アマゾン・ストラトス   作:I S S E I

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お待たせしました。

今回少し長めです。

それでは、本編どうぞ。


友情 転機

一夏 side

 

俺は変身を解いた後、店に入って親父さんの遺体をブルーシートに包んだ。

 

その間、一切の会話が無かった。

 

表情を見る限り、恐怖というより現実を受け入れられないって感じだな。

 

一夏「怖がらねえのか、お前ら」

 

弾、蘭「・・・」

 

俺が2人にそう聞いたけど、2人は黙ったまま答えなかった。

 

一夏「親父さんを亡くした事は、他人の俺には気休めも言えない。だけどな、厳さんと蓮さんが今のお前達を見たらさらに悲しむぞ。親父さんが喰われたなんて知ったら、蓮さんは多分倒れる。そんな中、2人を支えられるのはお前らだ。だから、親父さんの分まで生きろ」

 

俺は2人を自分なりに励ましたつもりだ。

 

弾「お前は何時からそんな重い台詞を言うように成ったんだ?」

 

弾は呆れながらそう聞いて来た。

 

蘭「相変わらず、一夏さんは優しいですね」

 

蘭はまだ涙目だけど、笑顔でそう言った。

 

一夏「最初の質問を繰り返すけど、お前ら怖がらねえのか?」

 

余りにも昔と変わらない話し方をする2人に、俺は最初の質問を2人にまた聞いた。

 

弾「確かに、最初は本当にお前なのかと疑っていた。でも話してる内に、アマゾンに成ってもお前はお前だと分かった。お前は正真正銘、織斑一夏だ」

 

一夏「ありがとな、弾」

 

弾の言葉を聞いて、俺は涙腺が緩んだ。

 

やっぱり親友ってのは、種族が変わっても変わらねえな。

 

蘭「一夏さん、私も最初はお兄と同じでした。でも、一夏さんの励ましを聞いて分かりました。やっぱり一夏さんは変わらず優しい人だと、だからこれからも仲良くして下さい」

 

一夏「ありがとな、蘭」

 

嬉し過ぎてそれしか言えなかった。

 

この2人は、束姉、箒、そしてもう1人の幼馴染みの他に俺と仲良くしてくれた数少ない絆(つながり)だ。

 

弾「何泣いてんだよ。俺達は当たり前の事言っただけだぜ。それに、礼を言いてえのは俺達の方だぜ」

 

蘭「そうですよ、一夏さん」

 

一夏「礼って何だよ?」

 

2人はそう言うが俺は礼を言われる事をした覚えが無い。

 

弾「親父の仇を取ってくれて、ありがとな」

 

蘭「お父さんの仇を取ってくれて、ありがとうございます」

 

2人はハモってそう言った。

 

一夏「確かに、結果的にはそう成ったな。俺も親父さんには良くして貰ったし」

 

2人の意図が分かって、俺はそう返した。

 

弾「話は変わるけど、お前今何処に住んでんだよ?」

 

弾が突然そう聞いて来た。

 

一夏「所在は言えねえけど、俺は今ある人に保護されてるんだ」

 

弾「保護、誰にだよ?」

 

俺がそう答えると、弾が訝しむ表情で聞いて来た。

 

蘭「お兄、余り質問攻めするのは良くないよ。一夏さんにだって言えない事ぐらい有るし」

 

そう言って、蘭が弾の質問を止めた。

 

その時、厳さんと蓮さんが帰って来た。

 

厳「な、何が遭ったんだ!!!」

 

蓮「弾、蘭、貴方達怪我は無い!?」

 

厳さんは状況が分からず、蓮さんは弾達を心配していた。

 

厳「そう言えば、(そら)はどうした?」

 

蓮「確かに、あの人は何処かしら?」

 

弾「・・・」

 

蘭「・・・」

 

2人が親父さんが居ない事に気付いて、そう言った。

 

それを聞いて、弾達は俯いて黙っていた。

 

弾「親父は、アマゾンに喰われた」

 

厳「は?」

 

蓮「え?」

 

弾が親父さんの事を言うと、2人は間の抜けた声を出した。

 

厳「おい弾、余りふざけた事言うと殴るぞ」

 

蓮「そうよ、縁起でもない事言わないでよ」

 

やっぱり信じられない様子で否定的な2人。

 

蘭「嘘でも冗談でもないよ、2人共」

 

厳「・・・」

 

蓮「・・・」

 

一夏(俺、完全に空気だな。ま、気配消してるから仕様が無いけど)

 

五反田一家の会話を眺めながら、俺はそう思った。

 

厳「ほ、本当なのか?空が喰われたって」

 

蓮「貴方達、エイプリルフールにはまだ早いわよ」

 

厳さんは受け入れかけてるけど、蓮さんはまだ現実逃避していた。

 

弾「座敷の所にブルーシートで包んである。でも余り見ない方が良いと思う、喰い千切られててグロいから」

 

弾は後ろを見ながら2人にそう言った。

 

