢君か。彼は成都大学附属病院の小児科医で、彼がまだ研修医だった頃に共に戦ったことがある。ゲームの力を使い戦う、仮面ライダーエグゼイド。確か、彼に感染しているバグスターウイルスも仮面ライダーとして戦っているらしい。

 

「存在するぜ。ここには居ねぇけど、俺のダチのライダーも魔法を使ってた」

 

彼は如月 弦太朗。天ノ川学園の教師で、仮面ライダーフォーゼだ。彼の友人であるインターポール捜査官の朔田 流星さんとは一度捜査で情報をやり取りした事がある。

 

「あぁ、晴人さんですか?」

 

「懐かしいなぁ。俺も一緒に戦ったっけ」

 

タケル君が思い出したかの様な声を上げる。そして神様……葛葉 紘汰が懐かしそうに言う。ウィザードか。話には聞いていた。確か、希望を守る為に戦った戦士だったか。

 

「待ってくれ」

 

その時声を上げたのは、仮面ライダービルドの桐生 戦兎だ。今話に出た木島宏大やウィザードとは真逆の物理学の力を使う仮面ライダーだ。今回、彼の一声もあってここにいる全員が集まった。

 

「ウィザードは、この世界にも居るのか?」

 

「この世界?まさか君は、一度向こうの世界に行ったのかい?」

 

フィリップさんだ。彼を知るものは彼を知識欲の権化と呼ぶ。それを満たす為の能力があるから、それにのめり込むと一時的にある意味で戦闘不能となるらしい。

 

「いや、逆だ。向こうから来た奴とあった。ソイツは仮面ライダーの事は知らなかったが、確かにウィザードと名乗った。名前は竜川 櫂って言うんだ」

 

「なるほど。少し待ってくれ」

 

フィリップさんが両手を小さく開き目を閉じる。彼が地球の記憶とリンクする合図だ。

 

「検索が終わった。けど、この世界に竜川という苗字の人間は居ても、竜川 櫂という人間は存在しない」

 

「偽名の線は?」

 

翔太郎さんが聞く。確かにそれは気になる所だ。仮にその竜川 櫂が偽名を名乗っているとしたら、引っかからなくてもおかしくない。

 

「いや、その線も無論考えたさ。しかし、キーワードを偽名に変えても当たりが無かった。地球の本棚(ほしのほんだな)には地球の記憶全てがある。例え偽名だとしても、それを名乗った者がいるなら必ずその記憶がある筈だ」

 

正直、彼がいれば世界中の未解決事件を終わらせる事が出来ると思う。だが、探偵である彼がそれをしないという事は、それ相応の理由がある筈だ。

 

「つまり、その竜川 櫂が空に浮かぶどれかの地球の住民ということか」

 

その時、会議室のドアが開いた。そこに立っていたのは、アタッシュケースをって二つ持ち、スーツを着こなして捜査一課のバッジを襟に付けた男が立っていた。

 

「後藤さん!どうして?」

 

それに反応したのは俺だけじゃ無かった。彼は火野 映司。仮面ライダーオーズとして欲望が生み出した怪物、グリードと戦っていた。彼は今変身出来ないが、自分にも出来る事がある筈だと言って、今回この会議に参加してくれた。そして扉の所に立つこの人は、俺が特状課に行く前からお世話になっていた後藤 慎太郎刑事だ。階級こそ俺と同じだが、刑事としても仮面ライダーとしても、俺より遥かに先輩だ。

 

「久しぶりだな火野。泊もな」

 

「はい、先輩」

 

俺はこの人を尊敬している。仮面ライダーとして活躍していた事も、現在の刑事としての姿も。

 

「火野。これは鴻上会長からのプレゼントだ」

 

そう言って後藤刑事は、手に持っていた二つアタッシュケースの内の一つを火野さんに渡した。その中にあったのは、銀色のメダルホルダーの様な物だった。

 

「これは?」

 

「バースシステムとお前の持つオーズドライバーの力を融合させた擬似オーズドライバーだ」

 

火野さんはそれを取ると、じっと眺めた。

 

「でも、俺が持ってないのはドライバーじゃなくてメダルなんですけど」

 

「分かっている。だが、それを起動させるのはコアメダルじゃない。セルメダルだ」

 

「え?!セルメダルで変身出来るんですか?!」

 

メダル。それは人間の欲望をエネルギーに変える特殊なメダルらしい。その力は世界を滅ぼす程の力が宿っていると聞いた事がある。

 

「だからバースシステムの力も使ったんだ。だが、変身を解除すればエネルギーを使い果たしてセルメダルは消滅する。必殺技を放てば強制的にだ。しかもセルメダルを使う都合上、力は本来のオーズに酷く劣る。それでも使うか?」

 

「……届く腕が手に入るなら、俺は弱くてもその力を使います。それに、俺には頼りになる仲間がいますから」

 

その言葉に、全員の意思が統一される。例え例え敵わなくとも、必ず悪の野望は阻止すると。

 

「とりあえず、まぁ今回もサクッと世界を救っちまおうぜ」

 

戦兎が気楽に言う。本来ならそれを咎めるべきなのだろうが、それが彼なりの気合いの入れ方なのだと理解している。だから俺達はそれに同調する。

 

「あぁ、世界を脅かす輩には、その罪を数えさせなきゃな」

 

「他の世界のライダー。ゾクゾクするねぇ」

 

「誰か一人の欲望で、世界は終わらせない」

 

「どんな奴とでも分かり合いたいが、まずは世界を救わなきゃ始まらねぇしな!」

 

「あぁ、皆の居場所は、俺達が守る」

 

「市民の平和の為に、必ず守る」

 

「人間の可能性を、終わらせない為にも!」

 

「ノーコンテニューで、世界を救う!」

 

「へへっ、最っ高じゃねぇか!」

 

 

…………………………

 

 

「今ここに、戦士仮面ライダーの意思が集結する」

 

一人の本を持った男が、暗闇の中で語り手の様に言う。

 

「この戦いが、後に何を産むのか。この戦いに込められた思いは。それを知るのは、まだ皆さんには未来の出来事」

 

パンッ

 

男は音を立てて本を閉じると、一人静かに微笑む。

 

「さぁ、我が魔王は、いつ目覚めるのでしょうね………フフフッ」

 

男はフードを被り、笑いながら暗闇に溶けて行った。

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