織斑一夏はIS学園のセックスシンボルだ   作:桃次郎

21 / 34
前回の話を書いてる途中に素でセシリアの存在を忘れてた、どうしよう。


想いの力

『どうした?さっきまでの威勢は所詮虚勢に過ぎないか?』

 

一夏の合意を完全に無視して始まってしまった一夏を巡る箒と『銀の福音』…もとい『銀蛸』の戦い、しかし多勢に無勢。おびただしい数の触手が箒を翻弄する。

 

「くっ…おのれ…!」

 

箒とて押されっぱなしではない、持ち前の剣術を駆使し群がる触手を薙ぎ倒しては斬り捨てる。だが触手たちは無尽蔵に湧き続け、箒を追い詰める。

 

「あっ…!やめっ…ほうき……ひあぁッ!」

 

戦いが始まり暫くして中断されていた触手による一夏への陵辱も再開された。突然の刺激にあられもない声を上げ赤面する一夏、声を震わせ中止を懇願するも『銀蛸』は聞く耳を持たない。

 

「や、止めろ!ほうきがっ…見て…!」

 

『交わりの最中に他の女の名前を呼ぶなっ!!』

 

飼い犬を躾けるような声で一夏を叱る『銀蛸』、おしおきだと言わんばかりに『銀蛸』はさらに一夏への陵辱を苛烈なものにする。

 

「アッ…!あぁっ……!」

 

責めたてられ悶える一夏を見てさらに速力を増す箒、行く手を阻む触手群を斬り伏せ、追い縋る触手達を振り切って嬲り者にされる一夏の元へと猛進する。

 

「一夏ァ!私以外の女に躰を許すなァァァ!!!!」

 

限りなく不純なものを原動力として。

 

 

 

 

 

 

 

 

『一夏ァ!私以外の女に躰を許すなァァァ!!!!』

 

作戦本部に箒の映像越しの欲望に満ちた声が響く、それを死んだような目で聴く束と。弟の乱れた姿を観て放心する千冬。

半ば機能不全の状態に陥ったたった2人の作戦本部はもはや謎の巨大蛸と紅いISと触手に嬲られる美少年が織り成すエロティックな大スペクタクルを映し出すホームシアターと化していた。

 

「あぁぁぁ…一夏ぁぁぁ…あんなに穢されて、犯されて…あれではもう嫁の貰い手が…」

 

「いや…いっくん男だし」

 

弟の将来を悲観し嘆く千冬と冷静にその言動にツッコミを入れる束、もう家でAVを観ているのとほぼ変わらないような状態だった。

 

「しっかしまあこんな進化をするなんてねぇ…」

 

画面内で粘液を吹き散らしながら箒を迎え撃つ『銀蛸』をまじまじと観察する束、生みの親の想定の斜め上の所まで変化を遂げた無人機は日和見を決め込もうとしていた束の知的好奇心を煽った。

 

「さっきあのタコ『婚儀』とかどうのこうの言ってたけど…」

 

「このままでは………一夏が蛸の嫁にっ…!」

 

考察を続ける束と教会でウエディングドレスを着て蛸との誓いのキスをする一夏を想像する千冬、今にも卒倒しそうだ。

 

「蛸の婿なぞ認めんぞ一夏ァ!!」

 

「ちょっ!どこ行くの!?」

 

千冬は大声を上げると作戦本部を駆け出ていってしまった、取り残される束と、未だ気絶し部屋の隅に転がされている真耶。

 

「行っちゃったよ…」

 

千冬が出ていった扉を見て空虚に呟く束、その背後のモニターに映る戦局は新たな展開にさしかかっていた。

 

 

 

 

 

 

斬り捨て、斬り伏せ、また斬り捨て。裂帛の気合をもって突撃する箒の行く手を触手の群れが尚も阻む。切っ先を想い人を現在進行形で冒す憎き『銀蛸』に向け箒は進み続ける。

だが触手のあまりの数に箒は一向に『銀蛸』本体の元に辿り着くことが出来ない。『銀蛸』は尚も箒に見せ付けるように一夏を蹂躙し辱める、恥辱に顔を歪ませ頬を朱に染める一夏の表情が箒の性欲と闘争心を煽り立て、太刀筋を激化させる。

