と言ってもかなりクオリティは低いです。
もう1人の幼馴染み 苦肉の裏切り
一夏 side
クラス代表に成ってから2週間が過ぎた。
クラス代表は、言わば学級委員みたいなモノだ。
ISの試合だけじゃなく、教師の雑用もさせられる。
山田先生は兎も角、ダメ姉の言う事を聞かないといけないのはマジで腹が立つ。
でも、仕事と割り切って熟している。
すると本音が話し掛けてきた。
本音「ねぇいっち~、2組に転校生が来たの知ってる~?」
一夏「いや、知らないな。それにしてもこんな時期に転校って、随分と急だな?」
俺は浮かんだ疑問を口にした。
もう4月が終わり頃だってのに、転校ってのもいきなりだと思う。
セシリア「まぁ、それはそれで良いではありませんか。1年の専用機持ちは私と一夏さん、それに4組の簪さんだけですから。それでも一夏さんには敵わないと思いますが」
セシリアが俺をかなり高評価していた。
すると、教卓側の入り口から懐かしい声が聞こえた。
???「その情報 古いよ」
俺を含めたクラス全員がその方向を向いた。
鈴「中国の代表候補生、
決め台詞とばかりに右手で指を指し、左手を腰に置いて、おまけにどや顔のお約束ときた。
一夏「鈴、何 格好 着けてんだ?スッゲェ似合わねえぞ!」
鈴「な、何言ってるのよぉバカ!!」
鈴がそう言った瞬間、アイツが鈴の頭に拳骨を入れた。
ゴン
鈴「痛ううぅ!!!何すんのy」
鈴が抗議しようとしたが、ソイツの顔を見て固まった。
千冬「チャイムが聞こえなかったのか?」
鈴「ち、千冬さん」(汗)
鈴は思わずダメ姉の名前を言う。
千冬「学校では織斑先生と呼べ。それより退け、邪魔だ」
鈴「は、はい」
鈴はすっかりしょげてしまった。
一夏「鈴、昼に食堂で話すから待ってろ」
鈴「分かったわ、逃げるんじゃないわよ!」
鈴はそう言って教室に戻った。
一夏「まったく、騒がしいのは相変わらずか」
千冬「織斑、懐かしんでないでさっさと座れ」
俺が鈴への感想を呟くと、ダメ姉がそう言って座るように促す。
一夏「チッはいはい、分かりましたよっと」
千冬「・・・」
俺はわざと舌打ちをしてから返事をして席に座った。
いつもなら此処でタブレットチョップが飛んできそうなんだけど、何故かダメ姉は黙ったままだった。
NOside
一夏と鈴のやり取りを見ていた箒とセシリアは
箒(一夏め、あの女は誰なんだ!?随分と親しそうだったが?まさか、姉さんが居ながら二股か!?)
セシリア(一体誰なんですの!?随分と親しい雰囲気でしたけど、まさか一夏さんの恋人ですの!?)
