インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「くっ!」
俺は今、記憶から生まれたゲンムを倒す為に、一人で戦っている。パラドには俺達の世界の事を任せているから、容易には呼べない。
「ヴェアハハハハハッ!宝生永夢ゥ!君では、神である私に勝つ事は不可能だァ!」
「どうかな?やってみないと、分からないだろ!」
互いの武器がぶつかる。衝撃が空気を震わせ、甲高い音を上げる。
「ハァ!」
「クゥ!まだまだァ!」
押しては押され、押されては押して。一進一退の攻防が続く。このままじゃジリ貧だ。
「それなら!」
俺はガシャットを取り出して、起動スイッチを押す。
〈ゲキトツロボッツ!〉
ガシャットから起動音とタイトルコールが流れ、背後にゲーム画面が浮かぶ。
〈ガシャット!〉
そしてゲーマドライバーのレバーを戻してスロットに挿す。
「大・大・大変身!」
腕を回して、レバーをもう一度開く。
〈ガッチャーン!レベルアップ!〉
〈アガッチャ!ぶっ飛ばせ!突撃!激突パンチ!ゲキトツロボッツ!〉
ゲーム画面からゲーマが現れて、俺の体に装着される。そして俺は、仮面ライダーエグセイド ロボットアクションゲーマー レベル3になった。
「行くぜ!」
ガンッ!
俺は左腕に装着された強化アーム”ゲキトツスマッシャー”でゲンムを殴り飛ばす。
「ぐうぅぅ!レベル3か……ならば、私もレベル3になるまでだァ!」
ゲンムもガシャットを取り出して、起動スイッチを押す。
〈シャカリキスポーツ!〉
「グレード3。変身!」
〈ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!〉
〈シャカリキ!シャカリキ!バッドバッド!シャカッとリキッと!シャカリキスポーツ!〉
ゲンムはスポーツアクションゲーマー レベル3に変身すると、肩についた車輪型の武器”トリックフライホイール”を回転させて投げた。
「ヘアァ!」
「オラッ!」
俺はそれをゲキトツスマッシャーで掴み、後から来たもう一つのトリックフライホイールにぶつけた。
「やるなァ……流石は天才ゲーマーだ」
「まだまだ!」
〈ドラゴナイトハンターZ!〉
俺はドラゴナイトハンターZのガシャットを取り出してスイッチを押す。
〈ガッチョーン。ガッシューン〉
そしてレバーを戻してゲキトツロボッツのガシャットを抜く。そして入れ替えるように、ドラゴナイトハンターZをドライバーのスロットに挿した。
〈ガシェット!〉
「大・大・大・大・大変身!」
そして、レバーを開く。
〈ガッチャーン!レベルアップ!〉
〈アガッチャ!ド・ド・ドラゴ!ナ・ナ・ナ・ナ〜イト!ドラ!ドラ!ドラゴナイトハンターZ!〉
画面から現れたゲーマが、俺の体の至る所を覆う。そして、今度はハンターアクションゲーマー レベル5になった。
「ハァ!」
以前はまだ力が無くて暴走もしたが、クロノスやゲムデウスとの戦いで強くなった俺は、完全にこの力をコントロール出来る。
「くらえ!」
「ぐぅぅ!」
けど、このフォームは体力を使う。かと言ってダブルアクションゲーマーになればパラドを強制的にこっちに連れてくる事になる。それじゃあ、戦力に偏りが出てしまう。
「考え事をする暇があるのくぁあぁ!」
「っ!ぐあぁぁ!」
一瞬の隙をつかれて攻撃をもろに食らった。
「今の君は、レベルXにはなれない。ならば、先手を打つまでさァ……」
そう言いながらゲンムは、ゲーマドライバーを外してバグヴァイザーを腰に当てる。そしてバグルドライバーにすると、白いガシャットを取り出した。
〈デンジャラスゾンビ!〉
「グレード
〈デンジャー!デンジャー!ジェノサイド!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ! Woooo!〉
ゲンムはレベルXになった。こうなったら、マキシマムかムテキを使うしかないけど、翔太郎がギリギリまでは使うなと言っていた。なら、まだ使うべき時じゃない。けど、このままでも負けてしまう。こうなったら、パラドを!
「おい神ィ!」
ブウゥゥゥゥゥン!
