ていうかこれ書いてる間にハロウィン終わっちゃった…
追記
連載再開を気にタイトルから『外伝』を削除しました
「トリックオアトリート!」
10月末日、世はハロウィンで盛り上がっており。ここIS学園でもそれは例外ではなかった。みな思い思いの仮想をしてハロウィンの1日を楽しんでいる。
「お菓子をくれなきゃイタズラするぞー!」
「きゃー」
「あははっ」
IS学園の廊下は色とりどりの装飾で飾られ、見ているだけでも楽しい。女子しか居ない為か何処か百合百合しい光景だった。
そんな喧騒の最中、一つだけ静まり返っている場所が存在した。そう、1年1組の教室だ。
今、IS学園1年1組は重苦しい空気に包まれていた。クラスの生徒達はみな外でハロウィンを楽しむ他の生徒と同じ仮想をしているのにも関わらず、クラスの全生徒が席に着席し一言も言葉を発さない。
全員がポップな仮想をしている事も相まってなんとも奇妙な空間がそこに広がっていた。ふと、クラスのひとりが声を発した。
「…遂にこの日が来たね」
さして大きくもない声だったが場が静まり返っているせいか、その声は教室全体に響いた。
「うん、待ちに待ったこの日が」
その声に別の生徒が応える、こちらもさほど大きくない声だったが、例に漏れず教室全体に響く。
「ハロウィン…」
「トリックオアトリート…」
「お菓子をくれなきゃ…」
「イタズラするぞ…」
「ウホウホ」
「あ、セシリアがバナナ欲しいって」
その言葉に釣られて別の生徒もポツポツと言葉を発し始めた、ざわつき出すクラスをひとつの声が制した。
「静かに」
その声を合図にクラスは再び静寂に包まれた。
「ウホッ!ウホホウホ!」
大好物のバナナをもらってテンションの上がったセシリアを除いて。
「セッシー静かにー!」
「ウホッ!」
自身に向けられた声に反応し、セシリアは両手をぴたりと腰に付けて気をつけをする。まるで訓練された動物のようだった。
声の主は教壇に陣取ってこのクラスの支配者のように振舞っていた。左手にファ〇タのグレープフレーバーの注がれたワイングラスを持ち、大昔の刑事ドラマの主人公のようにゆっくりとそれを器用に回している。
「おりむーまだ来ないねー」
教壇の主、布仏本音は今や影からこの1年1組を支配する影の女王と化していた。持ち前の盗撮及び盗聴の技術と、独自の情報網から得られる数々の、いわゆる『オカズ』をクラスはおろか全学年に提供する本音は今やこの学園において今最も影響力のある人物と言えるだろう。
「まさか私たちがハロウィンに乗じて織斑くんにセクハラをする事を事前に察知されたのかも…」
「あの鈍感な織斑くんが…」
「まあほぼ毎日ヤられてれば嫌でもわかるでしょ」
碌でもない魂胆を抱く生徒達、ハロウィンはそのような事をする祭りではない事を彼女らは知っているのだろうか。
「…うん?みんなちょっと静かにしてー!」
余り袖をぶんぶんと振って教室内を静かにさせる本音。
「足音が聴こえてくる…」
1年1組の教室に向かってくる、靴底が床を踏む音。音の間隔からその音の主は身長170半ば頃と推定される。このクラスに属する生徒でその身長に達する生徒は1人しか居ない。
「織斑くんが来る…!」
熟練の刑事並みの洞察力で一夏が来ることを察知した1年1組の生徒達は一夏が入ってくるであろう教室のドアに視線を集中させた。
やがて足音はドアの前で止まり、生徒達は生唾を飲んだ。
「おはよー…」
入って来た、入ってきてしまった。IS学園共用オ〇ズ。我らがセックスシンボル。織斑一夏が。
制服のズボンのポケットをパンパンに膨らませて。
「…どうしたの織斑くん…そんなポケットぱんぱんさせて」
「まさかウ〇コ漏らしたの」
「一夏、オムツなら私が替えてやるぞ」
「ちげぇよ」
出会い頭から馬鹿丸出しな事を言い出すクラスメイト達に辟易する一夏、とりあえずこれはウ〇コではないと訂正した。
「織斑くん…」
じりじりと一夏へとにじり寄るクラスメイトたち、セシリアは胸をリズミカルに叩きながら興奮を顕にし。シャルロットは相変わらず教室の後ろの方でラウラに授乳している。鈴は2組だから居ない。
「…トリック・オア・トリート!!」
堰を切ったように一夏に向かってなだれ込む生徒達、しかし一夏は落ち着いていた。既に対策を用意していたからだ。
「はいお菓子!」
ピタリと行動を停止する生徒達、一夏は指先でキャンディを摘みながらドヤ顔をしている。かわいい。
「ふふん!見たか!今オレのポケットの中にはお菓子がたくさん入っている!」
一夏の対策は、お菓子をいっぱい持ってトリックオアトリートを事前に阻止するというものだった。なんとも子供じみた作戦である。まったく一夏はかわいいな。
「これで今日1日、みんなオレに変なことは出来ないな!」
ドヤ顔で勝利宣言をする一夏、しかし。こんな事で1年1組の性欲猿どもは諦めたりはしなかった。
「行け!セッシー!」
「ウホッ!!」
本音の号令と共に勢いよく一夏に向かって躍りかかるセシリア、まるでポケモンのようだ。
