インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「シャラァ!」
「フンッ!」
無駄にかてぇなコイツ。さっきから何をやってもよろつかせるので精一杯だ。悔しいが、俺一人じゃキツいかもしれねぇ。クソ。一夏とシャルロット置いて来なきゃ良かった。
「考え事をしている場合か!」
「ッ?!ガァ!」
ドゴンッ!
俺は近くにあった柱に叩きつけられて、背中を強く打った。その衝撃で俺の肺の酸素は強制的に吐き出され、俺の体が酸素を求めてもがく。
「どうした。それが君の全力か?期待はずれも甚だしい!」
バキッ!
「ゴアァ!」
腹を蹴り上げられる。生身だったら臓器が一瞬でボロボロになりかねない一撃だ。
「ク、ソがァ……」
立ち上がるのでも体力を消費してる。このままじゃヤバイ。出し惜しみしてる場合でも、ねぇか。
「させるか!」
奴が俺に向って拳を放とうとする。この距離じゃ避けられない。終わったか。
「ハァ!」
そう思った瞬間。俺の目の前に立っていたアイツに、誰かが横から飛び蹴りをかました。
「大丈夫か?」
「誰だよお前」
「開口一番それ?まぁいいや。俺は……」
俺の目の前にいる男は少し笑いながら振り返った。
「安室 音狼。ただのしがないヒーローさ」
…………………………
「ただのしがないヒーローさ」
「………」
うわー。あからさまに「何言ってんだコイツ」見たいな顔されてる。まぁいいか。こういうのは慣れっこだ。
「まぁ見てなよ。僕の変身」
僕はチューブドライバーを取り出して、腰に宛がう。
〈Tube Driver!〉
自動的にベルトが巻かれ、音声が鳴る。
そのまま流れるように右側についてる”チューブスロット”を親指で上に向ける。
「さぁ、始めようか」
僕はポケットからフルボトル……いや、”ハイエナチューブボトル”を取り出した。指先だけで動かすように横へ振り、コポコポと音を立てるソレをドライバーに挿し込む。
〈Hyena Tube!〉
音声が流れたと同時に、スロットを横へ傾け、カバーを左へスライドさせた。
そして、告げる。何度も言ってきた、自分を強くする魔法の言葉を。
「変身ッ!」
瞬間、僕の周りに三角フラスコが出て来て、左隣には試験管が。
試験管の中にある灰色の液体が三角フラスコを満たし、凝縮。そのままスーツへと化し、姿を現わす。
『The aloof star!hyena try!greatest!!』
「…僕の名は、仮面ライダートライ。以後、お見知りおきを」
この台詞、一回言ってみたかったんだよね。戦兎さんがエグゼイドに対して言ったこの台詞。まぁ、厳密に言うと戦兎さんが葛城 巧さんだった頃の話なんだけど。
「お前も仮面ライダーか」
僕が助けた彼が立ち上がりながら言う。
「そういう君は?」
「俺はウィザード。ただの魔法使いだ」
魔法使い?仮面ライダーじゃないのか。見た目はそれっぽいのに。
「俺には分からないん。誰かを救う為に魔法使いをやってるわけじゃねぇ俺が、仮面ライダーを名乗っていいのか。この名前には大切な意味がある気がするんだ」
なるほど。そういう事か。
「幸いここには多くの仮面ライダーが居る様だ。彼らから学べばいいさ」
「アイツらにか?」
「そう。ちなみに、僕にとってこの名前は、覚悟の表れのような物だ」
僕にも迷う事はあった。それでも、戦うと決めたんだ。守りたい人や、肩を並べたい人がいたから。
「さぁ行きなよ。こいつは僕が引き付けるから」
「………分かった。頼んだぜ」
「あぁ」
僕も仮面ライダーとして、世界を脅かす奴らは倒さないとね。
…………………………
「グゥッ!」
「グアァ!」
強い。いや、強すぎる。バースやセルオーズ(と会長が呼んでいた)では真木博士は倒せない。
「後藤さん、まだ動けますか?」
「当たり前、だっ!」
だが、ここで負ける訳にはいかない。結局この人も操り人形のような物だ。俺達に勝った後で向こうに行かせるかもしれない。それはダメだ。皆が戦っている。俺達だけ倒れている訳にはいかない!