その時、声と共にバイクのエンジン音が俺とゲンムの耳に響いた。
「オラァ!」
「っ!ぐあぁぁ!」
黄色い残像が、ゲンムを轢いて弾き飛ばした。
「よぉ、永夢」
「レーザー!」
黄色い残像を追った先には、バイクゲーマーレベル2に跨った貴利矢がいた。
「ここは自分に任せて、お前は先に行け」
「でも!」
「大丈夫だっての。自分だって強くなってんだから」
レーザーは、前に一度ゲンムに殺されている。そして、レーザーも一度ゲンムを殺している。正直、この二人の関係は歪だ。変な所でいがみ合ったり、信じ合ったり。けど、それがこの二人なんだと、俺は知ってる。
「………任せた!」
俺はレベル2に戻って、動きやすくする。
「あ、これ持ってけよ」
そう言ってレーザーはキメワザスロットに挿さっていた爆走バイクを俺に投げ渡してきた。
「サンキュー!」
これ以上の会話は、俺とレーザーには必要無い。言わなくても、だいたいは伝わる。だから俺はレーザーから受け取ったガシャットでバイクゲーマーレベル2を呼び出し、その場から走り去った。
…………………………
「…………九条貴利矢ァ…また君かァ…」
衝撃で変身解除された神の野郎が、気持ち悪い起き上がりしながらそう言った。
「そう言えば自分とお前って、結構因縁あるんだよな」
最初にコイツがゲンムだと知ったのも、最初にコイツが新たな力を得た瞬間に立ち会ったのも。
そして自分は、コイツに殺された。
なんだかんだあって蘇った自分は、コイツと協力してドクターマイティーXXを作り出した。協力って言っても、殺し合っただけだけどな。
戦いが終わって、再び暴走を始めたコイツを止める為に、自分はコイツと戦った。
そして自分は、コイツを殺した。
「互いに一回ずつ殺し合った身だ。今度こそ、終わらせようぜ」
「面白い………しかし、勝つのは私だァァ!」
今度こそ、自分が終わらせる。
「ゼロ速」
「グレード0」
「「変身!」」
自分達はスロットにガシャットを挿して、レバーを開いた。
〈〈ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!〉〉
〈爆走!独走!激走!暴走!爆走バイク!〉
〈マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!〉
自分は前蹴りでライダーアイコンを選んで、神の野郎は前のアイコンを弾いて選ぶ。そして自分達は前に走り、そのままゲートを通って姿を、仮面ライダーへと変える。
「ハァ!」
「オラァ!」
互いの拳が交差して、互いの顔にヒットする。
「グゥ!」
「カッ?!まだまだ!」
〈ガシャコンスパロー!〉
自分はガシャコンスパローを鎌モードで構え、ゲンムに斬り掛かる。
「グアァ!ならばァ!」
〈ガシャコンブレイカー!〉
奴はガシャコンブレイカーをソードモードにして斬り返す。自分はそれを流しながら攻撃を繰り出す。
「甘ァイィ!」
ゲンムは、キモイ動きでそれを躱すと、そのまま刀身を振り上げて斬り上げる。
「グワァ!」
「そろそろ、終わりにしようかァ…」
〈デンジャラスゾンビ!〉
「グレードX-0。変身!」
〈デンジャー!デンジャー!ジェノサイド!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ! Woooo!〉
「ブワァァァァ!」
奴はレベルアップした。まっずいかもなぁ。このままじゃ、なぁ!
〈シャカリキスポーツ!〉
「爆走!変身!」
〈シャカリキ!メチャコギ!ホット!ホット!シャカ!シャカ!コギ!コギ!シャカリキスポーツ!〉
お互い死んだ身。命をゼロに戻された者同士、どこかシンパシーの様な物を感じていた。けど、自分とコイツは根本的に違う。自分は医者で、コイツはゲームクリエイター。本来なら、交わる事さえ無い職種同士だ。
「いけ!」
「効かないなァ!」
車輪を回転させながら投げつけるが、それは弾かれる。
「くらえェ!」
けど、それが狙いだ。
〈ガシャット!キメワザ!〉
「っ!」
〈ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!〉
自分は、ゼロ距離で必殺を放つ。無数の矢が、ゲンムを四方八方から襲う。
「ぐぅぅ!その程度クアァ!」
「んな訳!」
「何?!」
ギュイィィィィィィンッ!
その時、さっき弾かれた車輪が、横からゲンムを襲った。
「グアッ!」
それは直撃し、そのまま自分の手物に帰ってきた。
「あれぇ?乗せられちゃった?」
「………私は、神だ!この程度で、負ける筈が無いだろう!」
起き上がりながら、奴は一つのガシャットを取り出した。
〈ゴッドマキシマムマイティX!〉
マジかよ。あれ、使えるのかよ。
「グレードビリオン!」
〈マキシマムガシャット!〉
〈ガッチャーン!不ー滅ー!最上級の神の才能!クロトダーン!クロトダーン!最上級の神の才能!ゴッドマキシマーム!X!!〉
ゲーマを纏い着地したアイツは、手を広げて天を仰いだ。
「神の、降臨だァ………」
「何が神だ。死神の間違いだろ」
コイツに勝つには、これしかない。自分は、バグヴァイザーⅡを見ながらそう思った。
「私を、焦らすなァァ!」
「っ!ぐあぁぁ!」
その時、巨大な拳が自分を襲った。それはゲンムのゲーマの拳だ。
「ハァハッハッハッ!やはり君では、私に勝つ事は不可能だァ!」
「…………自分はどこかで、いつかお前と分かり合えるんじゃないかって、思ってた」
「…何?」
「だけど、人の命を軽んじるお前とは、絶対に分かり合えない」
自分は医者だ。だから、やる事は一つ。誰かを脅かす病原菌は、根絶やしにしないとな。
「永夢の台詞を借りるなら……世界の運命は、自分が変えるってな」
〈ガッチョーン〉
〈ギリギリチャンバラ!〉
「変身」
手を離すと、ガシャットは宙を舞う。自分はそれを回し蹴りで蹴って飛ばし、ガシャットが収まるまでにバグルドライバーⅡのAボタンを押した。
〈ガシャット〉
ガシャットが挿さったのを確認すると、ボタンを押す。
〈バグルアップ〉
〈ギリ・ギリ・ギリ・ギリ!(Wow!)チャンバラ!(Wow!)〉
自分は、レーザー最後の姿。仮面ライダーレーザーXへと変身した。
「自分は一度、このガシャットでお前に殺された。そして、この姿でお前を殺した。ある意味、自分とお前の因縁が詰まったガシャットって訳だ」
カチャンッ
ガシャコンスパローを拾いながら、そう言った。
「思い出すな。君のあの表情を」
「あの時はよくもやってくれたよなぁ」
一触即発。きっと今の状況にピッタリの言葉だ。
「医者として自分は………いや、自分がお前を倒す」
沈黙が流れる。
バキッ!バコーンッ!