 

「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

「うぁぁっ…箒ぃ…」

 

「ヤらせろ一夏ァァァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うるさい』

 

突然だった、『銀蛸』は一夏への陵辱を止めると、箒の居る方向へと向き直る。それと同時に箒に襲いかかって来ていた触手の群れもその動きを静止させる。

 

「う…?」

 

「何だ!?」

 

突如蹂躙と攻撃を止めた『銀蛸』に驚く一夏と箒、『銀蛸』の意図が掴めず困惑する二人。時間にして数秒ほどの沈黙だったが、一夏と箒には永遠とも思える時間だった。

 

『全く…いい加減わからないか?勝負にならないんだよ、小娘』

 

「何ッ!?」

 

『じゃれてやっているのにも気付かずに必死になって…こっちはそろそろ愛する一夏との交わりに集中したいのでな』

 

「あぅ…」

 

一夏の顎を触手で器用に持ち上げ、顔面の間近に寄せる『銀蛸』仮に彼女に唇があれば触れてしまうだろう距離に箒は焦る。

 

「貴様ッ!」

 

『遊びは終わりだ』

 

『銀蛸』の背中に張り付くようにある、今まで微動だにしなかったもはや機能するかどうかも怪しい翼が突如羽ばたきを始めた。それが眩いまでの光を放ち箒の視界を焼く。それと同時に、箒を取り囲む触手の吸盤も同じような輝きを放つ。

それはまさしく、数時間前『銀の福音』が自身を撃墜せんと立ち向かってきた討伐隊を殲滅せしめた光と同じものだった。

 

「何だっ!光が…!」

 

「箒っ!」

 

『よもや私が触手を振るうだけの蛸モドキだと本気で思っていたのか?』

 

進化を経ても尚、『銀蛸』は『銀の福音』だった。戦略級領域殲滅型半無人ISとしての機能を彼女は失ってはいなかったのだ。

箒の誤ちはふたつ。1つ目は進化に伴い無人機がその広範囲殲滅能力を失ったと思い込んでしまった事、2つ目は触手の群れの中に必要以上に斬り込んでしまった事。

箒は悟った、自分は触手の群れを圧倒していたのではなく、確実に仕留められる所にまで追い立てられただけだったという事を。

一夏という”餌”に釣られて来ただけだった事を知るには余りに遅すぎた。

 

「箒ッ!!にげっ…」

 

一夏の悲痛な叫びが箒の耳に届く前に『銀蛸』から放たれた光の羽の矢が箒の元に殺到した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「箒ちゃん!!!!」

 

モニターに映る戦いの結末に悲鳴を上げる束。ディスプレイをしがみつく様に掴み目を限界まで見開き、箒の安否を確認するため『紅椿』への通信を試みる。

 

「箒ちゃん!返事をして箒ちゃん!!」

 

束自身、箒が纏う『紅椿』は今まで自分が製作したISの中でも最高傑作と自認している。だが、今の『紅椿』が受けた攻撃は束の目から見ても明らかにISが受けられるダメージのキャパシティーを遥かに超えていた。

絶対防御があるとはいえ、攻撃による衝撃が箒の内蔵に取り返しのつかない損傷を受ける可能性はあった。最悪の事態を想定し束は必死に箒への応答を呼びかける。

 

「箒ちゃん!…箒ちゃん!!」

 

返事はなかった、自分の体温がみるみるうちに下がっていくのを束は感じていた。己の中にある全能感がみるみる内にひび割れ、崩れていく。

 

「ほ、う、き…ちゃ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『呼びました?姉さん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『馬鹿な…!?』

 

「箒!!」

 

