アマゾン・ストラトス   作:I S S E I

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[思わぬ再会]

さて、その再会の相手とは?


説明 思わぬ再会

一夏 side

 

ハイエナアマゾンを倒した俺は、箒と共に部屋に帰って来た。

 

誰にも聞かせる訳にはいかねえから、購買で弁当を買って部屋に居る。

 

箒「一夏、あれは一体何だ?お前のあの姿、まるで怪物ではないか」

 

箒は当然の疑問を俺に投げ掛ける。

 

一夏「まるでじゃなくて、そうなんだよ。俺はアイツと同じ人喰いの怪物、アマゾンだ」

 

箒「・・・」

 

俺は自分の正体を明かした。

 

でも箒は、何故か不服そうな表情だった。

 

一夏「どうしたんだ、そんな剥れて?」

 

箒「どうしてお前はそんな自分を貶す言い方をするんだ?どんな結果であれ、お前が友達の仇を取ってくれたのは事実だ。だから、そんな言い方をするな」

 

箒は、まるで説得でもするように語り掛けて来る。

 

一夏「箒、お前怖くねえのかよ?お前も見ただろ、俺がアマゾンに変身するのを」

 

箒「だからどうした?」

 

俺はそう言って箒を遠ざけようとした。

 

これ以上、危険な闘いに巻き込みたくないからだ。

 

でも箒から返って来たのはその一言だった。

 

箒「お前がどんな種族であっても、お前は織斑一夏だ。私は種族が違うからと言って、決して他者を差別したりはしない」

 

俺はそれを聞いて、気が楽に成った。

 

一夏「流石は姉妹、考える事は同じだな」

 

箒「姉さんも、私のような事を言ったのか?」

 

俺の呟きに、箒がそう聞いて来た。

 

一夏「あぁ、[種族なんて関係ない。いっくんはいっくんだよ]ってな」

 

箒「そうか、姉さんがそんな事を」

 

俺の答えに、箒は複雑そうな表情でそう言った。

 

一夏「どうしたんだ箒?そんな難しい顔して」

 

箒「いや、此方の事だから気にするな」

 

それ以上の追求はしなかったけど、箒の表情は変わらなかった。

 

箒side

 

一夏から、アマゾンに成った経緯は聞いた。

 

あの一夏の戦いを見れば、相当の努力をしてきた事が分かる。

 

あれほどの身の熟しや、相手を翻弄する格闘技術。

 

箒(アマゾンに成ってからたったの2年で、今の強さに成るのは生半可な努力ではない。それこそ、血の滲むような努力なのだろうな)

 

私が一夏の戦いを見てそう思った。

 

しかし、一夏と話していて気になった事が有った。

 

それは姉さんの事を話していた時だ。

 

何処か一夏の表情が、愛おしんでいるように見える。

 

昔から一夏は姉さんに懐いていた。

 

しかし、今の一夏の表情はまるで異性を意識しているようにも伺える。

 

箒(もしかして、一夏は姉さんが好きなのか?)

 

私はそう考えながら一夏の話に相槌を打っていると、一夏が私の様子に気付いて話し掛けて来た。

 

一夏「どうしたんだ箒?そんな難しい顔してよ」

 

箒「いや、此方の事だから気にするな」

 

私はそう言ってはぐらかした。

 

箒(思い過ごしで済めば良いのだがな。もし一夏が姉さんを好きだったら、私は立ち直れない。本人の前では恥ずかしくて言えないが、私は一夏が好きだ。出来れば、想いを伝えたい)

 

私は一夏の表情を見てからそう考えていた。

 

一夏は昔から女子達に人気が有った。

 

一夏は誰にでも分け隔て無く優しく接していた。

 

それに正義感が強く、特に虐めには嫌悪感さえ抱いていた。(春十の影響)

 

だから好意を抱く者も多かったが、敵も多かった。

 

其処にあの馬鹿者(春十)が追い打ちを掛けていた事を知った。

 

だからこそ、私は一夏を支えたいと思った。

 

箒(明日からは、一夏に積極的にアピールしていくとするか。必ず一夏を振り向かせて見せる)

 

私はそう決意した。

 

そして明日に備えて、入浴の後すぐに床に付いた。

 

一夏 side

 

箒に俺の事を話してから3日が過ぎた。

 

あれから、箒は少し変わった。

 

朝起きたら朝飯を作ったり、トイレ、風呂、部活以外は一緒に居ようとする。

 

一夏(まさかと思うけど、箒に好かれてないか?俺)

 

俺は箒のあからさまな態度に、自惚れかもしらないけどそう思った。

 

そんなことを考えながら1人で帰っていた。

 

箒は部活で居ない。

 

