東方レアカップリングコレクション!   作:さわたり

1 / 5
普通に面白くないと言う重大な欠陥。


サードニクス:純孤と紫『二人目の友達。二人目の愛する人』

私の心は恨み一色。

 

私の力は純化。モノの構成要素をただ一つにできる。私の心も、誓いの意味を込めて純化した。

 

いや、ハナからそんな力を使うまでもなかった。あの子を失った時にはすでに私の心には恨みしかなかった。

 

 

嫦娥。私の夫をたぶらかし、騙し、あの子を殺させた言い表せないほどの邪悪。

 

 

今すぐにでも、殺したい。夫があの子にやったように。私が夫にやったように、首を絞めて殺したい。

 

今すぐ殺すことが叶わずとも、月の都に傷をつけ続ければいつか絞め殺せる。

 

それだけをただ願いとして私は動いていた。

 

 

 

 

 

それが変わったのは、あの夜。

 

 

 

 

 

 

「少し、私に話してみなさい」

 

八雲紫。

 

彼女と会った日。私の心にスキマが開いて『愛』が割り込んだ。

 

 

 

「こんなところで神霊が呑んだくれるなんてただ事じゃないわ。どうしたのかしら?」

 

なんだこいつ。いきなり話しかけてきた女一度見て私はそう思った。

 

二度見て、そいつの正体に気づいた。

 

ーー大妖怪のお前こそ何故ここにいる?結界の中に隠れて生活してる聞いたが。

 

そう問いかけると、そいつは微妙な微笑みを浮かべた。

 

「かの玄妻に知られているとは・・・光栄ですわ」

 

この一言で、こいつへの印象が少し変わった。食えない。そして面白そうだ。

少しこの妖怪へ興味が湧いた。

 

ーーふふ。もう玄と言える髪色ではないがな。純孤だ。

 

「純孤ね。よろしく頼むわ」

 

ただ、酒場で友人が増えただけだった。ヘカテー、もといへカーティアに加えて友人が増えた。最初はそれ以上には思わなかった。

 

 

 

「月の民は私も気に入らないわ」

 

いつしか生きる目的について深刻に話すほどに距離が近づいていた。

 

彼女から協力目的で近づき、少しずつ距離感の埋まったへカーティア。彼女と違い、八雲紫は最初から友人だった。

 

思えば名を改めた後にできた共は八雲紫とへカーティアだけだった。

 

我ながら孤独な人生だ。仕方ない。この復讐鬼には友人を作る余裕はなかった。そう言い訳しておく。

 

彼女はどうやら「幻想郷」に定住しているらしく、たまに夜中に抜け出して酒を飲んでいるらしい。

 

 

 

ーー奴を葬るのが私の生きがいだからな。

 

復讐の話に戻そう。私が自分の今の生きる目的たる嫦娥への復讐について話した時、彼女はこう言った。

 

「達成したらどうするのかしら?」

 

 

何かが変わった気がした。

 

私は復讐以上の何も考えていなかった。それが終わったとき、私に存在意義は残るのだろうか。そう思った。

 

 

 

 

多分この日だ。ただただ復讐することへ疑問を抱き始めたのは。

 

ーーさあ?

 

「することがなければ幻想郷にいらっしゃい。全てを受け入れる。それが幻想郷ですわ」

 

何故か、涙が溢れた。

 

受け入れられる。居場所のない私にとって、そうそうあることではなかった。

 

同時に、八雲紫への想いも強くなった。

 

受け入れられること。長らくなかったことだからだ。

 

涙を悟られまいと寝たふりをして目を隠した。

 

「あらあら」

 

今思えば、気づかれていたのだろう。

 

 

ーーどこか旅行へ行かないか?その、海外に。

 

思いつきで彼女を誘った。

私は毎日件の酒場へと行っていたが、八雲紫が来るのはたまにだった。だが、これを言った頃にはもうほとんど毎日会うようになっていた。距離感も名前で呼ぶ程度には近づいていた。

