それに伴い、1、2話を書き換えましたが、ぶっちゃけ読み直さなくても問題ないです。
(あ、多分この人が朱里の姉ちゃんか。)
やはり姉妹だ。顔はかなり似ている。身体つきは全然違うが。
「ご苦労。やはり今回も抵抗されたか。」
重ねられている死体を目にし、メガネの女性が嘆く。そして徐庶を見た。
「それで、此奴はなんなんだ?」
当初の予定では、無抵抗なら全員捕縛。そうでなければ・・・。
故に1人生き残って地面に座らせられているという事は想定していなかった。
「・・・本人曰く、奴らの仲間では無いそうですが。」
「江賊とは知らず同船してしまいました。そちらに要らぬ手間を取らせてしまった様で申し訳ない。」
立ち上がり揖礼をとった。そしてそのまま後ろ側に立つ女性を見る。
「人違いなら申し訳ないが、もしかして諸葛瑾殿では?」
「何処かでお会いしましたか?」
問われた女性が首をかしげながら答えた。それを見て、徐庶は微笑んだ。
「妹とよく似ていますね。水鏡先生の下で共に励んでいました。徐庶と申します。」
懐に入れていた、司馬徽からもらった一枚の木簡を見せる。
諸葛瑾が口元を押さえながら驚いた。
「あなたが朱里の言っていた徐兄ですか。」
微笑みながら諸葛瑾が手を出してきた。徐庶がそれ握り返す。隣にいた女性が首を傾げながら諸葛瑾に尋ねた。
「妹の知り合いなのか?」
「はい。妹が行っている私塾の学友ですね。とても優秀な方ですよ。」
「買い被らないでください。あいつの方が何倍も優秀ですから。」
諸葛瑾が手を合わせながら微笑み、まるで自分の事のように話す。徐庶は照れ臭くなり、明後日の方向を見ながら頬をかいた。
「ふむ・・・私は周公瑾。どうやら迷惑をかけてしまったようだ。子瑜の妹の知り合いという事なら、色々話したい事もあるだろう。こちらで一泊宿を貸そう。どうだろうか?」
(周公瑾・・・周瑜!大物が出たな。あわよくば揚州の話が聞けるかもな。その分、荊州の話を聞かれるだろうが・・・まぁ、劉表に義理は無しな訳で・・・。悪い取引じゃねぇな。)
周瑜。字を公瑾。江東の虎と呼ばれる孫堅の元で水軍の一団を任されている人物だ。
そんな人物が目の前に現れた事に僅かに驚き、一瞬の考察と結論。徐庶はその申し出を受ける事にした。
「公瑾殿、その前に少しよろしいでしょうか。」
そう言って女が周瑜の耳元で何やら話す。それを聞いた周瑜は僅かに驚き、徐庶を見た。
「わかった。興覇、済まないが後始末を頼んだ。」
「ハッ!」
興覇と呼ばれた女が、受け取っていた武器を徐庶へと返し、部下たちへと向かう。徐庶は一言断ってから、船内に置いていた荷物を背負って周瑜らに続いて船を移った。