アマゾン・ストラトス   作:I S S E I

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お久し振りです。

散々待たせた挙げ句に前編・後編別け。

理由としては、1話に詰め込むと恐らく10000文字を越えてしまうからです。

そうなると、何時更新出来るか分からないので前編・後編に別けました。

そんな訳で、遅い更新ですが気長にお待ち下さい。


最終戦 黒 VS 白 [前編]

一夏 side

 

ビットに戻った俺は、箒に正座させられ怒られている。

 

箒「バカ者!!!音速拳なぞ使って、万が一オルコットが死んだらどうするんだ!!!大体お前は昔からそうだ、1度頭に血が上ると回りを見ずに暴走する。それでどれだけ私と姉さんが手を焼いたと思ってるんだ!!!いくら女尊男卑が気に入らないと言っても、限度と言うモノが有るだろ!!」

 

THEマシンガントーク

 

一夏「ごめんなさい」

 

火に油を注ぐような真似は止めておこうと、素直に謝った。

 

 

一夏(「死んでねえから良いじゃねえか」なんて言ったら、確実に竹刀が飛んできそうだしな)

 

そんな中、鶴の一声が掛かる。

 

真耶「まぁまぁ、一夏君も反省してますし、それに次の試合も有りますから、その辺で」

 

山田先生が助けてくれたお陰で、箒はそら以上は言わなかった。

 

ただ、すれ違う瞬間

 

箒「続きは部屋でだ」

 

小声でそう言われた。

 

説教はまだ終わらないらしい。

 

一夏「はぁ、そんじゃあ、オルコットとクソ兄貴の戦いでも見物するか」

 

俺がそう言ってビットを出ようとすると、箒に止められた。

 

箒「何を言っている。次はお前と春十だ」

 

一夏「は?何で?」

 

俺は訳が分からず聞き返した。

 

箒「お前、オルコットのISを壊しておいて白々しいぞ」

 

一夏「・・・は?」

 

俺がリアクションすると、今度は山田先生が説明してくれた。

 

真耶「それがですね、オルコットさんのISのダメージレベルがCまで到達していて、暫く動かせないんです」

 

一夏「・・・マジ、すか?」

 

真耶「はい」

 

俺は山田先生の説明に唖然とした。

 

ダメージレベルCって、1歩間違えたら廃棄処分じゃん。

 

一夏「・・・イギリス政府から抗議来ないかな?」

 

俺は其処が不安に成った。

 

あれだけボコボコにしたんだから、最悪俺のIS寄越せとか要求されそうだな。

 

真耶「恐らくそれは無いと思います」

 

一夏「何故ですか?」

 

真耶「先程オルコットさんに話を聞いてきたのですが」

 

━回想━

 

NOside

 

真耶は一夏のビットに行く前、セシリアのビットを訪れていた。

 

真耶「ブルーティアーズのダメージレベルC。試合中の事とはいえ、これは抗議をしてもおかしくはありませんね」

 

真耶はブルーティアーズの状態を確認し、抗議するか確認した。

 

しかし、セシリアは首を横に降った。

 

セシリア「いえ、抗議は致しません。教室であれだけの暴言を言っておきながら、独り善がりなプライドで決闘なんて申し込んだ挙げ句、[素手]対[銃]で完膚無きまでに打ちのめされたのですから、そんな権利も意思も在りませんわ」

 

と言って、セシリアは更衣室へ向かった。

 

━回想終わり━

 

真耶「と言っていました」

 

一夏「・・・」

 

俺は言葉が出なかった。

 

あの慢心を体現したような女が、負けて改心するなんて信じられなかった。

 

まぁ、鬱陶しくなくなったのは良いけどな。

 

一夏「そんじゃあ、SEのチャージ待ちだな」

 

箒「あぁ、それまでに体を解しておけ。まだ温まってないんだろ?」

 

一夏「そうするぜ」

 

こうして、SEが溜まるまでの間、柔軟やウォームアップをして時間を潰した。

 

 

試合開始1分前、俺は5分前にウォームアップを終えて瞑想していた。

 

それを、箒と山田先生が静かに見守ってくれている。

 

ちなみに、ダメ姉はクソ兄貴のビットに行っている。

 

俺は深呼吸した後、立ち上がってISを展開した。

 

一夏「来い、地獄の狩人」

 

春十 side

 

俺は一夏が試合をしている間に、ファーストフィッティングを終えてビットで待機している。

 

春十(IS戦は転入試験の時以来だな。まぁ、俺なら楽勝で勝てるだろ。一夏とオルコットの試合は見てないけど、どうせ一夏が瞬殺されたんだろうな。先週の屋上では油断したが、今度は叩きのめしてやる。あわよくば、事故に見せ掛けて殺すか?ヒヒヒ)

 

俺がそう考えてると、千冬姉さんが入って来た。

 

