彼等は総じて化け物(モンスター)である   作:千点数

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 バレンタインデー後のちょっとしたネタ的な感じの扱いの秘話です。
 なので短いです。


超*番外編!!:ホワイトデーを忘れた、とある少年

*1

 

 さて。

 バレンタインデーから丁度一ヶ月。

 

 そう、ホワイトデーである。

 男から女の子にお返しのチョコレートを送る日。

 

 それが、今日である。

 

 そう、今日なのだ。

 

 あの、幽君真っ茶色事件、及び体育館裏チョコレート大爆発事件から後も荒れに荒れ、狂いに狂ったバレンタインデー。

 

 今日という日が勿論、荒れず、狂わない訳がなく・・・・・・

 

 

 

*2

 

 一例を見てみよう。

 

 スポットライトが、一人の女の・・・・・・げふんげふん、男の子を照らす。

 

 釘宮天地。

 年齢は十四歳。肩下まで伸びた艶やかな黒髪、クリッとした大きな目、真っ白い肌、可愛らしい童顔、胸以外の出るところは出、引っ込む所は引っ込んでいるスタイルと、女の子が羨むような容姿を持った男の子である。

 

 「ナレーション後で表出ろ」

 

 現在、勇者五人、そして巫女一人をたらし込み、毎晩隅々まで頂かれている。

 

 「言い方ァ! つーか離せ! 俺はなんで椅子に鉄鎖で括りつけられてるんだよ!? そして、此処はどこだぁああああああああああ!!」

 

 さて。この釘宮天地君。

 今日という日をスッカリ忘れ、板チョコレートの準備さえもしなかった大罪人だ。

 

 「そ、それは・・・・・・そのぉ・・・・・・つか、さっきの質問に答えろぉ!」

 

 だまらっしゃい。

 本当に、バレンタインデーには六種類様々な甘いものを貰ったというのに、とても嘆かわしい限りである。

 

 「甘いもの? はっはっはっ、ありゃ重いものの間違いだろ」

 

 バレンタインデーに貰ったものはちゃんとお返しを用意しなくちゃあならない。常識だ。

 という訳で、コイツには今からホワイトデーのお返しとしてお返しになってもらうとする。

 

 「はぁ、俺がお返し・・・・・・は?」

 

 黒服の皆様、やっておしまいなさい。

 

 「いや、オイ、待て何処に手ぇかけてんだオイ、待って待って待って待って待って待って待って待ってぇえええええええ!」

 

 済みましたか?黒服の皆さん、お疲れ様です。

 では、ご覧いただこう。

 手にはハート型のチョコレートを持ち、身体を腕で隠すように抱えながら涙目でプルプルと震える、下着姿に全身リボングルグル巻きの男の娘の完成だっ!

 

 「ぜってーナレーション潰す、ぜってー潰す」

 

 では、此処にあの六人を投入してみるとしよう。

 

 「あれ? 何処だろうここ?」

 「剣道場に先程までいたのだが・・・・・・」

 「神樹様が何かしたのかしら」

 「神託が来ていないのでその線は薄いかと・・・・・・」

 「た、たまっち先輩、あそこ・・・・・・」

 「へ? 何鼻息荒くしてるんだ? あんず・・・・・・!?」

 

 気がついたようだ。

 皆、エサを前にした獣のような目をしている。

 

 ああ、皆。我慢出来ないならその先に大きなベッドがあるお部屋があるからそこで・・・・・・

 

 「あ、ちょ、やめて若葉!? お姫様抱っことか恥ずかしいっ、ちょ、耳を舐めるな杏! 友奈、助けーーーーダメだ! 理性が飛んでやがるっ。ちょ、ナレーター、テメェ絶対に許さねぇ・・・・・・!」

 

 悲鳴と嬌声が入り混じった声が、扉の奥から聞こえた。

 さて、馬に蹴られる前に退散するかね。

 

 

 

*3

 

 「あいつ、ホワイトデーのお返し忘れたってさ」

 『オイオイオイ、あいつ死んだわ』




幽君真っ茶色事件、及び体育館裏チョコレート大爆発事件については気にしないで下さい。

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