箒は健在だった、纏う専用機『紅椿』はやや煤汚れていたが傷一つ見当たらない。自分の攻撃が全く通用しなかったことに狼狽える『銀蛸』に向かって不敵な笑みを浮かべる箒。豊かな髪を靡かせた姿が、今の『銀蛸』には得体の知れないものに見えた。

 

『何故だ!?どうやってあの攻撃を凌いだ?!何故お前は傷一つ負っていないのだ!!』

 

「ごちゃごちゃ五月蝿いぞ『銀蛸』進化したというが知能はタコ並みにまで退化したとみた」

 

ニヒルな笑みを浮かべ、捲し立てるように質問をぶつける『銀蛸』を軽くあしらう箒。

そのやり取りを見ていた一夏も、箒の無事を喜ぶ以上に、何故あの攻撃を受けて無傷なのかという疑問が上回り、困惑している。

 

「でも、どうやって助かったんだ箒…?」

 

「ふふっ…簡単な事さ、一夏」

 

先程の『銀蛸』を愚弄するような態度とは打って変わって一夏の疑問に真摯に答える箒、右手に刀を握ったまま掌を一夏の居る方へと向けると人差し指をピンと立たせる。

 

「それはお前とヤりたいという一心が私にチカラを与えているからさ」

 

どうしようもない返答が返ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは『銀の福音』接近に伴う緊急招集が箒を含めた専用機持ち(ワンオフ・ユーザー)にかけられ、大部屋へと集まる少し前の事だ。

 

「実用テストも出来なかったし、箒ちゃんは『紅椿』のスペックを少しでも理解しておかないとね」

 

箒は大部屋に向かう前のこと、束に呼び止められ旅館の敷地内でも特に人気のない場所に箒は足を運んでいた。

突然現行最高のスペックを持つISを預けられ、まともな運用テストも受けずに使用するのは余りに危険。だが時間もないという事から、箒は束に口頭で『紅椿』の性能の説明を受けていた。

 

「良い?箒ちゃん、『紅椿』は現行最強のISと言っていい機体なんだよ!」

 

「そ、そうなんですか」

箒は専用機を手に入れて初めは喜んでいたが、やがて束からその詳細な性能の説明を受けると徐々に不安の方が勝って来た。箒自身、こんな超性能の機体が届くとは予想外だったのだ。

束は高めのテンションでさらに説明を続ける。

 

「『紅椿』はね!箒ちゃんのいっくんに対する想いが強ければ強い程そのチカラをどんどんグレードアップしていくんだ!」

 

「想い…?」

 

「そう!箒ちゃんがいっくんを大好きだと思えば思うほどそのパワーを無限に高めていくのさ!!」

 

束の説明は如何せん漠然としていてイマイチ要領を得ないものだったが、箒は元より感覚派の人間だ。大体の意味は理解出来た。

 

「つまり…私が、一夏を好きでいればいる程に…パワーが上がるのか…」

 

「そう!」

 

「そうなのか…」

 

以心伝心、長く離れ離れとなっていた姉妹だったが。やはり血の繋がりを持った二人だ、語彙の少ない会話でも意思疎通に何ら問題はなかった。

 

(つまり私が一夏に対して常日頃からあんな事やこんな事をシたいという想いがチカラに変わるという事か…)

 

問題ありだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかったか?一夏、これが私が『銀蛸』の攻撃を無傷で凌いだ理由だ」

 

微笑みながらタネ明かしをする箒、その笑顔に一夏は全身に鳥肌を立たせる。束さんも何でそんな機能を専用機に仕込んだのかと苦悩する。

 

『そんな馬鹿げた理由があってたまるかァ!!』

 

声を上げ反論する『銀蛸』、一夏は今だけ『銀蛸』に同意した、余りにも馬鹿過ぎる理由だった。

 

「今だってそうだ、一夏。『お前とヤりたい』そう思うだけで身体の奥深くからパワーがみなぎってくる」

 

頼むから身体の奥深くに一生しまっておいてくれと願う一夏、その願いも虚しく、箒は『紅椿』のスピードを限界まで引き上げると一気に『銀蛸』との距離を詰める。

 