春十「何だ、姉さん自らセコンドしてくれんの?」

 

そう言いながら姉さんを見ると、かなり険しい表情で俺を見ている。

 

千冬「いや、お前に辞退を薦めに来た。お前と一夏では、実力が違い過ぎる。このまま試合に出たら、最悪死ぬぞ。一夏は、オルコットにノーダメージで勝利している」

 

春十「・・・う、嘘だよな?」

 

俺は姉さんの言葉に耳を疑った。

 

代表候補生のオルコットが、一夏に1発も当てられずに負けた。

 

それが信じられなかった。

 

春十「姉さん、エイプリルフールはとっくに過ぎたぞ。大体一夏なんかが、オルコットを相手にノーダメージ?有り得ねえだろそんなの!!」

 

俺がそう言うと、姉さんが止めを刺して来た。

 

千冬「更に言うなら、一夏は素手、オルコットは銃だった」

 

春十「・・・」

 

俺はもう言葉が 出なかった。

 

素手vs銃で素手が勝つ。

 

春十(姉さんは誂い好きだけど、こんなふざけた冗談は絶対言わねえ。だとしたら、マジなのか!?)

 

俺は姉さんに視線を送ると、無言で頷いた。

 

春十「ま、マジかよ!?」

 

千冬「あぁ。それでも戦うと言うなら、心して挑め。下手をしたら、殺されるぞ」

 

春十「!!!」ゾクッ

 

俺は姉さんの言葉に、悪寒が走った。

 

それもその筈。

 

姉さんの眼が、本気の眼だったからだ。

 

その言葉を最後に、姉さんはビットを後にした。

 

でも、俺は考え方を変えた。

 

春十「姉さんがあんなに警戒してる一夏を倒せば、俺はやっと姉さんに認めて貰える」

 

俺はそう考えて、ビットの射出口へ向かった。

 

千冬 side

 

私は一夏とオルコットの試合を見て、正直震えた。

 

今の一夏は、並の達人を圧倒的に凌駕している。

 

ビットへの移動中、箒に[音速拳]の原理を聞いた。

 

正拳突きに使用される関節[爪先→足首→膝→股関節→腰→肩→肘→手首]の8箇所を連動ではなく同時に加速させる事で、あの常軌を逸した連撃を可能にするらしい。

 

その為、反射神経や条件反射が追い付かず真面に攻撃を受け続ける事に成る。

 

つまり、捕まったら終わりだ。

 

だから、私は春十に辞退を薦めに行った。

 

下手をすれば、春十が殺されかねないからだ。

 

いくら春十に非が有るとはいえ、兄弟での殺し合いは姉としては見たくない。

 

そう願いつつ、私は管制室に戻った。

 

NOside

 

一夏と春十は、お互いにISを纏って向かい合っていた。

 

春十が提供されたISは、白を基調としたボディーカラー。

 

名前は白式(びゃくしき)

 

右手には既に白式の専用武器[雪片二型]が握られている。

 

一夏(まさか、こんな形で戦り合う事に成るなんてな。ま、借りを返すには丁度良い機会だな)

 

カウントが始まる前、一夏はそう考えていた。

 

すると、春十が地面に降りて一夏に指で降りるように促す。

 

それに従い、一夏も地面に降りた。

 

2人が降りた所で、カウントが始まった。

 

『3、2、1、試合開始です』

 

一夏、春十「・・・」

 

お互いに構えたまま、2人は動かない。

 

一夏はボクシングのファイティングポーズ。

 

春十は雪片を両手の順手で持ち、剣道の構えをしている。

 

その状態で2人供が動こうとしない。

 

[その頃の管制室]

 

真耶「2人供動きませんね」

 

真耶の一言に、千冬が訂正を入れる。

 

千冬「動かないんじゃない、動けないんだ」

 

其処へ更に、箒が付け足す。

 

箒「春十だけが、ですがね」

 

真耶「どういう事ですか?」

 

真耶の疑問に、千冬が答えた。

 

千冬「山田先生も見ていたでしょう、一夏の戦いを。アイツの戦闘力は、最早並の達人では敵わないでしょう」

 

真耶「お、織斑先生が其処まで言うなんて!!」

 

千冬の見解を聞いて、真耶は動揺した。

 

そう話している内に、状況が動いた。

 

 

先に仕掛けたのは春十だった。

 

ブースターで加速しながら、一気に間合いを積めて唐竹で斬り掛かる。

 

だが、一夏は春十の右側にすれ違うようにして躱す。

 

そして回転しながら春十の後頭部を掴んで、地面に顔面を叩き付けた。

 

ゴオオォォン

 

春十「グブ!!!」

 

反応する暇もなく地面に叩き付けられた春十は、顔を抑えながら立ち上がる。

 

春十「チッいきなりカウンターかよ。しかも今の合気じゃねえか!!」

 

