インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
始まりの邂逅
「よっ、櫂」
「よう戦兎。久しぶり……じゃねぇな。色々ありすぎて感覚狂ってるわ」
向こうから制服みたいな服を着た一人の男の人が歩いてくる。年は俺と同じくらいかな?あ、自己紹介が遅れました。俺は天空寺 タケル。仮面ライダーゴーストです。
「皆に紹介する。あっちの世界での仮面ライダーウィザードの、竜川 櫂だ」
「仮面ライダーってのは知らねぇが、俺はウィザードだ。よろしく」
不思議な雰囲気の人だな。なんていうか、心の奥が見えない。俺には人間の思いを読み取る力があるけど、なんかあの人の心には靄がかかってるみたいに、薄っすらとしか見えない。
「タケル君、どうしたんだ?」
「え?あぁ、なんでもないです。少し考え事してただけですから」
「そうか」
泊さんに心配かけちゃったな。泊さんにはお世話になりっ放しだからその恩を返したいんだけど、どうにも泊さんは貸し借りとかを気にする人じゃないみたいで、お返しをしようとしても遠慮されてしまう。
「おいおい、立ち話してる暇なんてあるのか?」
その時、ハットを被った男の人がその帽子を被り直しながら言った。
「誰だ?このいかにも半人前ですって感じの奴は」
「あぁん?!誰が半人前だ!俺は半熟とか半端とか、半が付く言葉が大っ嫌いなんだよ!」
き、キレた…。確か、あの人は左さんだったよな。
「いや、今のでキレる所も半人前の証だし、ていうか時間無いって言ったお前が時間潰してどうすんだよ」
こっちは凄く冷静に対処した。なんか、対極的な二人だな。
「あぁ分かったよ!フィリップ、説明頼む」
「あぁ、任せなよ」
フィリップさんが本を開きながら言う。
「今回、彼が居ると思われるのが複数の地球の間にあるとされている時空の歪み。そこには僕の地球の本棚以上の記憶が宿っている。もしそのエネルギーを彼が手にすれば、恐らく全ての世界が崩壊する」
「それを防ぐには、奴の持つリングを壊すしかない。破壊した時の余剰エネルギーで時空の歪みも崩壊するはずだ。そうすれば世界は引き合う力を失って、引き剥がされる筈だ」
櫂さんが付け足すように言う。俺達はそれを聞いて、納得しようとしていた。けど、その時。
ドカァァァァァンッ!
俺達のすぐ傍に、何かが落下してきた。
「まぁ、そりゃ邪魔するわな」
凄い。まだ冷静でいるだなんて。と思ったけど、殆どの人が冷静か、警戒をしているだけだ。さっきあんなにキレていた左さんも、さっきとは打って変わって大人の顔になっている。
「さぁ、私を邪魔する者共よ。私が見た記憶の中でも最強の力達の前に倒れるがいい!」
響いた声と共に爆煙が晴れて、そこには一人の赤い人型の異形が立っていた。
「サジタリアス!アイツ、ホロスコープスの力も使えんのか」
弦太郎さんが声を上げる。恐らく、あれは弦太郎さんが戦った相手なんだ。
「ここは俺に任せて行け。アイツは俺のダチの生きた証を弄んでやがる。あれは、俺が倒さなきゃならねぇ」
「ダチ?あんな化け物がか?」
「相手が誰であろうと関係ねぇ。どんな奴にも、闇はある。アイツは、それに飲み込まれちまっただけなんだ」
櫂さんに、弦太郎さんが悲しそうに言う。そして弦太郎さんはドライバーを腰に巻きつけて、四つの赤いスイッチを押した。
〈3・2・1!〉
「変身!」
弦太郎さんは右側に付いたレバーを捻ると、右手を大きく振り上げた。そして不思議なメロディーが流れ出して、弦太郎さんの体を光と煙が包み、それを弦太郎さんが払う。そこに立っていたのは、真っ白な、まるで宇宙飛行士の様な姿だった。
「分かった。ここは任せたよ!」
映司さんがそう言って走り出す。いや、映司さんだけじゃない。皆が走り出していた。気付けば俺も、脚を踏み出していた。そうだ。心配なんてする必要は無い。俺達は仮面ライダーだ。今まで何度も戦って、そして勝ってきた。それを互いによく理解しているからこそ、俺達はこうやって走り出す事が出来る。
「おう!任せとけ先輩!」
弦太郎さんの声を背中に受け止め、俺達は走った。
「さてと。仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせて貰うぜ」