「うわっ何すんだセシリア!」
「ウホ!ウホホウホッ!!」
セシリアは一夏の制服のズボンをがっしりと掴むとそれを思いっきり下にずり下げる、ベルトで固定されたズボンを下ろすというのは中々難しいことだが今のセシリアにはそんな事は造作もない。『銀蛸』に撃墜され無人島に流れ着き、その後救出されるまで島に住む猛獣たちを素手でぶちのめして無人島の女王として君臨していた彼女ならば。
「ウホォウ!」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
永きに渡る極限のサバイバルによる弊害で遂に言語能力を失い、知能は類人猿のそれへと退化してしまったものの。今のセシリアは素手でISと腕相撲をして勝つ位のパワーを有している、一夏のズボンを下ろすなど朝飯前だ。
「ウホッ!ウホホウッ!!」
「でかしたセシリア!」
一夏のズボンを戦利品の如く掲げて持っていくセシリア、もう今の一夏に己を守るお菓子はない。上は制服、下はパンツというなんとも間抜けは姿を晒してしまう一夏だった。
「くっ…やめろ…来るなぁ…!」
股間を手で抑えてその場にへたり込む一夏、まるで陵辱もののエ〇ゲのパッケージのような光景に生徒達は息を呑む、煮えたぎる欲望はとうに沸点に到達している。
「織斑くん…!」
「うっ…」
「トリック・オア・トリートォ!!!」
ハロウィンの熱に浮かされた性獣たちが、一夏目掛けて殺到する。一夏は揉みくちゃにされながら己の運命を呪った。
「全く嘆かわしいな…」
千冬は職員室に置かれているテレビを観ていた、画面に映っていたのはハロウィンを出汁にして乱痴気騒ぎを繰り広げている若者たちの姿だった。もはや暴動のような光景に千冬は昭和の頑固オヤジのように腕を組んで口をへの字に曲げている。
「またそのニュースやってるんですね」
「あぁ真耶か…なんだその格好は」
真耶の今着ている服はなんとも奇抜だった、魔女のような黒い三角帽子を被り、胸元は自身の恵まれたサイズの乳房を強調するかのように大胆に開いている。足元は黒い本革のロングブーツが膝下まで覆っており、見るものに魔女をイメージさせた。
「せっかくのハロウィンなので私も楽しもうと思いまして!」
「真耶お前なぁ…」
千冬は自分たちは生徒の模範となる教師なのだからもっと節度を持った振る舞いをしろと激を飛ばした。真耶はしょんぼりしながら慎ましく反論する。
「で、でも!みんなもハロウィンを楽しんでますよ!」
「何?そんなわけが…」
周りを見渡す千冬、そこにはそれぞれ華やかなコスプレをきた同僚たちの姿があった。
「ね?」
「…」
絶句する千冬、学園の風紀はもはや取り返しのつかない所まで堕ちたかと千冬は己の力不足を嘆いた。
「と、とにかく!私はこのまま教室に向かうからな!」
「あ、先輩!」
待ってくださいよ〜とトテトテと足早にその場を立ち去る千冬を追う真耶。教室へと歩みを進めている間もその豊かな双房はブルンブルンと揺れていた、何とでかいおっぱいなのだ。まるで牛の擬人化だ。
鼻息を荒くしてハロウィンへの愚痴をブツブツと呟きながら歩く千冬。千冬は私の目の黒い内は生徒達にそんな浮ついた祭りにうつつを抜かさせないと意気込む。
(全く!あんなくだらん祭りに気を取られおって!もし私のクラスの生徒達が何か問題行動を起こしたら問答無用で張り倒してやる!)
そうこうしている内に千冬は自分が受け持つ1年1組の教室のドアの前までやって来た。
「…ドアが開いている?」
訝しむ千冬の耳に例のあの言葉が届いた。
「トリックオアトリート!」
いよいよ堪忍袋の緒が切れた千冬は勢いよく教室に踏み入った。
「貴様らァ!くだらん祭りに気を取られ…」
千冬の眼に飛び込んで来た光景、それは机の上に裸に剥かれてその上にフルーツやホイップクリームを乗せられた弟の姿だった。
「ち、千冬姉…」
一夏の胸元にはハートの形にホイップクリームがトッピングされ、その枠の上には色とりどりのフルーツが自己を主張しており、乳首の上にはイチゴが堂々と飾られている。
「い、一夏…」
臍から鼠径部にかけてはまるで祝い事のようにフルーツが盛り合わされ、股間はバナナが大輪の花のように盛り付けられて黄色い花を咲かせている。
「あ!織斑先生ー!!」
生徒達がひと仕事終えたような達成感を携えた顔で千冬のいる方を一斉に見た。その目はもはや正気のそれではない。
「トリック・オア・トリートー!!」
もう限界だった、その場に崩れ落ちる千冬。度重なる心労は鋼の女の胃をサンドバッグのように打ちのめした。
かくして、その暴走を止めるものを失ったIS学園のハロウィンは。無秩序な宴へと姿を変え、その混沌をさらに極めることとなる。
ハロウィン編 完
久しぶりの投稿ですっかり文才を失ってしまった…
この話をなんとかハロウィンにまで間に合わせようとしたけどダメだった。
ていうか亡国企業どうしよう、存在をすっかり忘れてた。