すると、突然女の悲鳴が聞こえた。

 

女「きゃあああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺は急いで悲鳴を上げた女の元へ向かった。

 

 

俺が到着すると、ライオンアマゾンと、ソイツに襲われそうに成ってる水色の髪の女の子が居た。

 

俺は全速で走った。

 

一夏「チッ、人間体じゃ間に合わねえ!」

 

そう判断した俺は、ベルトを巻いてグリップを捻った。

 

ベルト〔ジ・リ・オン〕

 

一夏「(絶対助ける)アマゾン!!」

 

俺は叫んでアマゾン成った。

 

一夏「おらあぁぁぁぁああああ!!!」

 

俺は叫びながら、ライオンアマゾンの鼻っ柱に右ストレートを叩き込んだ。

 

ライオンアマゾン「グフッ!!!」

 

殴った勢いで、ライオンアマゾンは後ろに5メートルくらい転がった。

 

俺は襲われていた女の子に話し掛けた。

 

一夏「君、怪我は無いか?」

 

女の子「だ、大丈夫です」

 

まだ放心状態だな。

 

俺はライオンアマゾンを見た。

 

でも、そのアマゾンには見覚えが有った。

 

ソイツの右肩に、抉られたような傷痕が有った。

 

そう、ソイツは1年前仕留め損ねたアマゾンだった。

 

一夏「久しぶりだな猫助。結構な痕が残ってるな」

 

ライオンアマゾン「チッてめえが抉っといてよく言うぜ。完治に半年掛かっちまったよ」

 

お互いに皮肉を言った処で、俺はライオンアマゾンに聞いた。

 

一夏「何で[また]この子を狙うんだ?」

 

ライオンアマゾン「俺は1度狙った獲物は必ず刈る質でな。ソイツもその獲物って訳だ」

 

ライオンアマゾンは女の子を指差しながらそう答えた。

 

一夏「なら、今度こそお前を仕留めてやるぜ」

 

ライオンアマゾン「ケッ殺れるもんなら殺ってみな。返り討ちにして殺るぜ」

 

そしてお互い同時に走った。

 

ライオンアマゾンが先制で引っ掻き攻撃(右)をして来た。

 

俺は裏拳(左)で右手首を殴って弾き飛ばし、カウンターで腹に右ブローを打ち込んだ。

 

ライオンアマゾン「グフッ!!ゴハッ!!!」

 

殴った直後、ライオンアマゾンが吐血した。

 

拳を引っ込めると、ライオンアマゾンは膝を付いた。

 

ライオンアマゾン「何でだ?何で貫かれた訳じゃねえのに・・クッ、こんな内に響くんだ?」

 

ライオンアマゾンは腹を抑えて苦しみながら疑問を口にした。

 

俺はその疑問に答えた。

 

一夏「今打ち込んだ拳は特殊でな。簡単に言うと、殴ったらその衝撃がダイレクトで内に伝わるように成ってんだ。お前の硬い外骨格には打って付けな技だぜ」

 

ライオンアマゾン「クソ、幾ら外を鍛えても無駄って事かよ」

 

俺の回答を聞いて、ライオンアマゾンは嘆いた。

 

一夏「そういう事だ。お前はただ力任せに攻撃するだけ。だが、俺は違う。汎ゆる格闘技を身に付け、お前達(実験体)を刈って来た。その経験が、お前をそんな格好にさせてんだよ」

 

ライオンアマゾン「チッ!!!」

 

俺の解説に、ライオンアマゾンは悔しそうに舌打ちした。

 

一夏「悪いが、遊んでるほど俺も暇じゃねえ。一気に潰すぜ」

 

そう言って俺は、ライオンアマゾンとの距離を一気に詰めた。

 

そして加速を利用して、顎に前蹴り(右)をお見舞いした。

 

一夏「おらあああああ!!!」

 

ライオンアマゾン「ゴフッ!!」

 

さらに舞い上がった処に、前蹴りの際に蹴り上げた足で腹に踵落としの追撃。

 

一夏「そらオマケだ!!」

 

ライオンアマゾン「グゥゥゥゥ!!!ガハッ!!!」

 

最後に着地の時、思いっきり腹を踏み付けた。

 

その衝撃で、肺の空気が出て行った。

 

一夏「そろそろ終いにするぞ」

 

俺はそう言って、左グリップを捻った。

 

ベスト〔バイオレント・スピア〕

 

俺は左手をライオンアマゾンに向け、心臓に照準を合わせた。

 

さらに、右手を弓を引くようにして構えた。

 

一夏「これで終わりだ」

 

そして俺は、ライオンアマゾンの左胸に抜き手を突き立てた。

 

