絶対にありふれてはいけない職業は世界最恐 作:ムリエル・オルタ
2018/11/18 修正&加筆
あの出来事が起きてから僕は座学や訓練には出ていない。宗教国家ましてや今回星から下された粛正対象を崇めている国の学などたかがしれている。欺瞞と偏見で塗り固められている汚らしい歴史だろう。
しかし、元いた世界とは違うんだ。ある程度の地理などは図書館で調べなければなるまい。それにしても、僕とハジメ以外は誰一人としてクラスメイトを見ない。誰もがただ体を鍛える事だけを行っている。それで良いのだろうか?
知恵は時には力を超える武器になる。それが分かっているのだろうか。ハジメは天職が非戦闘系なのでその欠点を補うべくこうやって図書館に通い詰めている。僕も少しばかり知識を貸し、銃などの錬成も行っている。
「それで、ハジメ。僕としてはある程度知識を溜めた後に出て行こうと思う。ハジメもどうだい?」
「………………そうだね、僕も足手まといみたいだし。それに、世界を回ってみたい気もするかな」
「そっかぁ!なら、今度の迷宮で折を見て離脱しよう。僕の能力に丁度良いのがある」
そう言いながら今日も図書館で一日を明かした。
騎士団長が言うには次回から迷宮とやらに行くらしい。その迷宮はいまだ誰にも踏破されておらず、今なお攻略中だとか。何年前からやってるのかは知らないが。それにしても遅すぎるだろう。
少し話を戻すが僕やハジメは戦闘職と言うわけでは無い。いや、まぁ、僕はオールラウンダーではあるが。それは置いといて、他の彼らの職業は恐らくその人間の特徴や性格、そしていかに神(笑)が楽しめるかで決められていると思われる。
なんせ僕ら以外にこの世界の情報を集めようとする人間が居ない。それはつまり彼らは天職を授けられた時点で何かしらの思考固定を受けているのではないのだろうか。例えば、この世界の情報を集める気を無くすとか、思考の単純化とか。そうすることによりより愉しく人形劇が出来るわけだ。つくづく莫迦らしく思える。そんな事をするために僕らを呼んだのか…………………と。
そもそも、相手は神ですら怪しいのだ。本来神は権能を司る存在。自然の理に反する現象すら簡単に行うことの出来る規格外の存在だ。故に転移で魔方陣等という人の階位まで落とし込んだ行為をする必要は無いはずなのだ。故に今回の敵は恐らく亜神。人間が神性を持つことでなる事が出来る亜神だろう。まぁ、亜神とは少しの神性で出来る量産型のようなものだ。そこまで大きな権限も無い。しかし、その亜神以外の神も居ないとなると本格的にこの星をどうにかしないといけないようだ。
亜神が創れる天使は良くて権天使にギリギリ足が付く大天使だろう。そんな奴に負ける気など一切無い。僕の中に有る英霊の座で女神と英雄王が『この神は殺す。慈悲は無い(直訳)』を言っている。正直、なんでこんなに息が合っているのだろうと思う。普段は仲悪い癖にさ。
さて、この世界の神への考察は程々にしよう。騎士団長によるとこの後、先に話した大迷宮の内の一つ。オルクス大迷宮に行くとか。僕もハジメもそれに同行することが決定している。まぁ、働かざる者食うべからずとも言う。異論は無い。まぁ、その際に僕を殺しにかかればこの世界から国が一つ消えることになるけど。
「さぁ、ハジメ。今日は早めに帰りましょう。明日は大迷宮とやらに潜るようですからねぇ………………。貴方達人間は体が資本なんでしょう?早めに寝ましょう」
「うん。そうだね、じゃあ、帰ろっか」
そう言って僕たちは図書館を後にした。
それにしても面白いことが起こるモノだね。かつて見かけた少女(当時は幼女)やつい最近見かけた気もしないでも無い少女を高校になってから見かけたのだもの。何か面白いことが起こるとは思っていたけどこんな事になるとはね。僕の愉悦が止まらない。亜神は殺すけど、慈悲は無い。
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明日からオルクス大迷宮に向かう。あの前に宿に泊まり、英気を養うらしい。養う英気もないような気がしますけどね。魔人族と言うには人型であり、知能もあるでしょうし、人間と大差ないでしょう。それを「殺しに行こう!」と言った勇者は私と似たり寄ったりの人格破綻者じゃないですかね?
