ーーー帰り道
「ちょっとあの先生ひどくなかった?赤石さんのこと悪く言い過ぎっていうか…私はそんな人には見えなかったけどなあ」
「私も悪い人には見えませんでした。むしろ一生徒のことをあそこまで言う先生の方が」
「だよねだよね!」
瑞希と綾芽もあの教師のことを良くは思っていないようだった。
「でもあのタイミングで来たのは良かったよね。ほら100万はちゃんとれーりちゃんが持ってるし!」
「来なくても、同じだった」
「同じ、って?れーりちゃんどういうこと?」
ーーー別の帰り道
「あの先公邪魔しやがって、おかげで100万取り損ねちまったぜ」
「赤石よお、何であの時100万返したんだよ?勝ち確定だったろ?」
男子生徒の1人が赤石に疑問を呈す。
「本当にそう思うか?」
ーーー
「最後に赤石さんが発動した罠ですか?」
綾芽は彼女にきき返す。
「あ!私見たよ、確か」
ーーー
「《邪神の大災害》だったよな?」
「ああ。その後すぐに他のカードと混ざってちょっとしか見えなかったけど、確かにそれだった」
「でもさ、そうだとしても赤石勝ってただろ?」
男子生徒たちに赤石は呟くように言う。
「LP計算してみな」
ーーー
「えーっと、れーりちゃんのターン開始時に7500と3000で、れーりちゃんの攻撃に赤石さんの罠発動で…」
「ターンエンド時点で7000と2500ですね」
瑞希より一足先に綾芽の計算が終わる。
「あーっ、私も今計算終わったのにー!」
(その結果フィールドに残ったカードは…)
悔しがる瑞希をよそに綾芽は記憶を掘り返す。
ーーー
「《ランス・リンドブルム》同士が相打ちになって…」
赤石 LP7000
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ う ◇ ◇ い
い=《機動砦のギア・ゴーレム》表守
う=《雷仙人》表攻
イ=《ステルスバード》裏守
ウ=《人喰い虫》表守
◇ イ ◇ ◇ ウ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
彼女 LP2500
「フィールドは、こうだな」
「LP差4500もあるし余裕で赤石の勝ちなんじゃねえの?」
男子生徒たちは赤石の勝ちを疑わない。
「まだ気付かねえか?」
ーーー
綾芽はその場で立ち止まる。
「小松さん?どうs」
「ああーっ!」
瑞希が言い終わる前に、綾芽は手を口に当て大きな声を出す。
「ちょ、小松さん!?」
「…勝ってます」
「買ってる?って何を?」
「あのデュエル、麗梨さんが勝ってます!」
「!?」
ーーー
「はあ?何言ってんだ?」
「いや勘違いかと思って2回計算したんだけど、やっぱりそうなっちまうんだ」
「もう1回最初から計算してみろよ、俺も考えるわ」
「ああ。まず赤石のモンスターは《ステルスバード》を倒せない」
「おう」
「だからダメージを与えるには《機動砦のギア・ゴーレム》で直接攻撃するしかない」
「おう」
「次に《ステルスバード》は毎ターン1000ダメージを与えてくる」
「おう」
「だから《雷仙人》で攻撃して毎ターン表にしておく。放置するよりこっちの方が少ないダメージで済むからな」
「おう」
「その2つの攻撃を毎ターンやる」
「おう」
「計算してみろ」