紫は二つ返事で了解した。彼女も私に友情を感じ始めていたのだろう。

 

 

思ったよりすんなり予定は決まった。彼女には式の妖怪がいると聞いていたのでその妖怪たちも来ると思ていたのだが、何故か一人だった。

この時すでに私は彼女に好意があったので、少しラッキーだと思いもした。

 

彼女の要望があり、行き先はギリシャとなった。私は中国と日本以外行ったことはなかったし、日本へ行ったのもツクヨミの調査だったために観光など一切しなかった。

 

観光らしい観光はおおよそ三千年ぶりになる。夏の中を観光した時ぐらいのものだった。

 

二つ、プラカのホテルに部屋をとって泊まることにした。私達は紫の部屋に荷物を置き、最低限の荷物を持って外に出た。

 

 

「まずどこがいいかしら」

 

ーーパルテノン神殿なんかどうだ?有名だろう。

 

「いいわね!アクロポリスに行くならプラカなんかもどうかしら?」

 

柄にもなく二人してはしゃいだ。二人きりで色んなものを見て、色んなものを食べる。本当に楽しみだった。

 

 

アクロポリスの小高い丘はプラカの街を一望できた。絶景だった。高いところから都会を見ると言うことはあまりないことだったので、珍しい体験だった。

 

少し高い12ユーロを払ったかいはあった。

 

「美しいわね・・・あなたもそう思うでしょ?」

 

ーーそうだな。黄金比・・・だったか?

 

「あら、よく知ってるじゃない」

 

目的だったパルテノン神殿。写真で見るものの数十倍は美しかった。

彼女が隣にいるからかもしれない。彼女の日傘の中に入ってそんなことを考えた。

 

「懐かしいわね・・・」

 

ぽそっと呟いた一言。何のことはない一言だが、どこか哀しみのこもったものだった。

しかし、どうして悲しい顔をしているんだ?と聞く勇気も図々しさもない。言葉にそのまま返すことにした。

 

ーー来たことがあるのか?

 

「・・・一応出身国よ」

 

ーーギリシャ神話にお前のような神格が居たか?へカーティアに聞くとしよう。

 

「私の名が知れたのは幻想郷を作ってからよ。だから私の歴史は百年ちょっと」

 

ーーなるほど。次はどこに行く?

 

五日間の日中は旅行だった。夜はプラカの街に出て店で食事をしたり、酒を飲んだり。あとは酒を買って部屋で呑みながらただただベラベラとしゃべっているだけだった。

 

ーーなあ、私は復讐を終えた後どうすればいいんだ?

 

胸中の不安をなんとなく吐き出す。仮に嫦娥への復讐を終えたとて、私も消えるわけではない。今のところ復讐以外の生きる目的は・・・二人の友人くらいのものだった。

 

「幻想郷で好きなことをしなさい。ただし、あんまり面倒起こすのはダメよ?とにかく生きる目的を見つけるのも目的になりうるわ」

 

ーーはは!そうしよう。そうそう、へカーティアのTシャツなんだが・・・。

 

彼女はいとも簡単に私へ道を見せてくれる。もしかしたら他の人々には見えているのかもしれない。私の視界が縮みすぎただけなのかもしれない。ベラベラとくだらない話をする。気づけば八時から五時間も話していた。

 

「こんな時間ね・・・」

 

紫のあくび。

 

 

この夜、私は自身の勇気のなさを実感する。

 

ウトウトとしてホテルの椅子に座る彼女。いつもの妖しいオーラはなく、ただ眠たげな美女がそこにいた。

 

ーーやれやれ。

 

彼女の膝と背中を持ち上げる。お姫様抱っこというやつだ。

 

「え?・・・歩いて戻れるわよぉ・・・」

 

ーー途中で寝るだろう。私が連れて行く。

 

どうにか動かせる右手でドアを開け、外に出た。隣の部屋のドアの前に立ち、紫のポケットからカードキーを取り出す。少しドキドキした。

 

