IS 最強は最強です   作:ネコ削ぎ

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 少しずつ夏が近づいてきました。世間様の言うところの夏休みがゆっくりと近づいてきました。
 まだ先なんですけどね……とか言っている間に目の前まで来るんでしょうね。
 嫌ですね、仕事。
 というわけでよろしければ少々お付き合いください。


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 最強。

 最も強いということだ。

 どんな敵が相手でも負けることがなく、常に勝ち戦を演じる。対峙すれば予想するまでもない結果を叩きつけられるだろう。

 ただ、最強を自ら口に出してはいけない。口は災いの元とかじゃなく、ダサいから。凄いダサい。

 更に言えば痛々しい。自分は最強だとか言っちゃってる人なんて自分の力を客観的には測れないだけじゃなく、周りが見えていない。もしくはたいしたことのない世界で生きてきたお山の大将だろう。

 最強だと自称する奴に限って最強ではない。これ、バトル漫画の常識なのよね。

 だからといって、布仏虚は最強を語って憚らない主人を身の程知らずがと蔑むことはしない。

 何故なら主人は、更識楯無は最強だからだ。最強過ぎて同じ人間かと疑うほど。というか虚は同じ人間に非ずと結論を出している。

 楯無はIS学園生徒会長を務めている。入学して僅か三か月で就任したことは話題になった。当時実力も名声もあった生徒会長を一対一の勝負で簡単に打ち負かしたのだから。誰もが目を疑った一戦はインチキだとも八百長だとも悪しき噂が飛び交ったものだが、今となれば生徒会長でいることに疑問を浮かべる者はいなくなった。

 それもこれも楯無が行動によって周囲に生徒会長であることを認めさせたことにある。仕える身としては誇らしいことでもあるが、同時に誰にも助けを求めることなく動き回る姿には恐怖を覚える。

 完璧過ぎる姿は異様に映りこむのだ。それでもと想いを押し殺して虚は傍に仕える。学園内では生徒会役員として。

 

「初日にしてこの騒ぎよう。やはり珍しいものなのでしょうか」

 

 生徒会での虚の仕事は楯無の補佐と紅茶の用意だ。虚の淹れる紅茶はおいしい、とは楯無の評価だ。事実多方面でも高評価。紅茶の淹れがいがある。

 

「そりゃあ珍しいわよ。同性しかいない場所に男の子がやってくればね。ただの男の子じゃないみたいだし。織斑先生の弟さんでイケメンなんでしょ。注目は集まると思うわ」

「そうでしょうか。それだけではないと思うのですが」

「当然。世界で初めてISを動かすことのできる男。この評価は良くも悪くも注目の的になるのよ」

「よい意味でいえば希望の星でしょうか。男性でもISを動かせる可能性があると」

 

 楯無は紅茶を一口。唇を湿らせ虚の言葉に反応する。虚は虚で各方面から集められた注目の的である織斑一夏に関する報告書に目を通しつつ会話に興ずる。

 

「悪い意味でいえば女性の社会的地位を脅かしいかねない危険な存在。女尊男卑なんてくだらない世界観ならではね」

「織斑さんを狙う者達もいるということでしょうか」

「いるわよ。既に二人転校してもらったわ」

「転校……ですか」

 

 虚は転校という言葉に引っ掛かりを覚える。文字通りの意味ではない。楯無の家が対暗部用暗部とかいうヘンテコな家である。その現当主である楯無が言う転校が真っ当な意味での言葉ではないことは虚にも分かる。

 恐い話だ。震えそうになる。逆らうことの無意味さを教えられる。

 

「これ以上転校する人がいないことを願おうかしら」

「は、はい」

「織斑くんは大変ね。こうもみんなから注目されちゃうんだから」

「だからといって部屋に盗聴器や監視カメラを仕掛けるのは如何かと。プライバシーの侵害ではありませんか」

 

 犯罪だから。捕まりますから。虚としては主人が警察のお世話になるのはどうかと。精神的にも対面的にも傷つく。

 

「有名な言葉がある。バレなきゃ犯罪じゃない……てね」

「それは犯罪者の言い分ですよ」

「そうね。でもそれがなに?」

 

 ゆったりと向けられた瞳。心臓を掴まれた気分になり虚の呼吸が止まる。

 

「言ったわ。バレなきゃ犯罪じゃないって。虚ちゃんの気にすることじゃないの。それでいいじゃない」

 

 人懐こい笑顔を見せる楯無にようやく虚は呼吸することを思い出した。慌てたように肺に空気を取り込んで咽る。胸が痛くて涙が出た。

 

「あらら。あわてんぼうさんね。虚ちゃんらしくもない」

「す、すみません」

「そういえば、本音ちゃんが生徒会に入ってくるらしいけど。具体的に何時から生徒会に入るのかしら」

「明日です。初日は部活動や委員会活動の見学だけで、明日から解禁なんですよ」

 

 とはいえど不安だ。虚の妹の本音はのほほんとしていて仕事熱心な方ではない。お菓子を食べながらだらっとしているばかりだ。言い方は悪いが役に立たない。

 しかし虚はこれでも姉であり、本音は実の妹だ。いいところも知っている。

 例えば手先が器用で機械工学をやらせれば目を見張るものがある。ISの整備だってそこらの整備科の三年生よりもできる。さすがに虚に比べればまだまだだが伸びしろがあるので今からも期待しまくりだ。

 例えばのんびりとした雰囲気を振りまいているから場を和ませる力がある。悪い雰囲気もいちころだ。おかげで虚は姉妹喧嘩の経験がない。

 例えば……

 例えば……

 例えば……




 お付き合いありがとうございました。
 なんとなく妹大好きなキャラにしてみました。
 けっこうキッチリしているイメージが見られるのでたまにはこんな感じでもいいのではないでしょうか。
 問題はこっちの文章力がキャラを全く表現できていないことでしょうか。
 
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