そんな思考を巡らせていると、千冬のタブレット制裁(鬼の折檻)が2人の頭に炸裂した。
ガンッ
ガンッ
箒、セシリア「痛!!」
千冬「私の授業はそんなに退屈か?」
黒い笑顔でそう2人に言った。
箒、セシリア「す、すみませんでした」(汗)
吃りながら謝る2人。
一夏(だから頭をタブレットで殴るのやめろっての。まぁ、上の空だった2人も悪いけどな。でも何時かは止めさせないとな、何時かかち割りそうだからな)
一夏は内心そう考えていた。
一夏 side
午前の授業を終えて、俺、箒、セシリアで食堂に向かった。
鈴は一足早く食堂に行ったみたいだ。
鈴「遅いわよ一夏!!」
食堂に入った直後、鈴がそう叫んだ。
一夏「仕様がないだろ、順番なんだから。食券買うから、席取っといてくれ」
鈴「分かったわ、早く来なさいよ」
箒「・・・」
セシリア「・・・」
俺は鈴に席取りを頼んで食券を買った。
その時、箒とセシリアが俺を睨んでいた。
一夏(何か睨まれてるな。箒は分かるが、セシリアは何でだ?・・・まさかな)
俺は浮かんだ仮説を消して厨房に食券を渡した。
俺は両手にトレイを持って鈴が確保してくれているテーブルに向かった。
一夏「待たせたな。列が混んでて時間が掛かった」
鈴「行列なら仕方ないわね。って言うか、アンタそれ1人で食べるの?」
鈴が納得した直後に俺のトレイに乗った昼飯に突っ込んだ。
仕方ないよな、何しろ2枚のトレイに丼ぶりと平皿がそれぞれ1つづつ乗っている。
メニュー
親子丼
掛け蕎麦
豚のしょうが焼き
牛カツ
一夏「まぁな。このくらい食わねえと力 出ねえし」
俺は鈴の突っ込みに答えて隣に座った。
鈴「それにしても驚いたわ。ニュースでは
一夏「俺の場合は2番目って事になってたからな。それで政府が報道規制したんだろ(実際は束姉が黙らせたんだけどな)」
鈴がテンション高めに話だし、俺はそれに普通に答えた。
一夏「それにしても久しぶりだよな。中1の時に連れ去られて以来だからな」
鈴「まったくよ!無事だったんなら連絡くらいしなさいよ」(怒)
一夏「(まずい、地雷 踏んだ)仕方ないだろ、日本じゃ俺は死んだ事になってたんだ。下手に連絡なんか出来ねえだろ」
鈴「それは、そうだけど」
俺はなんとか言い訳を絞り出した。
実際に戸籍上は誘拐後1年で死亡 扱いになった。
後から束姉が調べた処、日本政府がダメ姉の秘書に口止めしたらしい。
最初こそクソ兄貴が誘拐されたと報告を受けて焦ったが、クソ兄貴が無事だと知って態度を翻した。
一夏(アイツらも何時かは狩らないとな)
俺がそう考えていると、鈴に肩を叩かれた。
鈴「ちょっと一夏、聞いてるの?」
バチンッ
一夏「悪い、考え事してた」
鈴「もう、ちゃんと聞きなさいよ。放課後に模擬戦しない?」
鈴がそう聞いてきた瞬間、隣のテーブル席に座っていた箒とセシリアが俺達の所のテーブルを両手で叩きながら問い詰めてきた。
バンッ
箒「おい一夏!!いい加減ソイツとの関係を教えろ!!!」
セシリア「そうですわ!!まさか一夏さん、その方とつつつ、付き合ってますの!?」
鈴「い、いや!あ、アタシは///」
セシリアの問いに狼狽える鈴。
一夏「(まさかと思ってたけど、セシリアもか。箒に鈴といい、俺なんかの何処が良いんだ?)期待に答えられなくて悪いけど、俺と鈴は残念ながらそういう関係じゃない。箒と同じ幼馴染みだ」
俺は的外れであって欲しかった仮設が的中した事に内心疑問を抱きながら2人の質問に答えた。
箒「なんだ、そうなのか」(ホッ)
セシリア「そういう事でしたのね」(ホッ)
鈴「・・・」(ムスッ)
ホッとする2人とは対照的に、不貞腐れる鈴。
一夏「鈴には少し話したと思うけど、篠ノ之 箒。箒はファースト幼馴染みで、鈴はセカンド幼馴染みって処だ」
箒「ファースト///」
箒は嬉しそうにそう呟いた。
どうやら1番目だったのが嬉しいみたいだ。
一夏「おじさんとおばさん元気か?」
鈴「うん、元気だと思う」
俺が鈴の両親について聞くと、鈴の顔色が急に変わった。
どうやら聞いたらダメだったみたいだ。
一夏「模擬戦に関してはまた今度な。対抗戦まで予定入れちまってるからよ」
