「おりむーって、エッチだよね」
IS学園一年一組の教室に爆弾が投下されたのは昼休みも中頃に差し掛かった頃だった。
クラスメイトの談笑で賑わっていた教室の温度は突如絶対零度まで急降下し、生徒達の視線はその爆弾を放ったテロリストに集中した。
「ちょっと本音!?」
爆弾を放ったテロリスト、布仏本音はクラスメイトの視線を一身に浴びるもそれも何処吹く風といった様子だ。
本音は友人達の静止も聴かず、爆撃機の如く爆弾を投下し続ける。
「だって昨日おりむーが実習で遅刻寸前になった時の姿…みんな見たでしょ」
本音の言葉を聞いた瞬間、クラスメイト達は時が止まったかのように静止する。
クラスメイト達の脳裏に刻みつけられた一夏のあられもない姿。誰かの生唾を飲む音が、無音の教室に響いた。
「確かに…私もそう思う」
「清香!?」
谷本癒子は友人、相川清香がこの爆撃機の編隊に突如加わった事に驚愕しつつも、友人2人の凶行を諌めようとする。
しかし…
「…実は私も、そう思ってた」
夜竹さゆかの援護射撃が癒子を阻む、お前もか。
「だってへそ出してるんだよ?皆の目の前で」
確かに高校1年生男子が同年代の女子の目前でする格好にしては些か露出度の高いだろう、しかし癒子は反論する。
「いやっ…あれは倉持技研から支給された特注品だから!一夏くんが自分で選んだわけじゃないから!」
「けどあんな身体のラインが出る服着て皆の前に汗だくで出てきたんだよ?もう…アレだよ」
「アレって何!?」
「アレはアレだよ、谷本さんもわかるでしょ?」
「わかんないよ!!」
癒子は孤立無援の戦いを突如強いられながらも、孤軍奮闘を続ける。がんばれ癒子、一年一組の秩序はお前にかかっている。
「はぁ…癒子もさぁ…強情張らないで素直になっちゃいなよ」
「え、私がおかしいの!?」
清香はやれやれと首をふりながら、懐からスマホを取り出した。電源を入れるとスマホの液晶に、昨日の一夏グラウンドでの痴態が写し出されていた。
「ちょっ…アンタそれどこで…ッ」
癒子は赤面しつつもそれの出処を清香に問いただす。
「ISスーツに隠しカメラを仕込んでたんだ、おかげでバッチリと…」
「し、仕舞いなさいよそれ!」
「ほらズームよ」
清香は液晶画面に写っている一夏のへその部分に人差し指と中指を添えると、ねっとりとした手つきで指を左右に離した。
一夏のへそが、スマホの画面いっぱいに拡大表示される。
「やめっ…」
癒子は、口では静止の言葉を発するも、その眼はズームアップされる一夏のへそを凝視していた。
「やっぱり癒子も織斑くんを性的な目で見てたんだね」
「み…見てない!」
「素直じゃないなぁ」
癒子と清香のやり取りを横目に、爆弾魔、布仏本音は教壇に立ち、手を挙げると特大の爆弾を放った。
「みんなーおりむーの何処がエッチだと思うー?」
普段ののほほんとした彼女からは想像もつかないゲスい発言にクラスメイトたちは驚愕する、コイツは何を言っているんだ。ギョッとするクラスメイトを尻目に、本音は大声で叫ぶ。
「私はうなじー!」
暫し、教室に沈黙が流れる。それを打破したのは清香だった。
「私はー…やっぱりおへそかな、形も良くてかわいいし」
「わ、私はおしり!」
「アタシは背中かなぁ」
「おっぱいでしょ!!あの胸筋揉みしだきたい!!!」
一年一組の教室は狂気へと飲まれていった、癒子は己の無力を憂いながら、ただ目前で繰り広げられる狂騒を見つめる事しか出来なかった。
「癒子は!?癒子は何処なの!?」
「へ…?」
「癒子は!織斑くんの何処が好きなの!?」
清香がハイライトの消えた目で癒子を問いただす。この女は、私にこの狂宴へ加われと言うのか。
「わ、私は…」
あぁ清香、私の親友。呑まれてしまったのね、あの男。織斑一夏が発する魔性のフェロモンに。
もう正気に戻ることの無い親友を憂いながら、癒子は眼前の狂気を受け入れた。
「…わ」
「わ?」
「わき…」
「んー聞こえないなぁもっと大きな声で!」
「腋!織斑くんの腋が好き!!」
「ひゅーマニアックぅ!!」
谷本癒子、陥落。
織斑一夏の学園生活は、一夏が知らないところで取り返しのつかない所へ舵を切ろうとしていた…
シリアスが書けなくてリハビリも兼ねて書きました
言っとくが俺は一夏とシャルルの激重シリアス純愛ホモストーリー執筆をまだ諦めて無いからな!