番外編1:イレギュラー
別世界から、人を救うという名目で別世界の神々が送り込んだ戦士達。
いずれもが凄まじい力を持ち、神々おも相手取れる猛者だ。
・・・・・・だが、世界と世界を繋げ過ぎたせいで、一つの、世界と世界を繋ぐ小さな、本当に小さな、神ですらも気がつかないくらいの綻びが一瞬だけできた。
・・・・・・できて、しまったのだ。
これは、そんな綻びに運悪く吸い込まれ、そして、幸運な事にその綻びを通る時に神々が使った力の余波をもろに受けて、神々が直接送り込んだ戦士と同じような力を手にした、神々もその存在を認知していなかった
*
[日本のどこか/九月中旬]
「ここは何処なのだろうか・・・・・・」
急にブラックホールのようなものが表れたかと思えば、吸い込まれて気がつけば全然知らない場所にいた。
・・・・・・これは流石のボクも想定外だね。若いなりにこの世の事象全てを知ったつもりになってはいたが、まさかこんな超常現象が起こるなんて。
それで、この場所は・・・・・・何だかとても、寂れた場所だ。
道路のアスファルトはめくれ、ひび割れて、ビルそのほかの建物は倒壊したりして、草木や苔が繁茂している。
ところどころに湖のように水が溜まっていて、中天に輝く太陽の光をキラキラと反射している。
まるで終末系現代ファンタジー小説の世界にでも来たみたいだ。
「まさか、このボクが小説の主人公のが遭うような事象に遭遇するとはね・・・・・・なぜだろう。凄く今、気分が高ぶっているよ」
まあ、パラレルワールドか未来かは知らないが、ワクワクしないわけが無かった。
家とか食料とか、一瞬沸き上がったそんな心配も心の外に追いやって、今はこの世界を見てまるで子供のようにはしゃいだ。
「ハハッ・・・・・・アハハッ・・・・・・良いじゃないか。これでチートな特典とやらもあれば最高なんだけれどね」
思わずポロッとこぼれ出たそんな言葉。
でもまあ、流石にそんな御都合主義はないだろう。
・・・・・・どうやらボクは、この終わりかけの世界で一人で、この身一つで生きていかねばならないらしい。
軽く絶望だね。でも、そんな事をしているよりは先ずは・・・・・・
「食料を確保しないとね・・・・・・」
生きるために行動を起こそうか。
*
「無いなぁ・・・・・・」
『ふわふわと、浮遊しながら』食料になりそうなものを探す。
透けて通り抜け、なんかも出来て、更に黒と紫の間の色のようなクローも出すことが出来て、そして自分の影を操作出来て・・・・・・
少々歩いていたら、自分が都合の良い力のようなものを持っている事が解ったのだ。
どうにも、ボクの見立てからするに、クローは『シャドークロー』、影を操るのは『かげうち』って感じだと予想できた。
そして、通り抜けなんかもできるから、ボクがポケットモンスターに登場するゴーストタイプの力と技を持っている事が把握できた。
試してみたら、『シャドーダイブ』も出来たから、これは確定で良いだろう。
問題が一つだけあって、技のPPについてだが、それもボクが覚えている限りのゴーストタイプの技をPP以上の回数使ってみて使えた為に、PPは限りが無いという事が判明してとてもチートだと思った(小並感)。
特性もあれば嬉しいのだが・・・・・・そう思いつつ、食料になりそうなものを探していれば、急に何かがボクの方に向かって飛んで来た。
「うわっ!?」
目が点になり、驚く。
そこには、真っ白い、口だけの化け物が数匹いた。
・・・・・・ここで、だ。
普段の、冷静なボクであれば、絶対にしないような事をボクはこの時考えてしまった。ああ、冷静な時のボクがいたら、この時のボクの頭におもいっきりゲンコツをかましていただろうね。
「食料発見・・・・・・!」
化け物が少し、後退りしたように見えた。
ゴーストタイプ君。