『クソっ!来るなぁ!!』

 

触手の吸盤から先程と同じ閃光を迸らせる『銀蛸』、しかしそんなもので今の箒を止められる訳がない。それがどうしたと言わんばかりに、命中する光の羽の矢をものともせずグングンと速度を上げる箒。

そして遂に、箒の太刀筋が『銀蛸』本体を捉えた。

 

『グァァァァァァァァァァァ!!!』

 

常識外れのパワーが『銀蛸』の装甲を切り裂く、箒の振り下ろした太刀がまるで割り箸を割るかのように容易く『銀蛸』を両断した。

 

『ばッ…馬鹿なァァァァァァァァァ!!!』

 

 

 

『銀蛸』の断末魔が空に響く、触手群がぼろぼろとその姿を維持出来ずに崩れ落ちる。

 

「うわぁ!」

 

触手に拘束されていた一夏はその支えを失い、空に投げ出されてしまう。このままでは海へと堕ちる。思わず目を瞑りこれが最期かと腹を括る一夏。

 

(千冬姉…ごめん…!)

 

しかし。

 

(…あれ?)

 

いくら待っても一夏の身に落下の衝撃は訪れなかった、それどころか何者かに体を抱き抱えられている事が感触でわかった。

目を開ける一夏、そこには見慣れた顔があった。

 

「無事か?一夏」

 

箒はすんでのところで一夏を救出していたのだ、一夏をお姫様抱っこの状態で抱き抱え。月夜を背景にした佇まいは何処か神秘的だった。

 

「怖かったな一夏…私がもっと早くに合流していれば…」

 

穏やかな顔で一夏に語りかける箒、対する一夏は訪れる新たな恐怖に身を震わせていた。

 

(コイツ…さっまで色々とんでもない事言ってたよな…?)

 

ヤりたいだの、シたいだの好き勝手言ってた記憶は今も真新しい。

 

「その格好じゃあこのまま旅館に戻ることは出来ないな」

 

「あっ…」

 

触手による恥辱と汚辱によって冒され、粘液に濡れた一夏の躰。身に纏うISスーツも『銀蛸』によって乱暴に引き裂かれ、白い肌が露出してしまっている。

 

「躰を清めないとな…」

 

浄めるなどと言っているが、その目にはハッキリとした欲情があった。爛々とギラつく箒の瞳、手元に『白式』さえあればまだ抵抗の出来るだろうが、それも触手群の崩壊と共にどこかへ行ってしまった。恐らくあのまま海まで真っ逆さまに落ちてしまったのだろう。

 

「何処か…人気のない場所に行ってお前の躰を洗おう」

 

「いや、良いよ…別にこのままで…」

 

「何を言っているんだ一夏!そんな姿でみんなの前に戻ってみろ、とんでもない事になるぞ」

 

心当たりは、ある。今まで散々クラスメイトや同学年の生徒にセクハラ紛いの行為をされ続けていたのだ。この状態であの性欲猿たちの前に立てばどうなるかは火を見るより明らかだ。

しかし、しかしだ。先程まで自分とヤりたいと公言していた強姦魔と一緒に人気のない場所になど行けるだろうか?否だろう。

 

「いや!ホントに良いから!箒、大丈夫だから!」

 

「遠慮するな一夏!このネバネバ洗うの手伝ってやるから!」

 

「1人で出来るから!」

 

箒にお姫様抱っこされたまま問答が続く。このままでは本当に人気のない場所に引っ張られ、第2ラウンドが勃発してしまう。そうなれば今度こそ”最後”までヤられてしまう。

 

「良いから!ホントに良いから!!」

 

「一夏ァ!私とヤるのがそんなに嫌かァ!」

 

「もう隠さねえなお前!?」

 

この不毛なやり取りは訓練用の『打鉄』に乗って千冬が血相を変えてやって来るまで続いた。

 

 




かなり駆け足気味ですがこれで『銀の福音』戦を終わりたいと思います、あ、後次回辺りで最終回です。

詳しくは作者の活動報告をご覧下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。