可憐なる博徒 レイリ   作:tres

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1話 ♯6「反撃の2回戦」

「ドロー」

 

(お願い…)

 

彼女は目を瞑り祈るようにドローした。

 

(祈ったって無駄さ)

 

「…スタンバイ、メイン」

 

「カードをセット」

 

「【スピア・ドラゴン】召喚。ターンエンド」

 

 

 

彼女手札2枚

攻撃表示【スピア・ドラゴン】

魔法罠セット1枚

 

若者手札3枚、場0枚

 

 

 

「ドロー、スタンバイ、メイン」

 

若者手札【スケルエンジェル】【激流葬】【強制転移】【聖なるバリア -ミラーフォース-】

 

(さあ伏せカードは、っと)

 

若者は1回戦の時と同じように数秒間、彼女のフィールドを見た。

 

(…ふーん)

 

「カードセット。もう一枚セット」

 

「モンスターセット。ターンエンドだ」

 

 

 

彼女手札2枚

攻撃表示【スピア・ドラゴン】

魔法罠セット1枚

 

若者手札1枚【強制転移】

裏側守備【スケルエンジェル】

魔法罠セット2枚【激流葬】【聖なるバリア -ミラーフォース-】

 

 

 

「ドロー、スタンバイ、メイン」

 

(来た…!)

 

「カードをセット」

 

(…伏せカードが気になるけど、貫通効果もあるし攻める。いざとなれば伏せてる神の宣告で)

 

「バトル、【スピア・ドラゴン】で裏側守備のモンスターに攻撃します」

 

「ほう、来るか。じゃあ罠カード発動だ」セットカード【聖なるバリア -ミラーフォース-】発動

 

(う…!神の宣告で無効…違う、ここじゃない)

 

「何もありません」彼女の攻撃表示【スピア・ドラゴン】破壊

 

(もうひとつ伏せカードが残ってる。あれが激流葬だとしたら…)

 

「…メイン2、カードをセット」

 

「【疾風の暗黒騎士ガイア】を召喚。…ターンエンド」

 

 

 

彼女手札0枚

攻撃表示【疾風の暗黒騎士ガイア】

魔法罠セット3枚

 

若者手札1枚【強制転移】

裏側守備【スケルエンジェル】

魔法罠セット1枚【激流葬】

 

 

 

「ドロー、スタンバイ、メイン」ドローカード【サイクロン】

 

(クク、そう来たか。3枚も伏せて警戒させようってことだろうが…)

 

(全部お見通しさ!ガイアを召喚するために伏せたカードが【死者蘇生】だってこともな)

 

「いやあ3枚も伏せられてっと迂闊に動けねえな」

 

「…」

 

若者は彼女の顔を見るが無反応だ。

 

(フン、平静装おうと頑張っちゃってかわいいねえ。さあその顔、いつ崩れるかな?)

 

「反転召喚、【スケルエンジェル】」

 

「…どうぞ」

 

(まだ。ここも神の宣告は使わない)

 

「そんじゃあそれにチェーンして【激流葬】発動」

 

(やっぱり読み通り激流葬、今…!)

 

「それは止めます。チェーンして【神の宣告】発動」彼女のLP2000-1000=1000

 

「おう」若者の【激流葬】無効

 

 

 

(お?つーことは勝ち確定きたぜ!ヘヘ)

 

「おっと、【スケルエンジェル】の効果で1ドローな」ドローカード【神の宣告】

 

(んじゃそろそろ種明かし行くか)

 

「ククク、手札から【サイクロン】発動。俺から見て右の伏せカード、死者蘇生を破壊」

 

「え…!?」彼女のセットカード【死者蘇生】破壊

 

彼女の手が止まり若者の顔に視線が移る。

 

「何でわかるんだ、って顔をしてるな。ハハハ、俺はセットされたカードが全部わかるんだ」

 

「うそ…!」

 

「嘘じゃねえぜ、お前が伏せてる残りのそのカードは【サイクロン】だろ?」

 

若者は彼女の伏せカードを指差す。

 

「どうして…?」

 

「俺はここで何度もこんなデュエルをしてるからな。自然と覚えちまったんだ。スリーブの傷や汚れをな!」

 

「…!」

 

「スリーブ代を節約してるのか知らんが、この店あまりスリーブ交換をしてねえんだよな」

 

「実際レトロで使われるその赤スリーブ、昨日も見たばっかだし」

 

「そんな…それじゃこのデッキのカード全部…!」

 

「ああもちろん!あと俺が今使ってるこのデッキもな!」

 

若者はスリーブの傷で全てのカードが判別できていた。つまり彼女の全ての戦術、戦略が若者に筒抜けだったのだ。

それだけではない。若者は自分が次に何のカードを引くのかも把握していたということだ。

 

「何故このタイミングで言ったかわかるか?」

 

「…勝ちを、確信したから」

 

彼女は力無く答える。

 

「その通り。ついでにもうひとつ質問」

 

「…?」

 

「さっき戦ってた奴には種明かししてねぇんだ。何故だかわかるか?」

 

「…わかりません」

 

「フフ、汚ねぇおっさん共よりな、お前みてぇなかわいい子の絶望する顔が見たかったからさ!やっぱたまんねぇなあ!」

 

「っ…!」

 

彼女は耐えるような表情で若者をにらむ。自分をさらけ出した若者に対し、彼女は必死に自分を抑えていた。

 

(まぁさっきのは低レートだったし、さっさと終わらせたかったってのもあるがな。さて、仕上げだ)

 

「【強制転移】発動!」コントロール入れ替え【スケルエンジェル】⇔【疾風の暗黒騎士ガイア】

 

「その伏せカードのサイクロン。使ってればまだ可能性は残ってたのにな」

 

若者はニヤニヤしながら場を進める。

 

「残念、もう終わりだ。【疾風の暗黒騎士ガイア】で【スケルエンジェル】に攻撃!」

 

(…遅かれ早かれこうなっていた。その日が今日だっただけのことだ)

 

スーツの男は彼女を哀れんだ。

 

 

 

「罠発動!」

 

「!?」

 

彼女の不意を付くような声に若者とスーツの男が驚く。

 

(ほう…)

 

審判の青葉も顔には出さないが感心しているようだ。彼女が発動した罠カード、それは…

 

 

 

「【魔法の筒】だと!?」若者のLP2000-2300=ー300

 

「デュエル終了でございます。LP1000対-300で赤スリーブの方の勝利で2回戦決着でございます」

 

「ではお二方、サイドデッキをお返しします。3回戦は5分後に行います。各自デッキ編成を済まし、5分経過までに着席を」

 

青葉はタイマーをセットした。

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