やはり俺の部活動選択は間違っている   作:屑太郎

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痛そうだよ顔面ブロック

 一方その頃…………。雪ノ下雪乃の方では、絶賛、委員長を指導していた。

 

「ひとまず、今の状況を説明するわ」

「は、はい!」

 

 文化祭テーマを決めたその後の、関係各所の通達、パンフレット作成、など他にやるべきことは沢山ある中で、それの期間がカツカツだという状況。

 例えるなら夏休み遊び惚けて、最終日にすべてやるような日程を一つの委員会を上げてやっているのだ。もちろん余裕を持たせている訳ではない、一つのミスが、日程に大きく関わってくる、デスマーチ一歩手前の状況だった。

 

 傍から見ていて、もうビリー教官もびっくりなスパルタ指導だった。あの教えるにしたって、経営学やら帝王学やら教え込むのは如何なもんですかね?

 

「明日はスピーチの練習よ、明日までに台本を考えて。これ、私個人のメールアドレスよ草案でもなんでもいいから完成させてから送りなさい。その都度添削するわ。」

「はい…………」

「その代わり、今日の承認作業は終了しているわ。お疲れ様、後はパンフレットの許可周りの申請の時に印を押してもらえるだけで結構よ」

「ハンコ地獄から解放される…………」

「これまで休んでいた報いよ、勘違いしない事。今日は、これで終わりよお疲れ様」

 

 生気の無い背中をユラユラとさせながら、失礼しましたと言って相模は部屋を出た。足音が遠ざかるのを見計らって、雪ノ下はため息をついた。

 

(本当に、少し話かけるだけで、協力を申し出てしてくれたのは助かったわ…………。少しは委員会の流れを変えられたと思う。だけど、何故比企谷君がそれを分かっていたのかという事だけが気がかりね…………。)

 

 雪ノ下雪乃の中で、比企谷の評価はかなり高い。人間関係を無に保ちながら激務をこなしている事に対しての評価であり、歪な仕事環境に訝しさを感じながらも、パーソナリティを変革しようと思わせるほどには評価が高かった。

 だが、そこに的確な指示をする事、人間の心を掌握する方法など見せて来なかった。

 

 彼女の胸中に一抹の不満とも不安とも覚束ない感情が生まれて、それを追い出すようにため息をついた。

 肩を回して、再びパソコンの前に座った。奉仕部の部室にタイピング音が流れ始めた。

 

 ◇ ◇ ◇

 

「ありがとう、助かった」

「…………比企谷君がこんな事言うなんてね、驚いたよ」

 

 目の前のイケメンが苦笑しながらそんな事を言ってきた。目を反らして

 

「今回は、一部俺の我儘も入れさせて貰った。お前の頼みを受けるだけだったら、あんなことは必要なかったんでな」

「そうだったのか」

「俺は、お前の立場も少し揺るがしたんだぞ?」

「最初に君に接したのは僕だ。お互い様だよ」

 

 18番は肩を竦めて返した。

 

「要件はそれだけだ」

「待ってくれ!…………もう少しいいか?」

「これから会議」

 

 彼との距離を取って、肩回した。彼との会話は、必要以上に胃を痛めるのをいい加減彼は知るべきだと思う。

 こうして、絆と繋がりを掲げた文化祭は静かに幕を開け始める事になる。

 

 

 

 

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