そんな事を考えながら部屋の中でハジメと一緒にボーっと外を眺めている。二人の間に会話は無い。正確には話題がないので静かなだけだが。
そんな時、ドアがノックされた。時間はすでに深夜。起きてる人間なんてハジメくらいだと思っていたんですけどね。戦闘時以外は気配探知をしてないから気付きませんでしたよ。
「南雲君、起きてる?白崎です、ちょっといいかな?」
ボーっとしていた僕たちは同時に顔を見合わせ目を見開いた。こんな深夜に予想外の人物が訪ねてきたからだ。別に僕が誘った訳じゃないから。そんな疑う様な目をしないでくださいよ、ハジメ。
白崎に呼ばれたハジメは座っていたベットから立ち上がりドアに駆け寄り開ける。そこにはネグリジェの白崎が……………成程、同性愛者か(迷推理)
「Why is that?」
「えっ?」
ハジメが物凄くネイティブに英語で『どうしてだよ』と言っている。まぁ、気持ちは分かるが早く中に入れたほうが良いかもしれない。流石に、白崎の見た目は目立ち過ぎる。
「ハジメ、呆けているのは別に良いんですけど早く中に入れたらどうです?白崎の見た目は目立ちますし、変な噂が立ちますよ?」
「へっ!?うん!そうだね!?白崎さんもどうぞ!」
ハジメに促され、中に入る白崎。僕がハジメに声をかけるまで気が付かなかったのか僕を見て少しばかり驚いている。
「フェリド君?え、二人とも同じ部屋なの?」
「うん、僕とフェリドは同じ部屋だよ。他の人より落ち着くし」
「ハジメ、最後のは余計ですよ。同性愛者と勘違いされますよ」
「それは穿ち過ぎでしょ」
そう言って笑うハジメに僕も笑う。ハジメは立ち上がり、パックで出来る紅茶擬きを作り、白崎と僕、自分用に出した。
しばらく、紅茶擬きを飲んでいるとハジメが白崎に話を聞いた。
「それで、話したい事って何かな。明日の事?」
「うん…………………………明日の迷宮だけど、二人ともには町で待っていてほしいの。教官たちやクラスの皆には私が必ず説得する。だから!お願い!」
そう言って頭を下げる白崎。突然の申し出に困惑しながらも聞いてみる。
「いきなりそう言われても分からないよ?どうしてそういう結論に至ったんだい?」
「それは…………………」
僕がそう聞くとポツリポツリと話し始めた。なんでも夢で僕とハジメ、八重樫や自分が暗闇に落ちる夢を見たらしい。どんなに足掻いても光のある場所に向かえず闇に飲まれていく。そんな夢だったらしい。そんな夢を見た所為か不安になり八重樫や僕、ハジメに話しているらしい。
「所詮は夢……………と、切り捨てたら楽でしょうけど正夢って言うのでしょうかね?予知夢?まぁ、そこはどうでも良いんですよ。しかし、心配ご無用ですよ、もしも落ちても僕が絶対に死なせませんよ。落ちた場所から戻れる保証はしませんけど」
「こうフェリドも言ってるし、僕も精一杯気を付けるから」
「……………………そう、なら、いいんだけど」
何とも煮え切らない顔をした白崎だったが時間も時間だったために僕が無理やりにでも追い返した。「でも…」と言い募る白崎を抱き上げ、白崎の部屋まで連行した。まぁ、同居人は八重樫だったし白崎を回収したとき「後は任せて」って言っていたから白崎もきっちり絞られているだろう。僕も部屋に戻り、ハジメが自分のベットで寝ているのを確認した後、寝た。
そんなこんなでオルクス大迷宮そこで一体何が起こるのか。それは、神ですら分からないだろう。人間は予測不能なのだから。
以前に比べればかなり短かったりしますが、それはご愛敬。なんたって私ですから。
さて、他の小説もありますし、投稿ペースは言わずもがなですがコレからも読んでくれると幸いです。