千の魔法使い《マジシャンズ・イデア》   作:刃留兎

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プロローグ

「アキー!」

「声が大きいって・・・どうかした?レイラ」

 

廊下に元気の良い女の子の声が鳴り響く。名前をレイラ・バレンシュタイン。B組に所属する炎属性を操る魔法学園生だ。そして、声をかけられた少年の名前は遠山アキ。反転の固有属性を操る同じくB組所属の魔法学園生だ。彼らは結構一緒に行動する事が多い。

 

「どうかした?って。放課後早々に急いで何処に向かうの?」

「ああ。図書館に新しい本が入ったらしくてね。それを読みに行こうかなって」

 

新しい本!?と驚くレイラ。それもそうだろう。此処の図書館は元々かなりの書物が保管されており、寧ろ無い本を見つける方が難しいとされている。そこに入った新しい本とは何なのか。

 

「一緒に行っても良い?」

「別に構わないよ」

 

一気に興味を持ったレイラも同行し、アキは急いで図書館へと向かった。

 

 

 

 

 

そして図書館。その入り口付近に噂の新しい本が置いてあった。のだが・・・、

 

「あれ?人が居ない」

 

案外人がいなかった。いや、その本の前には一人しかいなかった。彼女は・・・、

 

「ユリアさんも来ていたんだね」

「あ、遠山君?君もこの本を見に来たの?」

 

そこに居たのはEクラスの生徒、ユリア・アーウィンだった。彼女もアキと同じくこの図書館を愛用している常連者だ。

 

「新しい本が気になってね。これが?」

「ええ。その『新しい本』」

 

そう言うユリアの手元にある本の表紙には、『千の魔法使い(マジシャンズ・イデア)』と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

それと同時間。学園長室。

 

「あの本が此処にあるってどういうことかな?マー君?」

 

物凄い黒い笑みで学園長のマーリンを見る少女、プラム。彼女は彼女で放課後早々に学園長室に呼ばれ、事後報告という形で新しい本の内容を教えられていた。

 

「え~?駄目だった?」

 

「自分の事が書かれた書物を入れられて喜ぶ人は余程のナルシストじゃなければ居ないと思いますよ」

 

首を傾げるマーリンに冷静に突っ込むA組担任のアナスタシア・ペンドラゴン。その突っ込みに賛同するようにプラムもうんうんと頷いた。

 

「いや、でもね。ボクもそろそろ『本当の英雄』って奴を此処の学園生皆にも知って貰いたいんだよ」

「そう言ってただ楽しみたいだけでは?」

「それもある」

 

その発言を聞いた瞬間に何処からかハリセンを持ち出し思い切りマーリンをひっぱたくアナスタシア。それを見ながらプラムは小さくため息をついた。

 

「分かったよ。入れちゃったものはもう遅いし」

「いやぁ、さすがプラム先生は物わかりが良くて助かるよ」

 

「じゃあもう行くね」、とプラムは学園長室を去った・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―始めに―

皆は『千の魔法使い』をご存知だろうか。そう。全ての属性を完璧に扱う、文字通り『千の術式を操る魔法使い』だ。だがしかし、これは世界のルールから逸脱している。

そもそも、全ての属性を完璧に扱うなんて実質不可能である。いや、方法はあるにはある。固有属性の1つである『模倣』だ。

だがこれにも限界がある。模倣は通常よりも魔力消費が大きい。彼女のように乱発は不可能である―』

 

そして再び図書館。アキとレイラ、ユリアはさっき見つけた『千の魔法使い』を読んでいた。

 

「千の魔法使いって確か、プラム先生の事だよね。確かに不思議だよね、全属性を使うだなんて」

「どうやらこの本はプラム先生について書かれた本のようね」

 

レイラの疑問を横目にページをめくるアキ。そして解読が得意なユリアが再び読み始めた。

 

『―そこで私は、世界中のあらゆる遺跡・あらゆる国を探検した。そこで、彼女にまつわる歴史を幾つか入手する事に成功した。此処に記すのは、彼女が辿った4つのエピソードだ。途中、戦争等に関するエピソードもあるため、その手の話が苦手なものは残念だが、この本を閉じてもらうと有難い―』

 

「私は読むけど、貴方達はどうするの?」

「僕は読むよ。レイラはどうする?」

「その部分だけ読まないようにすれば大丈夫だよ。さあめくってめくって」

 

心なしかうきうきしてるレイラに急かされてページをめくるアキ。

 

『―覚悟は出来たようだね。では、次ページから本題に入るとしようか。

実はこの本は私の魔力でそのストーリーを実体験する事が可能だ。その点で1つ忠告を。歴史に呑まれないように注意するように。

 

では、第一章に入るとしよう。第一章は、『悠久の魔法使いの誕生』。では、読者の皆さん。ご堪能在れ・・・』

 

そして、ページをめくったその時。

三人の身体が光に包まれ、

追憶の物語が幕を開けた。




皆さんこんにちはこんばんは。刃留改め刃留兎です。
どうにも問題児シリーズの筆が進まずどうしよう、と悩んでいたところにハーメルンで面白そうな小説が。それが、この小説の原作となる兎詐偽さん作の『魔法の世界へようこそ』です。読者参加型の小説であるこの小説に、僕も幾つかのキャラを参加させていただいています。
この物語はその小説で教師として出て来る少女、プラムについて語られる物語です。千年の時を生き、全ての属性を完璧に扱う、世界のルールに背いた存在であるプラム。第一章では彼女がどう生まれたのかについて語られる予定です。

続いて今話の登場人物について。今回、原作キャラ(兎詐偽さんのキャラ)の他に、とある小説の製作者さんのキャラであるユリア・アーウィンさんを貸していただきました。とある小説の製作者さん、ありがとうございます。

そしてこの小説の更新タイプについて。僕はどうにも難しく考えてしまい、連載がストップしてしまいがちです。そこで、この小説は『章完結更新』にしようと思います。各章が完成し次第に更新していく予定なので、ペースはかなり遅いものとなります。

さて、どうにも未だに文才がない僕でありますが、暖かく見守っていただけると助かります。
では、第一章更新時にまた会いましょう。チャオ♪
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