「まんま…まーま…」
「あっ!?………ン………ッ…!」
深夜、織斑一夏はラウラ・デュノアに自分の胸の左の蕾を吸われる感覚で目を覚ました。
すぼませたラウラの唇は一夏の乳首を母乳をせがむ様に吸い付き、ラウラの口内で転がすかの様に弄ぶ。そして一夏の右の乳首を親指で触れながら右胸全体を揉む。
「や、やめろ…ラウラぁ…ッ!」
ラウラの舌先が一夏の乳首にある筈のない乳腺を掘り当てようと一夏の乳首を転がし、舐り、また回し、吸う。絶え間ない断続的な責めに悶える一夏。
「お前ッ…”また”こんな…ッ!」
「まんま」
「俺は…ッお前のッ…ママ、じゃねェ!お前の、ママは……シャルだ!」
そんな訳がないのだが少なくともこの学園においてラウラ・デュノアの母親はシャルロット・デュノアなのである。これは学園の常識だ。
「もう、ラウラったらまた一夏の部屋に忍び込んで…」
「シャルッ!こいつ何とかしてくれッ!」
開け放たれた部屋のドアからシャルロットがやれやれといった顔で入室しベッドの上で繰り広げられる母娘の交わりを見下ろす。
カブトムシアサシンMこと織斑マドカの襲撃から数日が経ち、学園にはひとまずの平穏が訪れていた。一夏とその周辺の人物は除いて。
特に変化が著しいのはラウラだった、シャルロットによる”再調整”は遂にラウラの精神から元あったラウラ・ボーデヴィッヒの人格からラウラ・デュノアの人格へと”上書き”された様で、ラウラは完全に赤子と化していた。
タチの悪いことに軍人だった頃に習得したピッキングや気配を消すといった技術は忘れることなく覚えているらしく、学生寮の各部屋に無差別に侵入しては見境なく生徒達の母乳を求めるモンスターとしてラウラは生まれ変わった。
こうやって夜中の寮に生徒の嬌声が響くのはもはやIS学園にとって日常茶飯事であった、
なんだ、平穏なんてまったく訪れていないじゃないか。
「ほらラウラ、早く戻ろっ」
「んん…まーまー」
「はぁ……はぁ………」
シャルロットの手により一夏の身から引き剥がされるラウラ、未だ一夏の乳首が恋しいのか自分の親指を吸っている。その一方でラウラの乳首責めから解放された一夏は胸を隠しながら肩で息をしている、朱に染まった頬が乱暴されかけた生娘を見るものに思わせた、エロい。
「はーい部屋に戻りましょうねー」
「まーまー」
「はい、一夏ママにバイバイしてー」
「ばいばー」
「………」
一夏に手を振りながら二人は部屋から去っていった、どうもシャルロットは寮の生徒達に擬似的な育児経験をさせる事により生徒達のママ化を促進させたいらしい、性別は問わずにだ。
一夏はよろよろとした足取りで部屋の玄関の前まで向かうとドアの鍵を閉め、念のためにチェーンも閉めた。そしてベッドに戻ると一夏は乱れたベッドシーツ上で胸の蕾の疼きを覚えながらぐったりと眠りについた、育児って大変だなぁ。
「ん……んん…っ?」
それからしばらくして一夏は顔に何かが触れる感覚で再び目を覚ました、何事かと思い一夏は自身の鼻先に触れると指先が濡れた。
水にしては妙に生暖かく、そして僅かに粘性があった。顔にかかったという事はそれは上から下に、つまり部屋の天井から一夏の寝るベッドに落ちたという事だ。
まさか雨漏りかと一夏は思ったが、よく考えるとここ数日は快晴が続いている。
一夏は己の推測とここ数日の天候が合致していない事に薄気味悪さを覚えた。そして一夏は恐る恐る天井を見上げる。
「…ヒッ!?」
「ひひっ……一夏ぁ…」
箒だった、四肢の指先を天井にめり込ませて天井に張り付く箒。特徴的な長い黒髪が天井からぶら下がる様子は古きよきジャパニーズホラー映画に登場する物の怪を思わせた。
一夏の顔を濡らしたものの正体は箒のよだれだった、一夏はこの幼なじみが既に人の身で人を辞めた怪物に見えていた。
「大変だったぞ一夏、一丁前に戸締りなぞしおって」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「全身の骨と関節を外して通気口から侵入する他に方向がなくてな」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「よだれの事はすまなかったな、お前の寝姿を俯瞰で見てみたいなと思ってこうして天井から張り付いて見ていたらつい…な」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「…静まれ一夏ァ!!!」
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」
天井から黒髪を靡かせながらベッドの上で半狂乱となった一夏の上に箒が落ちてきた。一夏はそれを回避することが出来ずそのまま一マウントポジションを箒に許してしまう。
