あ、それと今後は完結から投稿してきた外伝を本編と一本化して連載を再開します。理由は『外伝』って別ける理由が完結以後も投稿を続けている現状もはや形骸化してしまっている為です。
もうちょっとだけこの話は続くので、読者の皆さん方は気が向いたらで良いので本作にもう少しお付き合い下さい。
それっぽい前書きを書いたけど要はこれからも一夏がエロい目に遭うってことさ…
「テストですか…」
「そうよ、作った以上は実際に着て試さないと」
一夏の新ISスーツのお披露目から数日後、午前の授業を終え学食に向かおうとした一夏を楯無が呼び止めた。
要は着ろと、あの変態丸出しのスーツを一夏に着ろとこの水色頭は言うのだ。
「一夏着るのか!?あのスーツを!」
「ウホウホッ」
「ばぶばぶ」
「ヨチヨチ良い子でちゅねー」
「コーホー…コーホー……」
ヨダレを垂らしながら一夏に詰め寄る箒と、バナナ片手に胸を叩くセシリア。その後ろでラウラを抱っこしながら世話をするシャルロット。
そして頭部全体を覆う黒いマスクのような呼吸補助器具を被りダー〇ベイダーの呼吸音に似た音を鳴らす鈴。マスクの左右から伸びたツインテールがこの怪人物がセカンド幼なじみこと、中国代表候補生凰鈴音だという事を一夏は辛うじて判別する事が出来た。
なぜこのような痛ましくも面白い姿になってしまったかと言うと何を隠そう一夏のせいなのだ。
一夏の度重なる無自覚なフェロモン攻撃はクラスが違う故に耐性の低い鈴の肉体を蝕み、とうとう満足に呼吸すらままならない身にまでなってしまったのだ。
哀れ鈴。しかしそのままじゃ中華と酢豚とツインテールとツンデレという使い古されたキャラしか持たない没個性気味の存在だったのだから、これは怪我の功名というか、寧ろかえって良かったかもしれない。
「……じゃあ行ってくる」
「待て一夏!私との昼飯の約束はどうする気だ!」
「ウホホゥホゥ!!」
「ばぶー」
「もうすぐミルクが出来まちゅからねー」
「コーッ…ホーッ…」
一夏は背後で喚く魑魅魍魎共に別れを告げると大人しく楯無の指示に従い、スーツのテストを受けることにした。断る選択肢もあったがココでゴネればこの水色頭はまた余計な事を仕出かす筈だ。
「じゃあ私に着いてきて、テストはアリーナでやるから」
半ば諦めにも似たものを含んだ一夏の肯定に楯無は満足そうに頷いた。
一夏が楯無の提案に従ったほぼ同時刻、学園がある人工島の海岸に小柄な人物が居た。
その姿は黒いフードに覆われており判別は出来ないが、体格と僅かにフードの隙間から覗く肌の艶から恐らく女性、それも若い年齢の、それも少女と呼ばれる年頃だろうと見るものに予想させた。
生憎この場にはこの黒いフード姿の人物しかおらず、この予想も意味の無いものなのだが。
「ここがIS学園…」
その人物は俯いた顔をゆっくりと上げるとある方向を向いた。一夏たちが居る学園の後者の方向だった。そのまま黒いフード姿の少女はその方向へと歩を進め前進した。
「待っていて姉さん、今行くからね…」
黒いフードが潮風に煽られて少女の頭からずり落ち少女の顔が露わとなった。
程よい血色の肌と艶のある綺麗な黒髪、そして切れ長の目と形の良い話と薄い唇。
その姿は、その顔は”あの女”にそっくりだった。
「あぁお前は大人しくしてろよ、オータムめ…こんなもの押し付けて、いらないって言ってるのに」
懐から顔を覗かせたカブトムシの頭を撫でながら少女は校舎の方向に歩き始めた。
「…やっぱり凄いわねそのスーツ」
「会長が作らせたんじゃないですかぁ!」