カードキーを通し、ドアを開ける。

 

ーー重いな、お前。

 

弱い拳が当たる。冗談だと付け加え、奥のベッドに彼女を寝かせた。

 

「まだ・・・眠く・・・・・・すぅ・・・」

 

ーー子供かお前は。

 

安心しきった顔で眠る紫は、人形のように可憐でもあり、また妖艶でもあった。

 

その顔を見て、またドキドキした。

恥ずかしくてずって見てられず、私は部屋へ帰ろうとした。帰ろうとした。帰ろうとしたのだがカードキーがない。

 

部屋に置いてきたのだ。オートロックである。

帰れない。置いてきたのはここで買ったワインだけだったので、まあ、いい。問題はそこではない。ベッドが一個の部屋でどう寝るかだ。

 

いくら神霊でも眠くはなる。と言うか、一人で起きて居て何をする?することなどない。

 

彼女のベッドに入ろうか。

 

ーーできるわけないだろ!

 

声に漏れるほど恥ずかしい。

・・・待てよ?二人きりなんだぞ?夜の宿で、二人きりだぞ?

私の力があれば、紫の想いを愛一色にも・・・

 

ーー何を考えてるんだ!

 

ぐしゃぐしゃと頭をかく。帽子が落ちる。

我ながら恥ずかしいどころの騒ぎでなく、加えて目の前に眠る無防備な彼女を襲うのか?という罪悪感も湧き出る。

 

 

 

目が覚めたのは六時だった。椅子で目が覚める。このまま寝ていたのか。

体を伸ばし、ちゃんと動くのを確認して紫を揺さぶった。

 

ーー起きろ。

 

「何時?」

 

ーー六時だ。

 

「・・・分かったわ・・・ふぁ・・・」

 

結局何も起きない五日間だった。

こうして私たちの旅行は終わった。気がかりなのは、彼女の見せた寂しそうな表情だった。

 

目標が出来た。彼女の悩みを聞こう。そこまで彼女と仲良くなろう。

 

 

嫦娥のことを一切考えない生活は、復讐を誓って以来初めてだった。

 

もう、恨みなどどうでもよくなって来ていた。

 

以降の私は、無理難題をふっかけてみたりクラウンピースに任せず直接行ってみたりと、少しずつ遊ぶようになっていった。

 

この後、私は月の民を追って幻想郷に異変を巻き起こすのだが、それは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

蓮子へ

元気してるかしら?一日のうちに二通も手紙が届いて戸惑っているでしょうね。許してちょうだい。私にとっては二ヶ月近いのよ。未来へ物だけが送れるようになって二百年ほどが経つわ。あなたからすれば一年と二ヶ月ほどかしら。私のこと忘れてないわよね?

 

あなたが私に言ったこと。千年近く経った今も覚えてるわ。「私恋人ができちゃったの!あなたも探したら?顔はいいのだから気が合う人が居るはずよ」だったかしら?「活動とは別でダブルデートみたいなこともしたいわね」こうも言ってたわね。

今日、うっすらとそれへと近づいたの。だいぶ前に「あなた、もしかしたら()()()があるんじゃないの?」と私に言ったわよね?否定はしたけれど、不本意ながらそれが証明されてしまったわ。

 

純孤という人なのだけれど、この名前ピンと来るかしら?あなたなら言うまでもないわよね。

それで、この人と昨日まで五日間ギリシャに行ったのよ。楽しかったわ!これってデートよね?

 

実はもう2011年なの。あと百年もないわ。未来へ行く方法を模索するよりも待ったほうがよさそうね。また会いたいわ。

 

八雲紫マエリベリーハーンより

間違えたわ。ごめんなさい

ーーーーーー




短いし面白くないし全然キマシタワーは立たないし。あとなんか意外性が弱いような・・・
でも蓮メリじゃない秘封ってのは新しくないです?すげー文句言われそうな内容。普段は蓮メリちゅっちゅ至上主義者なんですけどね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。