アマゾン・ストラトス   作:I S S E I

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お盆中に投稿出来て良かったです。

また明日から仕事ですからね。

(萎えるわ~)




千冬の後悔 明かされる一夏の仕事(狩り)

千冬 side

 

一夏は圧倒的な強さで春十を倒した。

 

だが私は、一夏への疑問が尽きない。

 

誘拐されてから2年間、一夏は束と行動を共にしていた。

 

しかし、たったの2年であの闘い方はおかしい。

 

あれは明らかに試合ではなく、殺しの闘い方だ。

 

私は管制室から直接春十が送られた医務室へ向かった。

 

 

千冬「ドクター、春十の様子は如何ですか?」

 

私はドクターに春十の容態を聞いた。

 

しかしドクターから驚きの答えが帰って来た。

 

ドクター「弟さんの外傷はそれほど大した事はありません。ですが、内臓のダメージが酷いです」

 

千冬「!?な、内臓、ですか?」

 

私は耳を疑った。

 

外傷ではなく、内臓にダメージ。

 

千冬「どのような状態なのですか?」

 

そう聞かずには居られなかった。

 

ドクター「そうですね。例えるなら、内臓に直接攻撃を受けたような感じですね。後一撃受けていたら、彼は死んでいました」

 

千冬「な!?それは本当ですか!?」

 

ドクター「はい。それと、弟さんは全治3ヶ月です」

 

千冬「そうですか、弟をお願いします」

 

私は信じられなかった。

 

後一撃受けたら、春十は死んでいた。

 

春十が一夏にした仕打ちは、決して許される事ではない。

 

だが私は察した。

 

千冬(一夏はあれで抑えたんだ。いや、押さえざるを得なかった。観客が大勢居る前で殺人をする訳にはいかない、と言う事か。恐らく、一夏がその気に成れば、簡単に春十を殺せた)

 

だがそれを察した直後、私は罪悪感に見舞われた。

 

一夏がこう成ったのは、私の責任だ。

 

千冬(私がもっと一夏を気に掛けていれば、こんな事には成らなかった。昔の私は、ただ彼奴等を養う事しか頭に無かった。[親が居ない]せいで、稼げるのは私しか居なかった。だが、それが仇に成った。春十は産まれた順番に拘っていた。[産まれた順に評価されなければならない]その思想が、一夏への虐待に走らせた。そして2年前、春十が一夏を身代わりにした結果、一夏は闘争の化身に成ってしまった。今の私でも、今の一夏に通用するか自体、自分から観ても怪しい。闘いに一切の無駄が無い上、的確に相手を倒せる技の数々。あれは最早、[殺しに特化した技]だ)

 

私は自分の過ちを悔いる事しか出来なかった。

 

一夏を蔑ろにしていた自分。

 

春十の行いに気付こうともしていなかった自分。

 

そして何より、自分の無力さに腹が立った。

 

私は医務室を出た後、壁に寄り掛かり

 

千冬「すまなかった、一夏。すまなかった、束」

 

一夏と束に、届きもしない謝罪をした。

 

こんな時代にしてしまったのは、他ならぬ私だ。

 

あの頃の私は、仕事と学業の両立によるストレスでかなり苛立っていた。

 

白騎士事件は、言ってしまえば八つ当たりだ。

 

そのせいで、束の夢は遠退き[IS=最強兵器]と言う印象を世界に与えてしまった。

 

そしてISが女にしか動かせない事と、白騎士事件が基となり、女尊男卑と言う風習が出来てしまった。

 

千冬「結局、一夏を1番苦しめていたのは、この私だったな。何が世界最強だ、何がブリュンヒルデだ。家族1人守れない、ただの弱い女じゃないか。くっう、うぅ」

 

私はその場に崩れ落ちて涙を流した。

 

自分の情け無さと無力さに、ただ泣く事しか出来なかった。

 

一夏 side

 

ビットに戻ってからが大変だった。

 

何でか箒、楯無さん、簪、虚さん、本音の5人がビットに集まっていた。

 

(山田先生は職員室に呼ばれて居ない)

 

どうやら俺とクソ兄貴の戦いを見て暴走したんじゃないかと不安に成ったらしい。

 

一夏「心配かけて悪かったな。俺は大丈夫だから、そんなに思い詰めた顔すんなよ」

 