不意に、近くの柱が折れた。自分達は腰を落とす。
ドカァァァァァンッ!
倒れ、砕けた。それを合図に、自分達は走り出した。
「「ウオォォォォォォ!」」
ゲンムが拳を振るう。自分はそれを躱し、下から斬り上げた。だがそれは意味をなさず、奴は自分目掛けてその腕を振り下ろした。すんでのところで躱した。先に崩れた方が、負ける。
「ハァ!」
「ヴェアァァァ!」
自分の振ったガシャコンスパローが、奴の右手に砕かれる。
「終わりだァァ!」
「それは、こっちのセリフだ!」
〈ガシャコンキースラッシャー!ズ・キュ・キュ・キューンッ!〉
「っ?!」
ギュンギュンッ!
「グワァ!」
自分が放ったエネルギー弾は、ゲンムの拳に直撃。そのままよろめかせた。
「よっと!」
「ぐっ!」
そのまま前蹴りで蹴り飛ばすと、奴は地面に転がった。
「何故君が、その武器をォ…」
「永夢から借りたんだよ」
自分はそう言いながら白いガシャットを取り出した。
「お前とは、このガシャットで終わりにしてやる」
〈ドクターマイティーXX!〉
「ドクターマイティー?ハハハハハッ!そのガシャットはゲムデウスウイルスへのワクチンだ。私には、意味をなさない事くらい、君も知っているだろ?」
そうだ。本来このガシャットは対ゲムデウス専用ガシャットだ。だけど、今は違う。あの後、何が起こってもいいように、このガシャットにリプログラミングのプログラムを仕込んだ。これが奴に効果をもたらすかは分からない。けど、そこは、ノリに乗るしかねぇだろ。
「それに、使用者がバグスターなら消滅するデメリットもある。それでも使うのか?君に、その覚悟があるのか?」
「残念ながら自分はもうほとんど人間に近い存在に戻ってる。永夢のリプログラミングのおかげでな。だから、いっても重症だろうな」
〈ダブルガシャット!〉
正直、さっきのはハッタリだ。奴に言った訳じゃない。自分にだ。今まで自分にだけは嘘をついてこなかった自分だが、これは仕方が無い。望んで死ぬ訳じゃない。けど、死ぬ覚悟がなけりゃ倒せない。なら、覚悟決めるしかねぇだろ。
「これで終わりだ」
〈ドクターマイティー!クリティカルフィニッシュ!〉
「ウオラァァァ!」
ワクチンを纏ったエネルギー弾が、奴に迫る。
「フォウ!」
その瞬間、奴はゲーマから飛び出してそれを回避した。だがなぁ!
「そんなのはお見通しなんだよ!」
「何?!」
〈ジャジャ・ジャ・キーン!〉
自分は飛び上がり、奴の正面に来てもう一度トリガーを引いた。
〈ドクターマイティー!クリティカルフィニッシュ!〉
「ハァァァァ!」
ズバァァンッ!
「グワアァァァァ!」
ズドォォォォンッ!
派手な音を鳴らしながら、神の野郎は地面に落ちて爆破した。
「私は、神、だァァァ……」
「…お前がなんだろうと、自分の勝ちだ」
「そう、か…………私の、負けか」
なんだよ。この感情は。
「やけに素直じゃねぇか」
「黙れ。神である私に、口答えをするな」
ザッザザザザッ
そういうコイツの体は、もうノイズが走っていた。
「どうやら最後らしいな」
「………ならば、私に勝った褒美をやろう」
「あ?」
神の野郎は、そう言いながら自分にオリジンガシャットを渡してきた。
「それを、持って行くがいい……」
「いや、いらねぇよ」
「ならば、持っておけ。これは、神からの、命令だ…」
ザァァァ………
その言葉を最後に、神の野郎………檀 黎斗は消えた。
「…………仕方ねぇな。お前の最後の悪ノリ。付き合ってやるよ」
自分はそう言いながら、ガシャットを握り締めた。
今回のタイトルは、ドクターマイティーXXの変身音をいじったものです。