「火野!コンボを変えろ!」
「はい!」
火野は苦しそうにしながらも立ち上がり、ホルダーからメダルを取り出した。
「っ?!そうか、一度使ったから」
火野がタカとバッタのメダルを取り出すと、それは粒子となって消えていった。そして手に持っていた二枚のメダルをそれぞれのスロットに入れると、オースキャナーでそれらを読み取る。
〈ライオン・ギン!トラ・ギン!チーター・ギン!ラッタラッタ、ラトラーター!ギン!〉
「はぁ!」
火野はコンボをラトラーターに変えると光を放った。だが、本来のそれよりかは弱々しかった。
「その程度ですか?」
「まだです!」
火野はラトラーターの最大の武器であるスピードで博士に迫り、その爪で切り裂こうと振りかぶった。俺はこの時違和感を感じていた。
「やはり遅いですね。私なら通常でも対応できましたが、バースの補助しか受けていない後藤君が目で追える程とは」
そうか。俺の違和感はこれだ。バースのメインカメラの性能では、F1のマシンを完全に捉える事が出来る程だ。だがそれは、本来のオーズやグリード達にとってはその程度の次元で、本来のラトラーターであれば目で追うことは出来ない。だが今回ははっきりと見えた。つまり、今の火野はその程度の次元なんだ。
「グッ!ガァァ!」
火野が投げられる。俺はなんとかそれを受け止めたが、もう装甲が持ちそうにない。
「後藤さん!」
「俺のことは気にするな!お前はあれを倒せ!」
「でも!」
やっぱりコイツはお人好しの甘ちゃんだ。だが、コイツこの性格が多くの人を惹きつけるんだろうな。
「……一か八か、やるしかない!うおぉぉぉ!」
火野がもう一度高速移動で博士に迫る。今度は複雑な動きでは無く直線的な動きだ。その分スピードは上がるが、あんな動き簡単に見極められてしまうだろう。
「甘いですよ」
博士が右腕を前に突き出す。まずい。あのままじゃ火野が!
〈タカ、ギン!トラ、ギン!ゾウ、ギン!〉
ゴンッ!
その時、火野がメダルを変えてその性質を変えた。脚部のゾウの力を使って博士の目の前で急停止した。
「ハァ!」
火野はトラクローを展開して博士の腹部を貫いた。
「ッ!…その程度ならば、ダメージにはなりませんよ」
博士は火野の腕を掴んで横に放り投げた。
「グアァ!」
火野は地面を転がりながら呻き声を上げた。
「っ!これは?」
博士は一瞬脱力した様によろめいた。
「いくら貴方が強くても、メダルを三枚も取られれば少しは手が届く様になるでしょ」
火野の手には、プテラ、トリケラ、ティラノのメダルがあった。
「まさか、あの一瞬で。流石はオーズの器となった男ですね」
「これで、貴方と同じ土俵に立てます」
火野はそう言いながら、ベルトを本物のオーズドライバーに変えた。
「そうはさせませんよ」
博士が紫色の炎を放つ。
「こっちの台詞だ!」
俺はそこに割り込んで、自分の体を盾にした。
「後藤さん?!何してるんですか!」
「俺に構わず変身しろ!博士を倒せるのは、お前だけなんだぞ!」
「っ!はい!」
火野は頷きながらメダルをセットしていく。
「変身!」
〈プテラ!トリケラ!ティラノ!プットティラーノザウルース!〉
俺の後ろで、火野の姿が変わる。俺は耐えられなくなり、その場に膝を付いた。
「後藤さん。後は俺に任せてください!」
「あぁ、任せたぞ」
俺は恐らく当分は動けない。火野に任せる他ないな。任せたぞ、火野。仮面ライダーオーズ。
今回コラボさせて頂いたのは
ユーザー名、「artisan」さんの「INFINITE・MATCH!」より
安室 音狼、仮面ライダートライ!
artisanさんはコラボ募集の際に一番に名乗りを挙げて頂きました。ありがとうございます!
今回変身音やその時の地の文は殆どコピペになってしまいましたが、そこら辺はお許しください…