箒「まったくだ、お前の暴走癖はどうにか成らないのか?それに、お前途中から眼の色が変わっていたぞ」

 

箒がまだ不安そうに教えてくれた。

 

一夏(マジか、時々成るんだよな)

 

俺は人間体のままでも、アマゾン体の50%の力を引き出せる。

 

そして15%以上を引き出すと、『文字通り』眼の色が変わるらしい。

 

(束姉情報)

 

一夏「加減はしたつもりなんだけどな、怒りで力を引き出し過ぎたみたいだな」

 

俺がそう言うと、楯無さんが聞いてきた。

 

楯無「引き出すって、アマゾンの力の事かしら」

 

楯無さんの問いに、箒が楯無さんに詰め寄る。

 

箒「な!?どうして貴方が一夏の事を知っているんですか!?」

 

怒り気味に問い詰める箒に、楯無さんは変わらない態度で箒の問いに答えた。

 

楯無「私達は1年前に彼に助けられたのよ。それに5日前にも妹を助けてくれたから」

 

箒「そ、そうでしたか。すみません、取り乱しました」

 

箒は説明を聞いて冷静になり、すぐに謝った。

 

一夏「にしても腹減ったな。食堂で蛋白摂取するか」

 

そう言って食堂に向かった。

 

 

食堂に着いて、俺はざっと3人分の料理を注文した。

 

メニュー

 

[牛カツ]

 

[鶏胸肉の甘辛煮]

 

[キャベツ半分千切り]

 

[チキン南蛮]

 

[御飯茶碗大盛り]

 

[味噌汁]

 

ちなみに、その量を見た回りの生徒と、調理師さん達は引いていた。

 

当たり前か、フードファイターでもない限りこの量は普通は食わない。

 

一夏「まぁ、2度見する気持ちは分かるけどな。そんじゃあ、戴きます」

 

【30分後】

 

一夏「御馳走様でした」

 

俺は完食した。

 

何故か食いきった直後、拍手が興った。

 

一夏(此処は大食い会場か)

 

内心そう突っ込んだのは言うまでもない。

 

一夏「さてと、腹も膨れたし教室に戻るとするか」

 

俺がそう言うと、楯無さんが待ったを掛けた。

 

楯無「待って、まだ授業まで時間有るからお話ししない?一夏君の事もそうだけど、箒ちゃんの事もあまり知らないから」

 

それに賛同して、簪、虚さん、本音が言う。

 

簪「うん、私も一夏とお話ししたい」

 

虚「私も、折角ですから親睦を深めたいですね」

 

本音「私も~、いっちーとしののんとお話しした~い」

 

そして、俺達は屋上で談笑した。

 

箒 side

 

一夏と共に昼食を取った後、私達は屋上で話をした。

 

話の内容は至って普通の世間話だった。

 

だが、私はビットに駆け付けた時、彼女達と遭遇した。

 

そして、私は悟った。

 

楯無さんと簪は、一夏に惚れている。

 

こうして話している処を見ていても、楯無さんと簪の顔がほんのりと赤い。

 

助けられたと言っていたが、それが理由なら一夏は2人に取って救世主と言う事に成る。

 

箒(簪に関しては2度目らしいからな。だから尚更好きに成ったと言う事か)

 

私はそう確信した。

 

楯無さんより簪の方が一夏への視線が輝いて見える。

 

すると、楯無さんが話題を変えた。

 

楯無「一夏君、今から真面目な話をするけど良いかな?」

 

楯無さんは、談笑していた時とは打って変わって真剣な表情に成った。

 

一夏「大体の予想は着きますけどね」

 

それに続いて、一夏も真剣な表情でそう言った。

 

楯無「あら、じゃあ言ってみてくれる?」

 

楯無さんにそう言われ、一夏は答えた。

 

しかしその内容に、私は度肝を抜かれた。

 

一夏「各国の女性権利団体アジト壊滅事件、でしょ?」

 

楯無「流石ね」

 

箒「ええ!?」

 

虚「ええ!?」

 

簪「ええ!?」

 

本音「ええ!?」

 

楯無さんが[正解]と書かれた扇子を開きながらそう言った。

 

それを聞いて、私達は驚きの声を上げた。

 

