インフィニット・ストラトス 世界への反抗   作:鉄血のブリュンヒルデ

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特別編 part.17 さぁ、推理タイムだ

「………櫂」

 

「んだよ」

 

俺達は絶賛(されては無いが)仲違い中だ。俺がなんであんな事をしたかは分からない。けど、俺の中の何かが、あの扉を開けたがったんだ。無論こんなのは欲に負けただけだ。俺が全面的に悪いのは分かってるんだ。

 

「なんで、こんな何も無い鉱山の跡地なんかに集めたんだ?」

 

俺達は今、秋山社長夫妻を含めた事件の関係者を集めていた。

 

「そりゃまぁ、犯人が分かったからに決まってんだろ」

 

「え?!分かったのか?!」

 

それならそれを早く言えばいいのに。いや、気まずいか。

 

「それで、誰なんだ。犯人は」

 

千冬姉が急かす様に言う。

 

「まぁ待てって。まず、順を追って俺の推理を言う。まず、今回の黒幕はルパンじゃねぇ。ルパンは黒幕の言われるままに動いてるだけだ」

 

「どういう事だ?」

 

ラウラが訝しげに問う。そりゃそうだ。今までの事件を見るに、明らかにルパンの単独での犯行だ。

 

「そもそも、ルパンはどうやってあのウィザードライバーを手に入れた?」

 

「そんなの、盗んだんだって言ってたじゃん。ていうか盗ませたって言ってたけど」

 

笠木さんの言葉を思い返す。あの力は俺と櫂とシャルの力を使って抑えられるかどうかってレベルだ。その力を……………ん?どうやってルパンは盗んだんだ?

 

「なぁ櫂」

 

「気が付いたか。今回の一番の違和感。あのドライバーは魔力を放ち続けて、その力は俺達でさえ使えるか分からないほど。それなのに、魔力を持たないルパンがどうやって使えたんだ?」

 

「何故ルパンが魔力を持っていないと分かるんですの?」

 

今のはセシリアか。確かに、それを断定するにはルパンの正体を知っていなければならない。

 

「そりゃまぁ、あのドライバーが魔力を持つ人間じゃ使えないからだ。俺と一夏ならまだなんとか変身までは行かなくても使えるがな」

 

それなら筋は通っている。だが、未だに解決していない事もある。ルパンの正体もだが、盗んだ手段だ。

 

「魔力を持ってないとして、どうやってウィザーズの警備を掻い潜ったんだ?手薄だったとは言え、殆どの人は盗ませる計画は知らなかったんだろ?」

 

「盗んだのは、恐らくこの男だ」

 

櫂はそう言って一枚の写真を取り出した。

 

「誰だ?」

 

「木島宏大。魔法を研究している男だ。数回程ウィザーズのメンバーも絡まれてる。恐らく奴は独自に魔法について調べ、そして三つの魔法石の存在を突き止めた。それを集めさせるのが本来のルパンの役目だ」

 

「三つの魔法石?」

 

「女神の涙、悪霊の眼球、賢者の石だ。この三つが揃えば、世界を作り替える程の力が生まれる」

 

世界を、作り替える?そんな事を想像もしなかったから、そのイメージが湧かない。

 

「木島宏大の目的はそれにより生じるエネルギーの観測だけだ。ルパンはその力を使わせるという交換条件で契約を結んだんだ」

 

「契約?一体どんな?」

 

恐らく、この質問の答えで全ての謎が解ける。だから、必然的に全員が無言でその言葉を待った。

 

「ルパンは昏睡状態にある娘を救う為に、魔法の力を求めた。身体的異常もない娘の意識を、取り戻す為に」

 

「櫂、それって」

 

「そう。この時点でここにいる全員が察しただろうが、ルパンの正体は…………秋山社長。アンタだよ」

 

櫂の言葉に、全員の心が驚愕に染まった。

 

「待ってよ櫂。そもそもあの時秋山社長は現場に居たんだよ?それなのにルパンであるだなんて、おかしくないかな?」

 

シャルが当然の疑問を唱えた。確かにあの時、社長はルパンと同じ現場に居た。途中からだけど。

 

「それに関しては解決済みだ。あれはコピーだよ」

 

「でもコピーって、全く同じ動きしか出来ないんじゃなかったか?」

 

「本来はな。だが、強大な魔力を持てばそれも可能だ」

 

そうか。あれは魔力量によって変わるのか。櫂でも出来ないそれを、ルパンはやって………ん?

