若干ですが無理矢理感が有るかも知れません。
一夏 side
トーナメントが終わったその日の夜。
食堂で代表就任パーティーが行われた。
1組女子「一夏君、代表就任おめでとう!!!」
俺が代表に成ってしまった。
理由は分かってる。
オルコットのISはダメージレベルC、クソ兄貴は医務室で養生中。
結果、消去法で俺に成った。
午後の授業が始まった時、ダメ姉から聞かされた。
山田先生が職員室に呼ばれたのは、学園長からのお達しが有ったからだ。
元々、俺は代表に成る事を禁止されていた。
理由は言うまでもなく、束姉のテストパイロットだからだ。
IS製作者のテストパイロットなんて、チートだと俺も思う。
その上、俺はアマゾンだ。
当然だけど、常人の範疇を越えている。
教師を含めて、IS学園の人間で箒、楯無さん、簪、虚さん、本音の5人以外は俺がアマゾンなのを知らない。
それに俺自身も、面倒だからやるつもりは無かった。
だけど、試合でヤり過ぎたせいで今に至る。
後で聞いたけど、オルコットはISが修理に1ヶ月、クソ兄貴は全治3ヶ月らしい。
何でも、内蔵へのダメージが酷いらしい。
一夏(まぁ、二重の極みを2発も打ったから当然か。観客が居たから、半殺しで留めたけど、居なかったら多分殺してたかもな)
俺はそう考えた。
口では気にしてないと言ってはいるが、やっぱり恨みは有る。
幼い頃からの執拗な虐め、極めつけはあの身代わりだ。
散々人を痛め付けた挙げ句、確実に殺されると分かってる誘拐の身代わりにされて、恨まない奴は居ない。
一夏(箒達には格好付けたけど、恨んでない訳がねえんだよな。俺はアイツに、地獄と言っても過言じゃねえ程の仕打ちを受けて来た。正直、あれでもまだ足りねえくらいだ)
俺はそう考えつつ、就任祝いを楽しんでいた。
すると、眼鏡を掛けた先輩らしき人が話し掛けてきた。
???「こんばんは、新聞部でーす。織斑くんを取材に来たんだけど、良いかな?」
一夏「構いませんよ。それと、名前を教えて貰って良いですか?」
俺がそう言うと、先輩は名刺を出しながら自己紹介した。
薫子「そう言えばまだ名乗ってなかったわね。私は
俺は差し出された名刺を受け取った。
そして、黛先輩のインタビューが始まった。
薫子「それでは、取材を始めます。織斑一夏君、代表に成った感想を聞かせて!」
一夏「まぁ成り行きで代表に成ってしまったけど、成ったからには全トーナメント勝ちに行きます」
1組全員「おおおぉぉぉ!!!」
質問に意気込んで答えると、1組の皆が声を上げる。
薫子「これは大きく出たわね。それだと生徒会長のたっちゃんも倒すって事だよ?」
[たっちゃん]って言うのは多分楯無さんの事だろうな。
結構仲が良いんだろうな。
一夏「こう見えても、俺ってかなりの喧嘩好きなんですよね。学園に来る前からかなりトレーニングしてますから」
俺は右拳を左手で包みながらそう答えた。
薫子「それは以外ね、大人しそうな顔してるのに。人は見掛けによらないわね」
一夏「(人じゃないけどな)そう思うなら、トーナメントの記録映像を見て下さいよ。そしたら分かりますよ、俺の喧嘩っ早さがね」
俺は黛先輩にそう言った。
不適な笑み浮かべながら。
薫子「そ、そう、なら後で見てみるわ」
若干引きながらそう言う黛先輩。
表情も引き攣っていた。
すると、食堂に楯無さん達生徒会メンバーと簪(本音は最初から居た)がやって来た。
楯無「あら、其処まで大きく出られると、私も負けられないわね」
一夏「楯無さん」
1組全員「生徒会長!!!」
薫子「たっちゃん!!」
いきなりの楯無さん登場に、俺以外の皆が驚いた。
一夏「どうしたんですか?生徒会長が態々来るなんて」
楯無「勿論、お祝いに来たのよ。そしたら、かなり面白い事 言ってるんだもの。私に勝つって事は、全学年の中で最強に成るって事よ」
かなり好戦的な笑みを浮かべながらそう言う楯無さん。
一夏「それを目標にするのも悪くないですね」
俺は立ち上がりながらそう返した。
楯無「あら、それって宣戦布告?」
一夏「解釈はご自由に」
すると、黛先輩が仲裁に入った。
薫子「ストップ!ストップ!2人共 雰囲気が怖いよ!!」
一夏「あ、無意識に闘気 出てた」(汗)
楯無「あ、無意識に闘気 出てたわ」(汗)
俺と楯無さんは言われてハモりながらそう言った。
その後、幾つか質問に答えた後に記念撮影する事になった。
最初は俺とオルコットだけだったけど、オルコットは何でか入って来なかった。
仕方なく俺だけになったけど、シャッターを押す瞬間に皆(オルコット以外)が入ってきた。
薫子「何気に集合写真になったわね。織斑君、ありがとうね」
一夏「いえ、大丈夫ですよ」
その挨拶を最後に、黛先輩は帰っていった。
それから俺は、厨房を借りて軽く10品の料理を作った。
箒以外の女子「おおおおぉぉぉぉ!!!」
ワゴンで運んでいる料理を見て女子達は驚愕の声を上げた。
一夏「まぁ簡単に作ったから味はそれほどでもないと思うけど。まぁ食ってくれ」
女子全員「いただきまーす!!!」
箒 side
一夏がワゴンで運んできた10品の料理に皆が群がっている。
悔しいが、一夏の料理の腕はプロ級だ。
(扱き使われて身に付いた技術)
私も料理はするが、一夏には勝てる気がしない。
私はふと見ると、食堂の入り口に千冬さんが立っていた。
ここ一週間の千冬さんを見てきたが、千冬さんは後悔しているようだ。
しかし、一夏の思いを考えるとあまり口出し出来ない。
私は一夏に視線を移すと、一夏は千冬さんを睨んでいた。
表情は鬱陶しいと言った感じに見える。
箒(どうにか千冬さんとだけは仲直りしてほしいな。あの
私がそう考えていると、一夏が私の隣に座った。
一夏「箒、お前が何を考えてるのかは分かる。・・・だけど、1度開いた溝は簡単には埋まらない。それにな、人喰いに成った奴を受け入れる奴はそうそう居ない。だから、このまま黙っててくれ」
そう言って一夏はオルコットの所へ行った。
私は一夏の言葉に疑問を抱いた。
箒(一夏は千冬さんを憎んでいる筈だ、自分を蔑ろにしてきた千冬さんを。此処は「余計な事はするな」の方が一夏の態度に合致する。なのに、今一夏が言ったのは「黙っててくれ」。一体どういう事なんだ?)
