アマゾン・ストラトス   作:I S S E I

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思ってたより早く書けました。

一夏VS春十、いよいよ決着です。


最終戦 黒 VS 白 [後編]

箒 side

 

春十「弟の分際で、生意気に説教こいてんじゃねええええ!!!弟はただ命令に従う道具で居ればいいんだ、弁えろ!!!」

 

一夏の説教を聞いて、春十は一夏に逆上しながら叫んだ。

 

だが、それが地雷だった。

 

一夏「俺の考えが甘かったな。改心なんて、有りもしない事に期待していた俺がバカだったぜ。此処からは手加減も配慮も無しだ。お前には地獄を見て貰うぞ」

 

一夏はそう言って、完全に戦闘態勢に入った。

 

それも、アマゾンと闘う時と同じ表情をしている。

 

画面越しでも感じ取れるこの威圧感。

 

箒(殺すなよ、一夏)

 

私は切にそう願った。

 

千冬 side

 

春十の叫びを聞いてから、一夏の表情が変わった。

 

画面越しだと言うのに、とてつもない威圧感を感じる。

 

千冬(この威圧感、屋上の時の比ではない!!画面越しでこれでは、直接当てられたら私でも耐えられないかもな。一夏、お前に一体何が遭ったんだ?)

 

私は一夏の威圧感にそう考えずに居られなかった。

 

楯無 side

 

私は一夏君から感じる威圧感に震えた。

 

こんなの、任務の現場でも感じた事が無かった。

 

楯無「一夏君、相当の場数を踏んでるわね。こんな威圧感、任務でも感じた事が無いわ」

 

私の言葉に虚ちゃんが答えた。

 

虚「私も同じ意見です。一夏君の闘い方にしても、あれは表の動きではありません。明らかに裏の動きです。此処までの領域に、たったの2年で至るなんて、努力だけでなく才能も有るかも知れませんね」

 

虚ちゃんが此処まで人を褒めるのは珍しい。

 

楯無「でも、余りやり過ぎなければ良いんだけどね。一夏君、殺しちゃダメよ」

 

私は静かにそう呟いた。

 

NOside

 

春十の言葉に、幼い頃からの怨みが爆発した一夏。

 

つまり春十は、パンドラの箱を開けてしまったのだ。

 

怒りに呼応して、一夏の瞳が赤に変色。

 

それは、アマゾン体の時と同じ色だ。

 

一夏「覚悟しろよ、この下種野郎」

 

そう言った瞬間、一夏は瞬時加速を使い、一瞬で春十の間合いに入った。

 

春十「な!さっきより早い!!!」

 

一夏「お前が遅いだけだ、下種が」

 

一夏はそう言って、春十の腹部に二重の極みを打ち込んだ。

 

ガキイイィィン

 

春十「ごはっ!!!」

 

衝撃が内臓に響き渡り、体が耐えきれず吐血した。

 

春十「ごほっ!!ごほっ!!」

 

春十は腹部を抑え、噎せながらその場に膝を付いて踞り吐血し続ける。

 

だがそれで攻撃を止める程、一夏の感情は穏やかではなかった。

 

一夏「たかが吐血で大袈裟なんだよ。そんな事で手加減して貰える程、実戦(殺し合い)は甘くねえんだよ」

 

そう言って、一夏は春十の右肩をサッカーボールキックで蹴り上げた。

 

ガアアアァァァン

 

春十「グッ!!!」

 

その威力に、踞っていた春十の体が跳ね上がり仰向けに倒れる。

 

一夏「どうした、さっきの勢いは何処に行った?俺はお前より弱いんじゃなかったのか?そんなんじゃ一生 俺には勝てねえぞ」

 

一夏は嫌味を言ったのち、春十の右肩の装甲を掴み無理矢理立たせた。

 

一夏「先に言っておくが、SEが無くなるまで試合は終わらないんだ。だから、それまでは一切の容赦も手加減も無しだ。それと、ギブアップなんてさせないから覚悟しろ」

 

その宣言と共に、再び春十の腹部に二重の極みを打ち込んだ。

 

ガキイイィィン

 

春十「グブ!!!ごほっ!!」

 

更に間髪入れず、左フックが右顔面に炸裂した。

 

春十「ごはっ!!!」

 

殴られた春十は、3メートルくらい飛ばされた。

 

そして一夏は、ゆっくりと歩きながら春十に近付いて行く。

 

春十「ごほっ!!ごほっ!!・・この、調子に乗るなああああ!!!」

 

春十は雪片の切っ先を一夏に向けて突進した。

 

だが、一夏は紙一重で回避し、春十の顔面を掴んで後頭部を地面に叩き付けた。

 

ドオオオォォォン

 

春十「ぐううぅぅ!!!」

 

春十は脳震盪を起こし体に力が入らなくなった。

 

[それを見ていた管制室メンバー]

 

箒「な、何だあのカウンターは!?一夏がただ歩いているだけだったのに、いつの間にか春十が倒された!!!」

 

真耶「私にもそう見えました。織斑先生、お分かりになられましたか?」

 

箒と真耶が動転する中、千冬だけが何も言わなかった。

 

いや、言葉が出なかったのだ。

 

千冬「あ、あれは、御殿手(うどんで)だ」

 

