可憐なる博徒 レイリ   作:tres

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1話 ♯5「未知の1回戦」

「ドロー、スタンバイ、メイン」

 

(さあ、手札は…)

 

彼女手札【ならず者傭兵部隊】【死者蘇生】【地割れ】【激流葬】

 

(モンスターは《ならず者傭兵部隊》だけ…セットする?いや、【激流葬】あるしいいかな)

 

「カードをセット」

 

(念のため【死者蘇生】もセット。今は使えないし、【サイクロン】のおとりになってくれるならそれで)

 

「もう1枚セット。ターンエンド」

 

 

 

彼女手札2枚【ならず者傭兵部隊】【地割れ】

魔法罠セット2枚【激流葬】【死者蘇生】

 

若者手札3枚、場0枚

 

 

 

「ドロー、スタンバイ、メイン」

 

(悪くねぇな。セットされた2枚は…)

 

若者は数秒彼女のフィールドを見る。

 

(ククク…なるほどね)

 

「【サイクロン】発動、デッキ側のカードを破壊だ」

 

「はい」彼女のセットカード【激流葬】破壊

 

(う…激流葬の方当てられた)

 

「【スピア・ドラゴン】召喚」

 

「どうぞ」

 

(まずいかも…攻撃してくるよね)

 

「バトル、【スピア・ドラゴン】で攻撃」

 

「…通します」彼女のLP2000-1900=100

 

「効果でスピア・ドラゴンは守備表示になる。カードをセットしターンエンドだ」

 

 

 

彼女手札2枚【ならず者傭兵部隊】【地割れ】

魔法罠セット1枚【死者蘇生】

 

若者手札1枚

表側守備【スピア・ドラゴン】

魔法罠セット1枚

 

 

 

 

(う…もうLP100しかないの…?でも、まだ諦めない…)

 

「ドロー、スタンバイ、メイン」ドローカード【ペンギン・ソルジャー】

 

(ペンギン・ソルジャー、っとセットする前に)

 

「【地割れ】発動」

 

「おう」若者の表側守備【スピア・ドラゴン】破壊

 

「モンスターセット」

 

(死者蘇生は…いや、ここはこれでエンド)

 

「ターンエンド」

 

「おっとエンドフェイズにトラップ発動。【硫酸のたまった落とし穴】」

 

「な…!?」彼女のセットカード【ペンギン・ソルジャー】破壊

 

(そのカードが入ってるなんて…)

 

「想像してたのと違ったか?」

 

若者はニヤつきながら言う。彼女にとって硫酸のたまった落とし穴は想定外だったようだ。

 

(………)

 

彼女は自分のデッキを見つめる。

 

 

 

彼女手札1枚【ならず者傭兵部隊】

魔法罠セット1枚【死者蘇生】

 

若者手札1枚、場0枚

 

 

 

「デッキを見つめても残念ながら次のドローはやって来ねぇぜ。ドロー、スタンバイ、メイン」

 

メインフェイズに入った後、彼女は下を向く。その表情は前髪に隠れて誰にも見えない。

 

「【スケルエンジェル】召喚。バトル、攻撃」

 

「…はい」彼女のLP100-900=-800

 

彼女はうつむいたまま答えた。

 

 

 

「デュエル終了でございます。LP2000対-800で黒スリーブの方の勝利で1回戦決着でございます」

 

「まずは軽く1勝だな」

 

「…」

 

デュエルが終了しても依然彼女はうつむいたままだ。

 

「ではお二方、サイドデッキをお返しします。2回戦は5分後に行います。各自デッキ編成を済まし、5分経過までに着席を」

 

タイマーがセットされる。

 

「…あの、トイレってどこにありますか?」

 

その直後、ゆっくりと顔を上げた彼女が青葉を見てたずねる。

 

「あちらの右奥にございます」

 

「ありがとうございます。少しひとりにさせてください」

 

「おうおう行って来い。ここで漏らされても困るからなハハハ」

 

若者の声を無視し、彼女は自分の荷物とデッキを持ってトイレに向かった。

 

 

 

(………)

 

彼女は考えていた。用を足すためにトイレに行ったのではない。

 

(…あと2回勝たないといけない)

 

(たとえ次勝ったとしても次負けてしまえばそれで終わり…)

 

(それに…いや、わずかでも望みがあるなら諦めない)

 

(デュエリストとして、最後まで)

 

次負ければ終わりという状況の中、彼女は何とか心を起こすとデッキの編成を始めた。

 

 

 

「一方的だったな」

 

スーツの男が口を開く。この男は若者の横でずっとデュエルを見ていた。

 

「引きも良かったからな。まあ多少引きが悪くても問題無く勝ってたさ。それより…」

 

若者はスーツの男を視線を向ける。

 

「あん?」

 

「ほら、わかるだろ?落とすってんならその前に、な?」

 

「…無茶はするなよ」

 

「へへ、わかってるって!安心しろ」

 

(ま、最悪肩代わりだな)

 

若者はデッキの編成を始めた。

 

 

 

~5分経過~

 

彼女も若者も準備ができている。過程は1回戦の時と同じだ。

 

「準備が整いました。赤スリーブの方先攻で2回戦、デュエルスタート!」

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