 

「ルパンって、魔力無いんじゃ無かったっけ?」

 

「おいおい忘れたのか?あのドライバーの力」

 

「あっ、あぁ!魔力の無限発生!」

 

鈴が叫ぶ。それに反応して晴香も目を見開いた。そうだ、そうだったんだ。これで全ての辻褄が合う!けど…

 

「で、どうなんだよ。社長さんよぉ」

 

「…………そうだ、私がルパンだ」

 

「あなた、なんでそんな事を!」

 

秋山社長の奥さんが、社長に掴みかかって肩を揺らす。

 

「彼の言った通り、娘を救う為だ」

 

「だからって、どうしてこんな事!手段は他には無かったんですか?!」

 

シャルが叫ぶ。俺も同じ気持ちだ。娘さんの為なら、もっと他にも手段があった筈だ。ましてテレビ局の社長ともなれば、もし病気だとして、いくら高額な手術だったとしても受けれた筈なのに。

 

「あの子の病気は、現代の医学では治せないんだ!」

 

「病気?一体、なんの」

 

え?あの人はお母さんなんだろ?なんで知らないんだ?

 

「分からない。医師も前例の無い症状だと言っていたよ。それより、いつから疑っていたんだい?」

 

「最初の違和感は、アンタが悪霊の眼球を代々受け継いで来たって言った時だ。あれはニュースでは鉱山から見つかったと言っていたからな」

 

「そうか、私はそんな所でドジを踏んでいたのか」

 

秋山社長が呆れたように笑う。それを見て櫂が苛立たしげに胸ぐらを掴んだ。

 

「違ぇよ。そもそもテメェがルパンになった自体が間違いなんだよ!娘の為だけに世界滅ぼすのかテメェは!」

 

櫂が怒鳴る。それに反応して、秋山社長は櫂を睨みつけた。

 

「あぁ、そうだ!」ドンッ!

 

「っ!」

 

秋山社長が櫂を突き飛ばす。櫂はしっかりと受け身を取って立ち上がるが、その目からは凍てつくような視線を放向けていた。

 

「なんだと?」

 

「君達子供には分からないだろうが、子供の為なら全てを投げ出せるのが親という物だ!例え世界が滅ぶとしても、娘が助かるなら構わない!」

 

「ざけんな!テメェ自分が何言ってんのか分かってんのか?もしこの世界が滅べば、お前の娘が住む世界も消えちまうんだぞ!」

 

「それがどうした!娘が助かるなら、他はどうだっていいんだ!」

 

秋山社長がドライバーを取り出した。まずいぞ。あれ今にも爆発しそうなくらいに魔力が高まってる!

 

〈シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!〉

 

「私は娘の為なら、この命さえも惜しくない!変身!」

 

〈ルパン・ナウ〉

 

社長の真上に、宝石を散りばめた様な魔法陣が現れた。

 

「私は怪盗アルセーヌ・ルパン!さぁ、私を止めたくば、この魔法石を奪い返してみろ!」

 

どうしてこうなるんだ。あの人はただ、子供の病気を治したいって思ってただけなのに!

 

「一夏。俺は家族の為に命を犠牲に出来る奴の気が知れねぇよ。けど、絶望させんのだけは御免だ。だから、力貸せ」

 

「分かってるよ。絶対、あの人を救うんだ」

 

〈〈シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!〉〉

 

「「変身!」」

 

〈フレイム・プリーズ〉

〈ダーク・ナウ〉

 

俺達の体を、魔法陣が通過する。この人を救いたい。その心が、俺達の体を戦士へと変える。

 

〈ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!〉

 

俺達は、守るんだ。皆の希望を!

 

「さぁ、ショータイムだ」

 

「心火を燃やして救ってやる!」

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