恋姫†無双 徐伝   作:そこらの雑兵A

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第8話 北上

翌朝。軽い朝食をいただき、部屋を出た。周瑜も諸葛瑾も仕事が忙しいのか、侍女から言伝で見送りの言葉をもらった。

そして門へと差し掛かる。

 

「・・・俺の無罪は証明されたよな?」

 

そこに立っていたのは甘寧だった。壁に寄りかかり、腕を組んでいる。その表情は読めない。

 

「公瑾殿から話は聞いた。本当に仕官する気は無いのか?」

 

「まだまだ見聞の旅の途中なのでな。あいにく、誰かを君主として仕える気は無いんだ。」

 

微笑みながらいう徐庶に、甘寧は目を閉じ小さく息を吐いた。そして城内へと歩き出す。

そのまま立っている徐庶の隣で止まった。

 

「次に会うときは、敵で無い事を祈っている。」

 

そう言い残し、歩いていった。

 

(・・・おお、怖い。下手すりゃ次に出会った時に首斬られるんじゃないか?)

 

思わず苦笑いをしながら場外へと出ていった。次の目的地はとりあえず北上しながら考える。

 

 

 

その結果である。

 

「迷った。さっきの道右だったかなぁ・・・。」

 

道中で道が分かれていた。荊州を出る時に買った地図の範囲にギリギリ入っている道だが、地図には分かれ道などなかった。

どっちか迷い、なんとなくで左を選んだ結果がこれである。段々と道が細くなり、既に今は獣道状態だった。

辛うじて歩くことができる程度。一応人が通った様な形跡はある。

それからしばらく歩くと、人の声が聞こえた。

 

(3人?女の声だ。もしかして迷い仲間か?)

 

丁度道形に進むと声の方だ。そのまま近付くと、すぐに3人の女性が見えた。

先が二又になった赤い槍を肩にかけ笑う者。頭に何かのせて何故か眠そうな者。そしてその2人に少しイラついた様な眼鏡をかけた者。

 

「おっと。稟があまり大声で怒鳴るから人が来たぞ。」

 

「怒鳴らせたのは誰のせいですか。」

 

稟と呼ばれた女性がため息と共に徐庶を見る。

 

「申し訳ない、旅の方。実は幽州の方に行きたいのだが迷ってしまいまして。」

 

「ああ、奇遇だな。俺も北に行きたいんだが迷ってしまってな。」

 

僅かな沈黙。そして互いに溜息を吐いた。

 

「情報を整理しよう。俺は揚州方面から北上してきた。そちらさんは?」

 

徐庶がしゃがみ、懐から取り出した小刀で地面に大雑把な大陸を書く。それを見た稟と呼ばれた少女もしゃがみ、徐庶が差し出した小刀を受け取った。

 

「私達は徐州から来ました。」

 

地図に線を引き、徐州、揚州そして豫州を書き込む。

 

「ふむふむ、そちらの武芸者はともかく、2人は健脚ではなさそうだが・・・。」

 

「御心配には及びません。これでも旅は長いので。」

 

徐庶の心配を表情を変えることなく答えた。その雰囲気は、どちらかといえば徐庶が苦手な部類だった。

 

「そりゃ失礼。という事は、おそらく豫州の沛県には入っていると思うから。」

 

「おおよそこの辺りですね。」

 

互いに目を合わせて頷く。2人の意見が一致した。

 

「そんじゃあ、せっかくなので旅のお供という事で。」

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