箒、真耶「うどんで?」

 

千冬の答えに、2人はハモって聞き返す。

 

千冬「あぁ、古代沖縄に伝わる、琉球王家の長男だけが継承を許される、王家秘伝の武術だ。最大の特長である歩方は天下無敵と言われ、正中線を維持したまま、左右の揺れは一切無い。それ故、打ち込む隙は皆無。敵は無謀な攻撃を強いられてしまう。色々な格闘技を身に付けているのは観ていて分かっていたが、琉球王家の秘伝までとは恐れ入る」

 

箒、真耶「・・・」

 

千冬の解説に、2人は言葉を失った。

 

[同じ頃の更識、布仏姉妹]

 

楯無「まさか、御殿手まで使えるなんて、彼の格闘技術は本当に凄いわね」

 

簪「うん、私もそう思う。でも、何だか今の一夏、凄く恐い」

 

虚「恐らく、幼少の頃からの怨みでしょう。あの様子だと、相当の仕打ちを受けたようですね。そうでなければ、あんなに憤怒の籠った表情には成りませんから」

 

本音「いっちー」

 

楯無は御殿手を使った一夏に感心を示し、それに賛同しながらも、一夏の形相に恐怖心を抱く簪。

 

虚は一夏の形相から、一夏の受けた仕打ちを推測し、それを聞いて心配そうに一夏の名前(あだ名)を呟く本音。

 

 

春十「あ、ああ、グッ!」

 

必死に立ち上がろうとするが、脳震盪を起こしている為、上手く力が入らず這いつく張る事しか出来ていない。

 

それを一夏は、ただ見下ろしているだけ。

 

散々見下して来た弟に見下される。

 

その現状に

 

春十(こんな屈辱、有ってたまるか!!!)

 

と言う心境の春十だが、気持ちとは裏腹に体は言う事を聞かない。

 

身体に蓄積したダメージが、身体の自由を奪っている。

 

それに加えて、二重の極みを2回も打ち込まれた為、内臓にもダメージを受けている。

 

だが機体のSEはまだ残っている為、這いつく張っていても試合は終わらない。

 

一夏「そんな身体でまだ闘う気か?まぁ、死にたかったら掛かって来い」

 

そんな春十を一夏は嘲笑うかのように挑発する。

 

春十「ごほっ!!こ、この野郎!!出来損ないの分際で、この俺に恥をかかせやがって!!!ただで済むと思うなよ!!」

 

一夏「ただで済まないのはお前の方だろう。控えめに言っても、今のお前はボロボロだ。さっさと気絶してりゃ、苦しみも和らいだのにな。フッそれじゃ、そろそろ終わらせるぞ。もう飽きて来た」

 

一夏はそう言って、右手を広げて春十に見せ付けるようにして、親指を曲げて

 

一夏「お前は、4手で詰む」

 

と、春十が好きなボードゲーム、特に好きなチェスを真似て仕留めると宣言した。

 

春十「貴様、俺の好きなチェスを真似しやがって、上等じゃねえか!!!」

 

春十は一夏の挑発に乗り、一夏に右ストレートを放つ。

 

しかし、一夏はそれを左手刀で払い落とし、春十の頭目掛けてハイキックを放つ。

 

それに気付いた春十は、ギリギリ左腕でガードした。

 

だが、一夏の蹴りは凄まじく、そのガードした腕を吹き飛ばした。

 

春十「ぐわあああ!!!」

 

一夏「1」

 

カウントを呟き、春十の体勢が僅かに崩れた処に透かさず右ストレートを打ち込んだ。

 

だが、これもギリギリで春十は両手で受け止めた。

 

一夏「フッ!!」

 

しかし、一夏は腕に更に力を込めてガードごと春十を後方へ突き飛ばしてしまう。

 

春十「うわあああ!!!」

 

一夏「2」

 

突き飛ばされた春十は、何とか根性で倒れる事なく耐える。

 

ビリ、ビリビリ

 

すると、いきなり放電音が聞こえ、春十は聞こえた方を見た。

 

視界に飛び込んで来たのは、最初のハイキックを受け止めた左腕の装甲が砕けている光景だった。

 

春十「ば、バカな!?」

 

春十は信じられないとばかりにそう呟く。

 

それに構わず、一夏はバイオレント・スピアの構えを取る。

 

一夏「3」

 

カウントと同時に、春十へ向かって行く。

 

春十「!クッ!」

 

一夏の接近に気付いた春十は、意を決してカウンターを狙うべく右拳を構えて一夏同様近付いて行く。

 

だが、受けたダメージが酷く、春十は途中で激痛が走ってしまう。

 

その隙を逃さず、一夏は渾身の力を込めて拳を繰り出した。

 

ブースターに因り威力を底上げされ、アリーナの中心から壁に激突した。

 

ドオオオォォォン

 

その直後、エアーが抜ける音が響き渡る。

 

ぷしゅうううぅぅぅん

 

それは、白式のSEが尽きた事を示している。

 

一夏「しまった、1手 早すぎた」

 

一夏がそう呟いた直後、勝敗を報せるアナウンスがアリーナに響き渡った。

 

『し、試合終了。勝者、織斑一夏選手』




今回は此処までです。

少し刃牙ネタを入れてみました。

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