鈴「何よ、アタシの誘いを断るって言うの!?」
一夏「パワハラ上司かお前は。それにお楽しみは後に取っときたいしな。後、俺は箒とセシリアとの訓練が有るんだ。観戦するのは良いけど、乱入は止めてくれよ」
鈴「・・・分かったわよ」
納得がいかないという表情で渋々頷いた。
一夏「悪いな、今度 何か奢るからそれで許せ」
鈴「分かったわ、アンタの財布空にしてやるから!!」
一夏「お前は俺を餓死させる気か」(汗)
鈴「冗談よ」
そんな漫才の後、食い終わった俺達は各々の教室に戻った。
▼
俺は放課後の訓練を終えて、更衣室のベンチで一息着いていた。
すると、鈴が温めのスポドリを差し出してきた。
鈴「はい、スポドリは温めで良かったわよね」
一夏「ありがとな丁度喉がカラカラだったんだ」
そう良いながら受け取ってスポドリを煽った。
すると、鈴が顔を赤くしながら問い掛けてきた。
鈴「い、一夏。中学に入ったばかりの頃に言った事、覚えてる?///」
一夏「あぁ、覚えてるよ」
俺は一言そう答えた。
中学に入って1週間が過ぎた時の事だった。
━回想━
夕暮れの教室で、俺は鈴に呼び止められた。
鈴「一夏、アタシの料理が上手くなったら、毎日アタシの酢豚食べてくれる?///」
鈴はモジモジしながらそう言ってきた。
一夏「まぁ食わせてくれるのはありがたいな。待ってるぜ、鈴」
俺はただ食わせて貰えると思ってそう返した。
━回想終わり━
当時は恋愛の[れ]の字も分からなかったせいで、鈴に思わせ振りな返事をしてしまった。
一夏「あれってお前なりのプロポーズだったんだよな。あの時はただ食わせてくれるだけだと思ってた」
鈴「この唐変木・・・って言いたいけど、気付いてるから許してあげるわ」
俺が正直に当時の心情を言うと、鈴は最初こそ怒ったような表情をしていた。
けど、すぐに笑顔でそう言った。
一夏「鈴の気持ちは[男として]は凄く嬉しい」
俺がそこまで言った処で
鈴「じ、じゃあ///」
どうやら[yes]と確信したのか、喜びの表情を浮かべて聞いてきた。
一夏「(この表情をドン底に落とさなきゃいけないなんてなぁ。ごめんよ、鈴)期待している処で申し訳ないけど、[男としては]って話だ」
鈴「え?」
俺が鈴の予想を否定した瞬間、鈴は鳩が豆鉄砲を食らったような顔に成った。
一夏「鈴の想いに気付いたのは・・・初恋の人に想いを伝えた後だったんだよ」
俺は拳を握り締めながら、鈴に俺の近況を伝えた。
あらかた察していた箒と違って、鈴は絶望した表情に成っていく。
こんな顔を見るのは(元)人として辛い。
それが昔から想ってくれていた幼馴染みなら尚更だ。
鈴「・・・」
鈴は黙ったまま何も言わなかった。
いや、[言葉が出ない]と言った方が良いかもしれない。
一夏(多分だけど、鈴は葛藤してるんだろうな。[裏切られた事への怒り][想いが届かなかった事の哀しみ]そんな感情の鬩ぎ合いで、言葉が出ないんだろうな)
俺は鈴の心理状態を読み取った。
俺は闘い方と同時に、読心術も習得している。
闘いにおいて、先読みは重要な技術だ。
だが今は、その培った技術が辛い。
手に取るように鈴の考えが読めてしまう。
鈴「一夏、アタシの前に立って」
俺はこの時、鈴が何をしようとしているのかをすぐに察した。
一夏「分かった」
分かった上で、俺は鈴の前に立った。
そして立った瞬間
ガキンッ
鈴に思いっきり殴られた。
しかも右腕にISを部分展開して。
普通の[人間]なら首が折れていても可笑しくない。
感情的になって力加減を忘れたんだろうな。
顔は痛くないけど、心が痛い。
鈴「アンタなんて大っ嫌い!!!」
俺を殴った鈴は逃げるようにその場から走り去って行った。
一夏「ごめんな、鈴。俺は最低だ、思わせ振りな返答しておいて、こんな形で裏切って。でも、血に染まった俺なんかとは付き合わなくて良い。これで良いんだ」
俺は言い聞かせるようにそう言った。
はい、今回は此処までです。
幼馴染みを2人も降った一夏。
分かってはいても、一人を選んだ男の定めである。
次回の更新は何時になるやら。
誰か才能を分けてくれ!!!(切実に)