ザシュ

 

一夏「フン!」

 

最後に心臓を握り潰してフィニッシュ。

 

ライオンアマゾンがスライムに成ったのを見届けてから、俺は女の子に近付いた。

 

一夏「確か君は、簪って言ったっけ?1年前にもアイツに襲われたよな。君の姉さんが呼んでたからそう呼んだけど、合ってるか?」

 

簪「うん、合ってるよ。私は更識 簪、あの時は本当にありがとう」

 

簪が礼を言った所で、生徒会長の楯無が慌てた様子で走って来た。

 

連れの2人と一緒に。

 

楯無「簪ちゃん!!!」

 

それに続いて、連れの2人も簪を呼ぶ。

 

でも連れの1人には見覚えが有った。

 

確か、布仏 本音って言ったな。

 

いつもだぼだぼなの制服着てるからすぐに覚えた。

 

本音「かんちゃん!!!」

 

女の子「簪お嬢様!!!」

 

3人は駆け寄ると、すぐに俺を睨んだ。

 

まだ戻ってないから当たり前か。

 

楯無「貴方が私の妹を襲ったの?」

 

と、威圧しながら聞いて来た。

 

一夏「俺はその娘を襲っちゃいねえよ」

 

俺の否定に、簪がフォローを呉れた。

 

簪「そうだよお姉ちゃん。この人は私を助けてくれたんだよ」

 

楯無「そうなの!?」

 

簪「うん」

 

簪のフォローに驚いて聞き返す楯無。

 

そしてそれを肯定する簪。

 

楯無「疑ってごめんなさい。そしてありがとう、妹を助けてくれて」

 

さっきまでの威圧が嘘みたいに笑顔で礼を言う生徒会長。

 

一夏「気にするなよ。俺は取り逃がしたアイツを刈っただけだからな」

 

俺がそう言うと、簪が切り出した。

 

簪「そろそろ変身解いたらどう?」

 

一夏「・・・は?」

 

俺は簪の一言に間抜けな声を上げた。

 

簪side

 

私が何で変身の事を知ってるかって言うと、3日前に織斑(一夏)君が変身して闘う所を偶然見たから。

 

しかも、まるで特撮ヒーローみたいにベルトを巻いて変身した事に、不謹慎だけど興奮した。

 

そして今日、私のピンチに颯爽と駆け付けてくれた彼に、私はときめいた。

 

ライオンの怪物を殴った後、「君、怪我は無いか?」と定番の一言。

 

それは私のヒーロー像その者だった。

 

お姉ちゃん達の誤解を解いた所で、私は切り出した。

 

簪「そろそろ変身解いたらどう?」

 

一夏「・・・は?」

 

少しの間を置いて、織斑君が呆けた声を上げた。

 

一夏「何の事だよ」

 

と言って、織斑君を誤魔化そうとする。

 

簪(やっぱり隠そうとするよね)

 

私はそう思いながら、3日前の事を話した。

 

簪「実は、3日前に貴方が変身する所見ちゃったの」

 

私がそう言うと、織斑はおでこに手を当てて項垂れた。

 

一夏「マジか」

 

織斑君はそう言うと、ベルトを外した。

 

そして、人の姿に戻った。

 

それを見て、お姉ちゃん、本音、虚さんが驚きの余り叫んだ。

 

楯無、本音、虚「えええええええええええええ!!!!!」

 

私も初めて見た時は腰が抜けた。

 

すると、お姉ちゃんが織斑君に話し掛けた。

 

楯無「あ、貴方、確か織斑一夏君だよね?」

 

一夏「えぇ、[元織斑家の末っ子]織斑一夏です」

 

その自己紹介は何故か嫌悪の表情だった。

 

それに、[元]を強調したのも引っ掛かる。

 

簪「何か遺恨でもあるの?」

 

私が尋ねると、表情がさらに怖くなった。

 

一夏「遺恨なんてレベルじゃねえ。修復不可能な溝だ」

 

それを聞いて、お姉ちゃんが切り出した。

 

楯無「良かったら、私達の時みたいに話してくれないかしら。あの時も言ってくれたじゃない、「溜め込むな」って」

 

一夏「・・・分かった、話すぜ。俺がアマゾンに成った経緯と、俺の生い立ちをな」

 

少し考えた後、了承してくれた。

 

でも、織斑君の生い立ちは私達の想像を越えていた。




いかがでしたでしょうか?

早々に更識姉妹、布仏姉妹が総登場。

ちなみに、1発だけ殴った特殊なパンチは[二重の極み]です。

分からない方はググってね。

次回

語られる一夏の生い立ち。

それを聞いた姉妹達は何を思う。

それでは次回もお楽しみに
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