「ふふ…まさか無抵抗とはな…やはりお前は口では嫌と言いつつも本心では私を求めていたという事か」
無抵抗ではなくて突然の事で抵抗出来ないといった方が正しいのだろうが箒の中ではそれは些細な違いのようだ。
「た、助けて誰かァ!?!!」
「静かにしろ一夏!犯すぞ!!」
言動が完全に強姦魔のそれである、それで良いのか箒。良いんだろうな、うん。
箒の手が一夏の着衣に中に入ろうとするまさにその瞬間、部屋のドアから赤色の光刃の切っ先が扉を貫いてきた。木材が焼ける臭いが部屋に充満する。
「何だ!?」
「今度は何だよ!?」
扉を貫いた光刃はゆっくりと時計回りでドアを寸断していく、光刃が時計回りを完了すると輪切りにされたドアが倒れた。
「コー…ホー…」
木の焼けた臭いと煙の向こうから現れたのは一夏の濃厚なフェロモン攻撃を受けて再びダースベ〇ダーへと戻った鈴だった。その後ろからはス〇ームトルーパーの如く生徒達が室内になだれ込んで来る。
非現実な光景を前にスター〇ォーズみたいだなと思う一夏、異常事態の連続は彼の脳に現実からの逃避を選択させた。
「よくも私たちの織斑くんを!」
「大丈夫織斑くん!?」
「コー…ホー…」
一夏の悲鳴を聴きつけ駆けつけた生徒達、約一名格好がおかしいが要は一夏を助けに来たのだ、優しいなぁ。
「なんだ貴様らァ!私と一夏の朝までみっちり汗だく〇〇〇の邪魔をするなァ!!!」
「そうはさせないわ!」
「織斑くんと朝までみっちり汗だく〇〇〇をするのは私たちよ!!」
優しくなんてなかった、コイツらも目的は一緒だった。
「かかってこい雑魚共ォ!!一夏と朝までみっちり汗だく〇〇〇はその後だァ!!」
一夏をベッドの上に置き去りにして室内で展開される大乱闘。部屋の中は戦いの余波を受けてめちゃくちゃになっていく。
一夏は女の子がしてはいけないような顔で戦う箒と生徒達とぐちゃぐちゃになっていく室内をただ呆けた顔で見ている事しか出来なかった。
「少し散らかっているが、あの部屋よりはマシだろう」
「う、うん…お邪魔しまーす…」
その後騒動は毎度の如く千冬によって鎮圧され、部屋をめちゃくちゃにされた一夏は部屋の修繕が終わるまでの間、千冬の部屋で寝泊まりをすることになった。
この学園における最強のセキュリティにより少なくとも一夏の安眠は保証されたと言えるだろう。
「待て一夏!私との朝までみっちり汗だく〇〇〇はどうするつもりだ!!」
「はい篠ノ之はこっちで反省文ですよー」
「離してください山田先生!私には一夏との朝までみっちり汗だく〇〇〇が…!」
「ほら、行きますよ…!」
「は”な”し”て”く”れ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!!!!」
「コラ暴れるな!」
「ん”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!」
「力強ッ!」
山田先生を含めた数人教師によって引きずられながら生徒指導室に連れていかれる箒。足をばたつかせる姿は今際の際の虫を思わせた。
「荷物はそれで全部だな?入れ」
「う、うん」
夜の繁華街でたまに見かける酔っ払いの逮捕劇みたいな光景を背に入室を促す千冬。一夏はそれに大人しく従い、おずおずと千冬の部屋へと入っていく。
そう、この部屋こそ無自覚ドスケベ少年一夏がこの学園において唯一安息を得ることが出来るサンクチュアリであり、そのサンクチュアリの住人である千冬こそが一夏にとっての最後の防波堤と言えた。
「少し狭いがくつろいでくれ、その為に片付けたんだからな」
部屋の中はやや埃っぽいものの片付いていた、そして部屋の隅にはビールの空き缶が大量に入ったゴミ袋が3つ無造作に置かれており、姉の涙ぐましい努力が垣間見えた。
「あ、掃除機かけるよ」
「ない」
一点の曇りもない千冬の澄んだ瞳が一夏を射抜く、まるで穢れを知らない子供のようだ。
「…ク〇ックルワイパーは?」
「……ない」
一夏は失念していた、この姉が家ではひとっっっつも家事が出来ないダメ人間であった事を。
「雑巾は?」
「ある」
千冬がドヤ顔で戸棚から取り出した、恐らく買って数回くらいしか使わなかったであろうガサガサに乾いて埃まみれの雑巾を一夏はふんだくると洗面所で濡らし始めた。
しょぼんとした顔で立ち尽くす千冬、織斑姉弟のパワーバランスは家事に関してのみ覆るのだ。
「あ、どうせなら着替えよう」
一夏は自分がまだ制服姿のままだった事に気づくと玄関に置いたままの自室から持ち出した衣類や私物の入ったバッグを取りに向かい、そしてまた洗面所に戻ると着替え始めた。
衣擦れの音が室内に響く、制服の上着を脱ぐ音、ベルトの金具が揺れる音、それを耳にした千冬は改めて気付いた。あのドスケベボディの持ち主が着替えているのだと。
(………!イカンイカン…!)