蓮「あ、あなた」 ガクッ

 

ガシッ

 

すると現実を突き付けられた蓮さんは、予想通り気を失った。

 

予想が着いてた俺は、蓮さんの肩を抱くようにして支えた。

 

厳「て、てめえは!!!」

 

すると厳さんは、俺の顔を見て憤怒の形相で俺を睨む。

 

その原因は、第2回モンドグロッソが行われる1ヶ月前の事。

 

俺が五反田家に遊びに行った時の事だった。

 

その時、屑兄貴が何故か無理矢理付いて来た。

 

そして蘭が1人で部屋に居る時に押し入って、蘭をレ〇プしようとした。

 

口を塞がれる前に悲鳴を上げた為、弾と厳さんが駆け付けて事無きを得た。

 

それ以来、屑兄貴は五反田家に出入り禁止に成っている。

 

厳さんが俺の顔を見てキレてるのは、それが理由だ。

 

一夏(やっぱ、双子ってのはこういう時に不便だな)

 

俺がそう思ってると、厳さんが殴り掛かって来た。

 

厳「貴様、どの面下げて此処に居やがるんだ!!!」

 

俺はそれを、左手で受け止めた。

 

ガシッ

 

俺が止めた所で、弾と蘭が厳さんを止めに入った。

 

弾「待て待て爺ちゃん。コイツはあの屑じゃねえ、一夏だ」

 

蘭「そうだよお爺ちゃん。似てるのは分かるけど待って」

 

厳「は、一坊(いちぼう)?」

 

一夏「お久しぶりです、厳さん」

 

厳さんが我に帰った所で、改めて挨拶をした。

 

厳「一坊、お前何時帰って来たんだよ!?」

 

一夏「帰って来た訳じゃないんです。ちょっと、野暮用でね」

 

厳さんの当然の質問に、俺はそう答えた。

 

厳「野暮用って何だよ?」

 

俺の答えに、厳が食い付いて来た。

 

俺は蓮さんを椅子に座らせながら答えた。

 

一夏「・・・アマゾン狩りです」

 

厳「・・・は?」

 

俺がそう答えると、厳さんはまだ間の抜けた声を出した。

 

すると、弾が間に入って厳さんに言った。

 

弾「そう言えばまだ言って無かったな。親父を喰ったアマゾンは死んだぜ」

 

厳「だ、誰が倒してくれたんだ!?」

 

弾の言葉に、厳さんは動揺しながらも嬉しそうな表情で弾に聞いた。

 

一夏(まぁ弾達に知られたし、厳さんに知られても問題は無いか)

 

俺は弾が言おうとしてることを察してそう思った。

 

弾「仇を取ってくれたのは、一夏だよ」

 

厳「おい弾、人間が丸腰でアマゾンに勝てる訳が有るか」

 

厳さんは弾の言葉を信じなかった。

 

だけど、弾の次の言葉に厳さんは度肝を抜かれた。

 

弾「一夏は、アマゾンに成ったんだ」

 

厳「はあ!?」

 

厳さんの反応は間違いじゃない。

 

久しぶりに会った顔馴染みが人喰いの化け物に成ったなんて、そりゃ信じたくないよな。

 

すると、厳さんが俺に聞いて来た。

 

厳「一坊、今の話は本当か?」

 

一夏「本当ですよ、厳さん。俺は今アマゾンです」

 

厳「・・・」

 

俺が答えると、厳さんは黙ってしまった。

 

少しの沈黙を破って、厳さんが口を開いた。

 

厳「一体お前に何が遭ったんだ?」

 

弾「それは俺も気になってた」

 

蘭「私もです」

 

厳の問い掛けに、2人も食い付いて来た。

 

一夏「分かった、順を追って話す」

 

一夏説明中

 

厳「あの、クソガキ!!!」

 

弾「何処まで性根が腐ってやがるんだ!!!」

 

蘭「ひ、酷すぎる!」

 

俺の話を聞いて、厳さんと弾は憤慨し、蘭は涙目に成っていた。

 

一夏「今は別に気にしてねえよ、アイツ等の所に戻る気なんて更々無いしな。それに、皆ともこうして再会出来たんだ。今はそれで良い」

 

俺がそう言うと、厳さんが鼻で笑った。

 

厳「フン、あの鼻っ垂れ小僧が随分と成長したな」

 

と嬉しそうな表情でそう言う厳さん。

 

一夏「そんじゃ、俺はそろそろ帰るぜ。それと次からは、またちょくちょく飯食いに来るよ」

 

俺がそう言うと、厳さん達が見送ってくれた。

 

厳さん「おう、何時でも来な。お前ならサービスしてやるよ」

 

弾「親父の事、マジでありがとな。また来いよ、親友」

 

蘭「一夏さん、またお会い出来て嬉しかったです。またお会い出来る日を楽しみにしています」

 

三者三様言葉を送ってくれた。

 

一夏「それじゃまた、蓮さんにも宜しく伝えて下さい」

 