一夏「知ってたか。まぁ今のはほんの挨拶だ。さっさと来いよ自称天才くん」

 

春十のリアクションに、一夏は指で来いと挑発しながら煽った。

 

春十「おちょくるのも大概にしやがれ!!!」

 

その挑発に激昂した春十は、右凪ぎに構えて一夏に突進した。

 

だが、幾多の死線を潜って来た一夏にとっては、所詮[ちゃんばら]である。

 

一夏はタイミング良く飛び上がり、春十の横凪ぎを回避した。

 

そして踏み込んだ事で位置が低くなった春十の横顔に、空中右回し蹴りを炸裂させる。

 

一夏「隙有り!!!」

 

春十「グッ!!ぐわぁぁぁああああ!!!」

 

一夏に蹴り飛ばされた春十は、まるでボールのように跳ねながら転がって行く。

 

[それを見ていた更識・布仏姉妹]

 

楯無「凄い身の熟しね。並の努力じゃ、2年で此処までは行かないわ。それに、彼はまだ実力すら出してない気がする」

 

簪「うん、私にもそう見える。ただ攻撃にカウンターしてるだけで、一夏からはまだ1回も仕掛けてないね」

 

虚「そうですね。お嬢様も体術は体得しておりますが、彼処まで洗練された技を見るのは初めてです」

 

本音「う~ん、いっちー頑張ったんだね~」

 

四者四様の感想である。

 

一夏は春十が起き上がる間、ずっと仁王立ちでじっとしている。

 

この時、一夏の戦闘スタイルを知る箒は察した。

 

箒(春十の動きを把握しきるまで動かない気だな)

 

アマゾンと知ってから、箒は一夏のトレーニングを間近で見て来た。

 

その為、箒は一夏のスタイルを把握している。

 

そして、一夏の表情を見て箒は確信した。

 

箒(様子見は此処までだな)

 

一夏 side

 

俺はクソ兄貴の動きを見て呆れた。

 

護身術はまあまあだけど、剣は話に成らない。

 

ただひたすらに突っ込むだけで、まるで[子供を相手にしてるみたい]だと思った。

 

一夏(俺はこんな弱い奴に虐められてきたのか。昔の自分が惨め過ぎる)

 

俺は怒りを通り越して、自分が惨めに成った。

 

そう考えてると、クソ兄貴が起き上がった。

 

春十「てめえ、カウンターするしか能が無えのか!!!」

 

一夏「カウンターされる方が悪いんだよ。大体、今はISを纏ってるけど、生身だったらお前2回死んでるぞ。実戦(殺し合い)にルールも卑怯も無い。試合は読んで字の如くリハーサル、本番(殺し合い)じゃない。そんな甘い考えならISになんか乗るんじゃない」

 

俺はこの2年を経ての経験からの見解を踏まえて、クソ兄貴にそう言った。

 

春十「ふんッ経験者みたいな口振りしやがって。お前がプロなら、俺は神だ。お前ごときが知った風な口を訊くな!!!」

 

当の本人は聞く耳持たず。

 

また唐竹で斬り掛かって来た。

 

一夏「なら見せてやるよ、決定的な差ってヤツを」

 

俺は瞬間加速でクソ兄貴の懐に入り、左手首を右手で掴んだ。

 

春十「な、なに!?」

 

そしてがら空きの腹に鎧通しを使って左アッパーを入れた。

 

ガァァアアン

 

春十「カハッ!!!」

 

衝撃がダイレクトに伝わったせいで、春十は腹を抑えて悶絶する。

 

春十「グッうううぅぅ、あ、ぐうううぅぅぅ」

 

一夏「これで分かったか?今の俺とお前じゃ、[武器]対[素手]でもこうなるんだ。いくら強力な武器や技を使っても、その差は埋まらない。これが、試合(遊び)実戦(死合)の決定的な差だ」

 

俺は今だ悶絶するクソ兄貴に、そう言い放った。

 

春十「・・・るな」

 

すると、クソ兄貴が何か呟いた。

 

一夏「ん?」

 

春十「ふざけるなぁぁぁあああああああ!!!」

 

俺が反応した瞬間、クソ兄貴がそう叫びながら体を起こす。

 

春十「弟の分際で、生意気に説教こいてんじゃねええええ!!!弟はただ命令に従う道具で居ればいいんだ、弁えろ!!!」

 

此処までしてもまだそんな思想を通そうとするクソ兄貴に、俺は怒りが爆発した。

 

一夏「俺の考えが甘かったな。改心なんて、有りもしない事に期待していた俺がバカだったぜ。此処からは、手加減も配慮も無しだ。お前には地獄を見て貰うぞ」

 

俺はそう言って、戦闘態勢に入った。




今回は此処までです。

お盆中には後編を出せたら良いなと思ってます。

(期待はしないで下さい)

これからも、こんなのろま更新ですが気長に楽しんで頂けたら嬉しいです。
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