実の弟相手に「ドスケベボディ」などと頭の悪い表現を使うなどと。
しかし千冬生来の脅威の身体能力が否が応でも一夏の着替える音を聴いてしまう、嫌でも想像してしまう。あの何度と見たあの女を惑わす淫猥な躰を。
「千冬姉ー雑巾もう一枚ないかー?」
二人でやった方が早く終わるから言いながら洗面所の角から顔を出した一夏、同時に角から見えたむき出しの一夏の白い肩が千冬の視線を釘付けにする。
「………あ、あぁ、あるぞ…」
ロボットのようなぎこちない動きでもう一つの雑巾を戸棚から引っ張り出す千冬、がんばれ千冬。お前こそこの学園において一夏に残された最後の防波堤なのだから。
洗面所から戻ってきた一夏はTシャツと短パンというラフな格好で千冬の前に現れた、若く白い膝が目に毒だった。
「じゃあ始めようぜ」
「な、何を!?」
「いや、掃除…」
「あ…あぁ」
「ていうか千冬姉その格好のままで掃除するのか?」
未だスーツ姿のままの千冬に着替える事を勧める一夏、そういえばそうだったと千冬は着替えを持ってくると洗面所に向かった。
(…一夏の匂いがする)
いつも見慣れているはずの空間が千冬の目にまるで初めて目にする異世界のように感じられた。匂いが違うだけでここまで変わるかと千冬は驚嘆する。
「こ、これは…」
洗濯機の上に畳んで置かれた一夏の制服が千冬の目に飛び込んでくる。綺麗に畳まれた制服とYシャツはほんの数分前まで人が着ていたものである事を忘れる程だ、このまま服屋に陳列させても違和感ないだろう。
いや、そんな事は千冬にはどうでも良かった。千冬は一夏の制服の襟をガン見していた。恐らく一夏の匂いが最も濃く残るであろう箇所に。
自然と生唾を飲む千冬、その手は自然と一夏の制服へと伸びていく。
「はぁ…はぁ…」
読者に問おう、いい匂いのするドッッッスケベなカラダをした美女が着ていたドッッッスケベな匂いが残る服を目の前に置かれて何もしないのか?
「ん……ふっ…!」
答えはNoだ。千冬は制服を鷲掴みにすると襟を鼻に押し付けた。
千冬の鼻腔から脳へと届けられる、一夏のドスケベフェロモン。千冬は自身の脳髄に電流が流れるような感覚に身悶えした。
「くッ……ハ…ッ…ぁ!!」
恍惚とした顔で弟の濃厚なフェロモンを嗅ぐ千冬、自然と腰が浮いてしまう。躰をくねらせながら自分の身の内に唐突に湧き出てきた”疼き”を千冬は必死に抑えた。
一夏の平穏な学園生活を守る最終防波堤は今、ゆっくりと決壊を始めようとしていた。
前回の投稿からしばらく日にちが空いてしまってすいません。なんとか続きを書こうとボクは自分の乳首を触りながらDMC5をプレイしつつ執筆している状況です。もしかしたらまた次の投稿が伸びてしまうかもしれません…