厳さん「あぁ、伝えとくぜ」

 

厳さんの答えを聞いて、俺はバイクに乗って五反田家を後にした。

 

五反田一家 side

 

(ナレーションnoside)

 

一夏が五反田家を去った後、蓮が目を覚ました。

 

蓮「うぅん、あれ此処は?」

 

厳「お、目が覚めたか」

 

目覚めた蓮に気付いた厳が声を掛けた。

 

蓮「お父さん。私、何で寝てたんだっけ?」

 

まだ寝惚けながらも、状況を確認する蓮。

 

厳「空が死んだと知ったショックで気絶したんだ」

 

蓮「・・・あなた」

 

再度知らされた事実に、蓮は泣き始めた。

 

それを見た弾が、蓮に話し掛けた。

 

弾「お袋、そんなに悪い話ばっかりじゃねえぞ」

 

蓮「どういう事?」

 

弾の言葉に、蓮は涙を拭いながら聞いた。

 

弾「親父の仇を取ってくれた奴が居るんだ」

 

蓮「だ、誰なの!?」

 

弾の吉報を聞いて、蓮は立ち上がりながら聞いた。

 

弾「その前に、一夏の事覚えてるか?」

 

蓮「一夏くん?えぇ、覚えてるわよ。弾と同じ中学の子よね」

 

覚えている事を確認した弾は、蓮に告げた。

 

弾「その一夏なんだよ、親父の仇を取ってくれたのは」

 

蓮「その話、もっと詳しく聞かせて」

 

恩人の正体を知った蓮は、驚いていた時とは打って変わって真剣な表情に成った。

 

弾「わ、分かった」

 

厳、蘭「・・・」

 

蓮の豹変ぶりに、3人は戸惑っていた。

 

そんな中、弾は一夏から聞いた事を蓮に話した。

 

蓮「そう、そんな事が」

 

厳「あっさり受け入れるんだな、お前」

 

蓮のリアクションを見て、厳がそう言った。

 

蓮「恩人の事を疑うなんて失礼よ。それにしても、一夏くんも気の毒ね。実の兄にそんな事されるなんて」

 

弾「あぁ、アイツは何かに付けて一夏を虐めてたしな。で、姉の方も仕事を理由にSOSを無視と来た。マジで最低な姉兄(きょうだい)だ」

 

蘭「お兄の言う通りだね。助けを求めてる人を無視するなんて、人としておかしいよ。況してや弟の助けなら尚更だよ」

 

厳「そうだな。それに、あのクソガキの身代わりにされたってのも腹が立って仕様がねえぜ。弟を自分の替え玉にした挙げ句、のうのうと帰国して来やがって」

 

と、各々が織斑姉兄への怒りを語った。

 

一夏 side

 

俺がラボに戻ると、束姉が慌てて来た。

 

束「いっくん、大変だよ!!!」

 

一夏「どうしたんだよ束姉?」

 

束「とにかく早く来て!!!」

 

俺が聞くと、束姉は俺の手を引がらそう言った。

 

俺は訳が分からないまま、モニタールームに連れて来られた。

 

一夏「どうしたんだよ、いきなり?」

 

束「とにかくこれを見て!!」

 

俺が聞くと、束姉はそう言ってモニターを着けた。

 

其処に写っていたのは、さっき五反田食堂前での闘いだった。

 

俺は束姉に聞いた。

 

一夏「これって束姉が撮ったモノじゃないのか?」

 

でも、束姉は否定した。

 

束「違うよ。これはユー〇ュー〇にアップされた映像だよ」

 

一夏「マジかよ」

 

事実を聞いた俺は、額に手を当てて呟いた。

 

一夏(これで、俺がアマゾンだって事が世界に知れた。顔まで映ってるから、これをもし屑2人が見てたらマズいな。これからは動きにくくなる)

 

俺が今後の事に付いて考えていると、束姉がとんでもない事を言い出した。

 

束「ねぇいっくん、私のテストパイロットに成ってくれない?」

 

 

一夏「は?・・・あ、何か察した」

 

最初は「何を言ってるんだ?」と思った。

 

でも、狩りに行く前に言ってた専用機の件を思い出して察した。

 

一夏「もしかして、IS学園に行けって事か?」

 

束「お!流石いっくん。察しが良いね」

 

まさかと思って確認すると、案の定の答えが返って来た。

 

束「いっくんのスタイルに合わせた専用機を今作ってるから、いっくんはISの基礎を勉強しといてね」

 

束姉が笑顔でISの参考書を渡しながらそう言って来た。

 

一夏「決定事項なんですね分かります」

 

俺は呆れてそう言った。

 

こうして俺は、ISの勉強を束姉とマンツーマンで行った。

 

そして1ヶ月半後、俺はIS学園に入学した。




いよいよ次回から原作です。

いよいよ一夏の快進撃が始まります。

一夏がアマゾンだと知った一夏を知る者のリアクションをお楽しみ下さい。

それでは、次回もお楽しみに
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