インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「なぁ、アンタら」
「ん?」
俺達の後ろに歩いていた櫂が、俺達を呼び止めた。
「アンタらはなんの為に戦ってんだ?」
あ?なんか、このシュチュエーション、デジャ……なんとかだな。
「俺は、俺の街を守る為さ」
「俺は、俺を産んでくれたこの星を守る為だ」
「俺は警察官として、仮面ライダーとして市民を守る為に」
「俺は、人間の可能性を終わらせない為に」
「僕は、全ての人の笑顔を守る為だ」
「勿論、ラブ&ピースの為に決まってんだろ」
全員が言う。やっぱりコイツらは筋金入りの馬鹿だな。でも、俺はその馬鹿が嫌いじゃねぇ。
「正直、俺には分からねぇ。俺は俺の親父のせいで化け物になっちまった人達を、殺す事でその苦しみを終わらせるって決めた。けど、アンタらみたいに世界の為だとか、誰かを守るってのがイマイチ分からねぇんだ」
俺にも、そんな時期があった。だからこそ、コイツの葛藤が分かる。皆も同じ筈だ。迷わねぇ奴なんていない。
「お前にも、そのうち分かる」
だから、俺はその時に映司に言われた言葉を言う。
「別に、何の為に戦うかだなんて人それぞれさ。一々気にしてもしかたねぇだろ」
翔太郎が言う。俺はそれに頷きながら言う。
「俺なんか、元々は自分にかかった冤罪晴らす為だったし」
「いや、俺なんて自分が蘇る為ですよ?」
「なんだよその一回死んだみたいな言い方」
「え?あ、俺一回死にましたよ」
「あぁそうかよ…」
櫂が呆れた様にため息をついた。仮面ライダーって色々いるんだな。俺らの世界だけでも色々変な奴らばっかだったんだ。そりゃ他の世界のライダーに変な奴がいてもおかしくねぇか。
「俺は…」
その時だった。
ドカァァァァァァン!
俺達の目の前に何かが落ちてきた。今度は誰の敵だ?
「やれやれ。刺客を送っても、一人一人分担させるだけ。ならば私が出向く他あるまい」
そこに立っていたのは、木島が変身した姿。確か、ノアだったっけか。
「竜川 櫂。君は何故戦っている。確かに君の父親の行いは残虐極まりない。だが、それなら君の死を持って償うべきではないのか?君はあの時何故絶望しなかった。勘のいい君ならば気が付いたはずだ。これを行ったのが父親である可能性が高いということに」
「死を持って償う、か。確かにそいつが一番手っ取り早く罪から逃れられる。でもなぁ、それじゃあ意味がねぇんだよ。俺一人だけ死んで償った所で、誰にも得がねぇ。なら、親父のせいで苦しむ人達を救う事で、罪を償う。そう決めたんだよ」
櫂は一歩前に出て言う。それに続いて翔太郎が前に出ながら、フィリップもその隣に立つ。
「死んで償える罪なんて、この世には存在しない。罪とは、生きる内に犯し、そして数えながら共に進む者である。翔太郎の憧れた人の言葉さ」
「フンッ、その憧れた人とやらは甘ちゃんらしいな……けど、嫌いじゃねぇ」
櫂が左手に指輪をはめながら言う。
「コイツは俺がやる。アンタらは先に行け。どうせすぐに追いつく」
「分かった。遅れんなよ」
俺が櫂の肩に手を置きながらそう言うと、櫂はニヤリと笑いながら振り向いた。
「さっさと終わらせて追い抜いてやるよ」
「ヘッ!やってみろよ!」
俺はそう言いながら走り出した。それに続いて全員が走り出す。
「行かせるか!」
「やらせるか!」
〈ディフェンド・プリーズ〉
後ろで爆発音が聞こえる。櫂が攻撃を防いでくれたんだ。俺達は櫂を信じて走るだけだ。任せたぞ、仮面ライダーウィザード!
…………………………
「てめぇには聞かなきゃいけねぇ事が山ほどあるが、それは後回しだ」
俺はそう言いながらドライバーのハンドオーサーを反転させる。
〈シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!〉
「変身」
〈フレイム・プリーズ〉
〈ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!〉
俺は構えながら、いつもの言葉を言う。
「さぁ、ショータイムだ」