箒「一夏、どう言う事だ!?まさかお前、アマゾンだけでなく人間まで手に掛けているのか!?」

 

私は声を荒げた。

 

一夏「そう言えば、まだ言ってなかったな。その通りだ、俺はアマゾン狩りだけじゃなく、テロ組織、暴力団、立場を振りかざす卑劣な権力者を狩っている。特に、女性権利団体は徹底的にな。当然、命乞いは聞かない。聞く価値も無いからな」

 

そう語る一夏から、アマゾンと戦っている時と同じ重圧を感じる。

 

それに、背筋が寒い。

 

箒(これが殺気か!?生まれて初めて感じた。こんなに恐怖を感じるモノなのか!?)

 

私はふと、簪達を見た。

 

すると、楯無さんは顔を引き攣らせてはいたが、怯えた様子は無い。

 

しかし、簪、虚さん、本音はかなり怯えているように見える。

 

楯無「一夏君、殺気を消してくれるかしら。皆が怯えているわ」

 

一夏「!すみません。奴等の事を考えると、つい」

 

楯無さんに指摘され、一夏は殺気を消した。

 

殺気を消した後、一夏は楯無さんに尋ねた。

 

一夏「それで、俺が犯人だと目星を着けた理由は検討が着きますけど、楯無さんはどうするんですか?対テロ組織の当主として、俺を始末しますか?」

 

楯無「!!!」

 

簪「!!!」

 

虚「!!!」

 

本音「!!!」

 

私は一夏が最後に言った事が理解出来なかった。

 

対テロ組織、まるで映画に出て来そうな単語だ。

 

一夏の言葉を聞いた楯無さん達は、先程とは違い警戒しているような雰囲気に成った。

 

この状況に、私は頭が追い付かない。

 

すると、楯無さんが一夏を威圧しながら問い掛けた。

 

よく見れば、簪、虚、本音も似たような表情をしている。

 

楯無「何で一夏君が、私達の家系の事を知ってるの?」

 

一夏「裏社会で闘い続けていれば、当然の如く耳に入りますよ。それに、俺が誰のテストパイロットかお忘れですか?」

 

楯無「・・・あ!」

 

簪「・・・あ!」

 

虚「・・・あ!」

 

本音「・・・あ!」

 

一夏の答えに、少しの間を置いて4人共が間の抜けた声を上げた。

 

4人共が気付いた処で、一夏が話を戻した。

 

一夏「それで、俺を捕まえるにしろ殺すにしろ、俺もそれなりの抵抗はさせてもらうぜ」

 

一夏はそう言って、ベルトを出した。

 

すると、楯無さんが一夏の疑いを否定した。

 

楯無「そんな事しないわ。寧ろ、此方としても助かってるのよ」

 

一夏「どう言う事ですか?」

 

一夏は訝しんで楯無さんに聞き返した。

 

楯無「貴方が壊滅させた組織の中には、私達でもてこずるモノも有ったわ。でも貴方は、それを意にも介さず全滅させた。だから、ずっとお礼を言いたかったの。ありがとう」

 

満面の笑みでお礼を言う楯無さん。

 

一夏「なら良かった。もし逮捕、抹殺するなんて言われたら闘う羽目に成るかと思いましたよ」

 

そう言って、一夏はベルトを待機状態に戻した。

 

簪「一夏、凄く過酷な環境に居たんだね。じゃないと、あんな殺気は出ないよ」

 

簪が一夏に近寄りながらそう言った。

 

箒(確かに、簪の言う通りだ。過酷な環境、まさに修羅場をな)

 

私は本当そう思った。

 

一夏が纏う雰囲気は、異常だった。

 

あれは、全力の千冬さんより遥かに上だ。

 

すると、授業前の予鈴が鳴った。

 

キーンコーンカーンコーン

 

一夏「予鈴鳴ったな。そろそろ教室に戻りますか」

 

そう言った一夏を筆頭に、それぞれの教室に戻って行った。

 

箒(一夏、お前の隣に立てるのは何時に成るのだろうな。だが、何時か必ず)

 

私は密かにそう決意した。




と言う訳で、懲らしめ完了。

次回位で第一章が終わりです。

(1話か2話位)

鈴ちゃんファンの方はもう暫くお待ち下さい。

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