彼等は総じて化け物(モンスター)である   作:千点数

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14:休息

 [北海道/十一月中旬/昼]

 

 俺と雪花、そして子供達は、時々ガソリンスタンドの廃屋から軽トラの燃料であるガソリンを拝借したり、町の廃墟で生存者の確認をしつつ使えそうなものを探したりしながら過ごしていた。

 

 さて、そんなある日だ。

 

 「よっしゃ、んじゃ行くぞ・・・・・・まずここをこうしてっと・・・・・・おいガキ共そこの鉛蓄電池って平仮名で大きく書いてある箱持ってこい。これとそれの線繋げるから」

 「ばんちょーりょーかい!まかせろー!」

 「まかせー!」

 「俺もやるぜ」

 「ん、しょ!」

 「重いなこれ」

 「わっせ、わっせ!」

 

 子供達は今日も元気一杯だなぁ、何て思いつつ、持ってきてもらった蓄電池に、今までかき集めた廃材から作った、ところどころ回路基盤剥きだしの、ディスプレイやら何やらが繋がっているとある機械のプラグを繋げる。

 

 ・・・・・・ッガガピー・・・・・・ガチャ。

 

 そして、スイッチを入れたら、所々にあるLEDが光り、雑音が機械から鳴る。

 

 「いよし、完成。あとはこれ繋げて、周波数を合わせてっと・・・・・・」

 

 ・・・・・・ザザッ・・・・・・『お、繋がった。やっほー、聞こえる鬼十郎君?聞こえてたら成功だよー』・・・・・・ピー・・・・・・。

 

 「・・・・・・・ぃよし、成功。これであとは通信飛ばしつつ反応あるかどうかを観察するって感じだな」

 

 作ったのは、なんと通信機。

 街中で拾った幾つかのトランシーバーと車の鉛蓄電池、そのほか瓦礫まみれの電気屋で拾った、少し外装がハゲてるが使えそうなノートパソコンにタブレット、液晶画面にカラオケの跡地で拾ったマイクと小型のスピーカーを繋げて作った、即席のものだ。

 

 実は今日、電波塔とアンテナが近くにある廃屋を町外れに見つけ、『しばらく潜伏するにはちょうど良い』という感じで潜り込んだのだ。

 バーテックス共は、町の中心部や神社があるような場所に多くいるが、町外れの、何も無い感じの場所・・・・・・例えば、こういう科学技術的なものがぽつんとあるだけ、みたいな場所にはあまり化け物がいなかった。

 

 長旅で疲労が蓄積している子供達の為にも、少しの休息を取った方が良いというのと、俺と雪花も疲れていることは確かだったのでまあ、しばらくここで生活することになるだろう。

 設備は少し生きていたのが本当にありがたかった。

 それで、『電波塔とアンテナあるんだったら出来るんじゃ』って感じで、ホームセンター等で拾った延長コード等をちょこっと改造してアンテナに繋いで、絶縁しっかりしてから雪花に見張りをかねて別の部屋に行ってもらい、その時に渡したトランシーバーを実験台に自作通信機を繋げてみたのだが、先ほど成功した。

 

 「まあ、生存者が本州四国九州北海道の何処かにいれば良いけどな・・・・・・あとは海外?」

 

 中華鍋を改造して小型のパラボラアンテナを作りながら、そう独り言を言う。

 すると、別の部屋から雪花がいつの間にか戻ってきていて、俺の独り言に反応したのかこう言った。

 

 「多分いると思うよ?四国は確実、諏訪も可能性はあるって。まあ、一年くらい前の、もう地上にはいない神様からの情報だけどね」

 

 そういえば・・・・・・雪花がいたカムイコタンの守護をしていた神様は土地が滅亡すると共に死んだのだったか。

 確か今の雪花の勇者としての力は、体内に宿る精霊と、微妙にある精霊による身体能力、戦闘能力上昇の加護くらいだっけ。神様が死んだ今、そこまでの戦闘力は無いらしい。

 

 「んじゃ、それを信じて待ちますか」

 

 何処かに生存者がいると、そう信じ、俺は作業に没頭するのだった。

 

 *

 

 [翌日/朝]

 

 俺は子守を雪花に任せて、電波塔から少し離れた場所にある街の廃墟に来ていた。

 そこには、バーテックスが大量にいて、街中を徘徊していた。

 

 「さてと、駆除開始ってな」

 

 『れいとうパンチ』を発動させて、殴る、殴る。

 

 俺は素早さ以外の全ステータスが高いらしいが、それでも少しだけ特攻と特防の方が高い。

 だから今までずっと『ゆきなだれ』や『こごえるかぜ』なんかの特殊技を使って戦っていた。

 車中で戦う事が多かった為、そう物理技を使う機会が無かった、というのもあるが。

 

 だからこうして、少しの間腰を落ち着けている間だけでも物理技の特訓のようなものをしておきたいと思って、この廃墟まで来たのだ。

 腕が鈍っていて死んでしまいました、では笑い話にもならない。そんなんで死んだら天国の爺ちゃんにフルボッコにされる。

 

 「・・・・・・やっぱり俺には、こっち(近接格闘)の方が性に合ってるな」

 

 高揚した気分を自覚して、そんな言葉が漏れる。

 全く、俺の喧嘩やバトルの時のステゴロ根性は世界が変わっても根強く残っているらしい。

 

 何時も後ろから物理的な力が篭った、異常にネットリとした視線も受ける恐怖から逃げるかのように、俺はバーテックス共を殴り倒し続けた。

 ・・・・・・いや、マジで怖いんだよあれ。

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