更衣室で新スーツに着替えた一夏を楯無が出迎える。既に二人はアリーナのカタパルトデッキにおり、後は一夏の出撃を待つのみだった。
「…このデザインどうにかならなかったんですか?」
一夏は両腕で胸と下腹部を隠しながら楯無に抗議をしていた。今の一夏の姿は予てあのお披露目で新スーツを着させられていたマネキンと同じ姿となっていた。
ナノマシン製の衝撃緩和用透明ジェルスキンはスーツの前面を覆い、一夏の胸と腹そして下腹部を守っている。防御面では完璧と断言しても良い程の強度を誇る。透明だけど。
そのデザインの都合上、必然的に一夏の乳首と局部は衆目に晒される事となるのだが。そこは抜かりなく、スーツとセットとなっている紐ビキニがそこをカバーする。
「うんうん、サイズもピッタリね」
楯無は手に持った扇子を広げて口元を隠しながら己の仕事の出来を改めて確認した。扇面には達筆な『眼福』の二文字が踊る。
「さ、テストを初めましょう!早速専用機を展開して出撃よ!!」
一夏を急かす楯無、その指示に従い一夏は自身の専用機『白式』を展開した。
「…何か心なしか『白式』の姿が変わってる気がする…」
「やはり『白式』は二次移行(セカンドシフト)を既に完了していたようね」
二次移行(セカンドシフト)、それはISのコアが搭乗者との絆を深める事でごく稀に顕現する現象だ。
あの『銀蛸』との戦いによって得られたデータは『白式』に新たな力を授けたようだった。
(あの触手プレイが『白式』にどんな影響をもたらしたのかしら…)
「なんか装甲が減ってる…」
以前の姿より装甲が減り、スッキリとした外観となった『白式』、搭乗者である一夏の躰のラインが露わとなっており、何処か煽情的な印象を見るものに与えていた。
特に機体前面に至っては装甲が存在せず、一夏の紐ビキニが完全に露出していた。
「大丈夫かなぁコレ…」
「ま、まあ今はスーツの性能を確かめましょう!」
さあ行ってとカタパルトの外を指さす楯無、一夏はもうどうにでもなれと己を奮い立たせるとカタパルトから出撃した。
「…織斑くんお尻も綺麗だなぁ…」
カタパルトから出撃した一夏の背を見送る楯無、手に持った扇子の扇面には『新発見』の三文字があった。
『皆さんお待たせしましたァッッッ!!!本日のメインイベントォッッッ!!!』
「…なにこれ」
カタパルトからアリーナに飛び出した一夏を待っていたのは満席となった客席と異様な熱気だった。
『来ましたァッッッ!!我らがIS学園のセックスシンボル!!Xvideos動画再生回数1億4000万の男!!織斑姉弟のエロい方こと織斑一夏だァァァッ!!!!』
「うぉぉぉォォォォォォォォッッッ!!!!!」
放送室から発せられる怒号にも似たアナウンスが客席に座る観客達のテンションのボルテージを加熱させる。観客は実況の思うまま、燃料要らずのドラッグカーの如くそのテンションをフルスロットルで上げ続けた。
その熱気に一人置いてけぼりを食らう一夏、 そんな一夏を無視して更に実況がアナウンスを続ける。
『続けて選手入場ォォォォォォッッッ!!!!』
「え、また誰が来るのか?」
困惑する一夏、これから戦うのかと身構え一夏は自身が出撃したカタパルトデッキから向かいにあるもう一つのカタパルトを注視する。
『天災の付属品とはもう呼ばせない!!見よこの紅き機体を!!見よこのデカパイを!!1年1組が生んだ性欲魔人!!篠ノ之箒だァァァ!!!!!!』
「あっ…」
「ふふッ…一夏ァ…」
向かいのカタパルトデッキから一夏の前に現れたのは、昼前に別れた筈の箒だった。