私の疑問は尽きない。
セシリア side
内心、政府に抗議されても仕方がない、罰を甘んじて受ける積もりでした。
ですが、皆さんに許してくれました。
何でも、彼との試合を見て気が晴れたとか。
ま、まぁ確かにあの連撃は異常でしたわ。(汗)
記録映像を見ましたが、スローで漸く動きを認識出来るレベル。
セシリア(格闘技とは奥が深いですわね。それにしても、彼を見ていると胸が高鳴って仕様が無いですわ。それなのに嫌ではないこの感じ。・・・これが恋ですのね)
切っ掛けは恐らく、彼の執念にも似た意思の込もった眼ですわ。
残された私はオルコット家を継ぎ、
その中で、IS適正が有る事が発覚してからと言うもの、世の男達は媚を売る者ばかりで嫌気が差していました。
それは
しかし事故が遭ったあの日、何故母は父と一緒に居たのか?
それは今となっては分からない。
一夏「オルコット、何で目立ちたがりのお前が撮影に入らなかったんだ?」
セシリア「お、織斑さん!!!いきなり後ろから話し掛けないで下さい!!」
一夏「悪い悪い。それで、何で入って来なかったんだ?」
織斑さんは謝罪の後に質問を繰り返しました。
セシリア「あれだけの暴言を言っておきながら、どんな顔をして入れと言うのですか?」
一夏「つまり後ろめたさが抜けないと」
織斑さんは
一夏「あのなぁ、もう皆は許してんだぜ。なのにお前がウジウジしてどうすんだよ?お前はあれか、自分が[言われた事]や[された事]をグチグチ引っ張るタイプか?」
セシリア「そんな事は有りませんわ!!!」
織斑さんの質問に、
しかし、織斑さんは態度を崩さず続けます。
一夏「なら切り替えろ。もうお前を咎める奴は居ないんだ。限り有る学校生活を楽しめよ!またな、オルコット」
織斑さんはそう言って立ち去ろうとしました。
セシリア「あ、あの!」
一夏「ん?」
セシリア「も、もし宜しかったら名前で呼んで頂けませんか?」
一夏「なら俺の事も一夏で構わないぜ、セシリア」
セシリア「よ、宜しくお願いしますわ、一夏さん///」
結果はまさかのOK!!!
しかも、彼の事も名前で呼んで良いと言ってくれました!!!
セシリア(一夏さん、
??? side
夜の7時頃、アタシはIS学園に到着した。
道が渋滞していて、予定より3時間も遅れちゃったわ。
係員「はい、これで手続きは終わりました。ようこそ、IS学園へ」
言い忘れてたけど、アタシはIS学園に転入してきた。
その手続きを済ませて、係員のお姉さんが笑顔で迎えてくれた。
???「ありがとうございます。アタシはなん組ですか?」
係員「貴女は2組ですね。それにしても今年の1年生は凄いわね。貴方を入れて国家代表候補生が3人よ!それに1組はテストパイロットの男の子も居るし。しかもクラス代表決定戦で、その男の子がまさかの1人勝ちしたって言うし!!私も見たかったわ!!!」
アタシの質問に答えた後、興奮しながらそう語る係員さん。
???「それで、1組のクラス代表って名前分かりますか?」
係員「確か名前が、織斑一夏君だったかしら」
アタシは係員さんの答えに心臓が止まるかと思った。
???「えええええええええええええ!!!!!!」
係員「ど、どうしたの!?そんな大声出して!?」
アタシはつい絶叫してしまった。
???「ご、ごめんなさい。アタシの幼馴染みと同じ名前だったから。それでその人って、もしかして織斑千冬さんの弟ですか?」
係員「何で知ってるの!?」
???「(これでハッキリしたわ)その人、アタシの幼馴染みです」
アタシはそう言って係員さんに最後の質問をした。
???「あの、2組のクラス代表ってもう決まってるんですか?」
係員「えぇ、全クラスが決まってるわ。それを聞いてどうするの?」
係員さんの疑問に、私は宣言した。
???「勿論、代わってもらう為です」
そしてアタシは手続きに来た際に貰った部屋の鍵に書かれた番号の部屋に向かった。
???「待ってなさいよ、一夏」
???←(もう誰かお分かりですよね)