箒の目は既に正気のそれではない、獣だ。発情期を迎えた獣の如く手に握る刀の峰を舌で舐める箒。その余りの気持ち悪さに一夏は鳥肌を立たせた。
『おおっとっ篠ノ之選手!既に臨戦態勢だァ!!キモイぞォッッッ』
「なんで箒がここに…」
「実はあの後、一夏が着替えている最中に楯無会長に呼ばれてな…テストを手伝って欲しいと」
一夏はかつて『銀蛸』と箒が対峙した時を思い出していた、あの時の一夏は『銀蛸』の触手にされるがままの状態でその勝敗の行方もこの目で見ている。箒が『銀蛸』を当時受領したばかりの『紅椿』で圧倒したその光景は今も脳裏に焼き付いている。
箒の専用機『紅椿』は搭乗者の能力を増大する単一能力仕様を有している。箒が一夏の事を強く想う度に、その力は飛躍的に高まるのだ。
耳障りの良い言葉で装飾してみたが、実態は箒が一夏と「ヤリたい」と思えばその都度パワーアップしていくという中々酷い力なのだ。
前回はその力は『銀蛸』に振るわれ見事『銀蛸』を倒したが、今回は他でもない一夏本人にその力を振るわれるのだ。
「一夏…なんだその格好は…誘っているのかぁ…?」
「お、俺だって好きでこんな格好してるんじゃねーよ!」
「言い訳をするな一夏!男なら正々堂々私に躰を捧げろ!」
一夏はここで確信した、この変態はスーツのテストなどどうでもいいのだ。要はこのテストを大義名分として自分のカラダを好き勝手にするつもりなのだと。
「それに…楯無会長の提案を受けたのは私だけではないぞ一夏、不本意だがな」
「なん…だと…!?」
それは一体どういう意味だという一夏の台詞を獣の雄叫びが遮った。
「ウホォォォォォォゥッ!!!!」
一夏の背後から咆哮が轟く。何事かと振り向くと、一夏が出撃したカタパルトデッキから見慣れた獣の姿が現れた。その獣の名を一夏が呼ぼうとした瞬間、アリーナに再び爆音が響いた。
『出たァァァァァァ!!英国が生んだ蒼きゴリラ!!織斑一夏のバナナに釣られてやって来たのはァァァ!!そう!セシリア・オルコットだぁぁぁぁッッッ!!!』
「ウホホウホウホッ」
「セシリアまで…」
専用機『ブルー・ティアーズ』を纏って現れたセシリア。右手にはライフル、左手にはバナナが握られ、こちらも戦闘準備は万端だ。
そして今度は箒が出てきたカタパルトデッキから何者かがアリーナに現れた。
「コーホー…」
『来たッ!中国4000年の歴史が産んだミニ・ダース〇イダー!!もう不人気とは呼ばせない!!新たな属性を引っさげて現れたのは凰鈴音だァァァ!!!』
「コーッ…ホーッ…コーッ…」
「鈴…それ前見えてるのか?」
「ホーッ…ホーッ…」
一夏に向かって親指を立ててサムズアップをする鈴、とりあえず戦闘を行うには支障はないようだった。
『ふふっ…驚いてくれたかしら?』
アリーナに楯無の声が響く、声色には愉悦が入り交じっており、顔こそ見えないがきっと笑っているのだろうという事が一夏にはわかった。
『密かに人を集めた甲斐があったわ、見なさいこの光景を!観客席は超満員よ!』
「一体何が目的なんですか楯無会長!」
『ふふふっ…よくぞ聞いてくれたわね!それは…』
このような大仕掛けを施したからには何か裏があるのではないかと一夏は楯無を問いただす、含みのある笑みから一体どのような思惑が発せられるのかと一夏は身構えた。
『………面白そうだからよ!!』
特に何もなかった。
こうして楯無の思いつきに端を発した紐ビキニ姿の少年とゴリラと変態とダースベ〇ダーのパチモンによるタッグマッチという名の見世物の火蓋が切って落とされるのだった。
果たして黒いフードの少女は何者なのか…(棒)
そして一夏の貞操は保たれるのか…次回乞うご期待