彼等は総じて化け物(モンスター)である   作:千点数

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 北海道のとある男の子の話。


幕間:服部子供隊、多田響のメインパート

 [北海道/電波塔/十一月下旬/朝]

 

 俺の名は多田(ただ)(ひびき)。六歳。服部(はっとり)子供(ガキ)隊の隊長で、一番の年長だ。

 今日は、番長の頼みで服部(はっとり)子供(ガキ)隊の六人全員で電波塔周辺の見張りをしている。

 

 とは言っても、見張りを初めてだいぶ経つけれど、バーテックスって呼ばれる怪物は出てこない。まあ、出てこない方が良いんだけど。

 

 *

 

 [同日/昼/昼食時]

 

 ・・・・・・俺は今、実はとある悩み事を抱えている。

 それは、

 

 「ひびきくん!あーん!」

 「いや、自分で食えるから」

 「あーーーん(威圧)!!」

 「喜んでいただきます!」

 

 「ひびきくん、私のこと、すきー?」

 「えと、その・・・・・・」

 「えへへー、別に今言わなくて良いよー・・・・・・・・・・・・別に好きじゃなくても、私ひびきくんを逃がす気ないし、ゆっくり、ひびきくんに好きになってもらうから」

 「お、おう」

 

 一歳年下の、何時も元気な女の子、代々木りんかになんかめっちゃ好かれてる事。

 別に、好かれるのは良い。『普通に』好かれるのは。

 俺も悪い気分じゃあないし、何よりりんかはとても可愛い。

 正直、俺もこの娘の事は悪く思っていない。というか好きだったりする。

 

 でも・・・・・・。

 

 「ねーねー、今日も一緒にねよー!」

 「えっ、いやちょっと・・・・・・」

 「響にーちゃんとりんかちゃん今日も一緒に寝るのー?」

 「ふふ、夫婦みたいね」

 「ひゅーひゅー!」

 「・・・・・・結婚式には読んで」

 「お前らからかうな!それと、今日は、そのー・・・・・・」

 

 俺がそう言った瞬間、りんかは俺の耳元に口を近づけて、ボソッと、周りに聞こえないようにこう言った。

 

 「一緒に寝ないと、潰しちゃうよ?」

 

 背筋が寒くなるような声で、俺の、男の子としての大事なところを優しくキュッとするりんか。

 ・・・・・・正直怖い。

 

 「ね、寝るから、そのー・・・・・・手、離してお願いだから」

 「うん、わかった!」

 

 俺がそう言うと、りんかはニパッと笑う。

 ・・・・・・まあ、ここまでのやりとりからわかってくれたかもしれないが、りんかは時々怖い。

 『あの時』から俺の事が好きになったらしくて、それからずっと俺に対してこんな感じ。番長に相談したら、「あー、だいたい察した。ええとだな、とりあえず自分も好きだって思ってるなら、それを言ったら良いんじゃないか?」と、よくわからないアドバイスを貰った。

 

 結局、今日も一緒の布団で寝るのか・・・・・・良いにおいするし、好きな奴と寝るからドキドキするし、なんか落ち着かないんだよ・・・・・・。

 

 *

 

 『あの時』。

 それは、俺がりんかを助けた、あの瞬間の事だ。

 

 まだ俺達が電波塔に着いてなくて、途方に暮れていて、道端で休憩していた時。

 バーテックスが襲ってきた。

 

 番長が、雪を沢山出現させてバーテックスを足止めして、雪花ねーちゃんがとどめを刺す。

 それで、だいぶ数が減ったとき。

 高速で移動するバーテックスが表れて、りんかを跳ね飛ばそうとした。

 ・・・・・・その時、まあ、俺はりんかを守ろうとして、かばったんだ。

 

 で、変わりに跳ね飛ばされた。

 

 大怪我はしなかったけど、俺は二日気絶していたらしい。

 番長から土下座されたり、みんなが俺が死んだと思ったらしくて泣きつかれたり、イロイロあってから。

 

 「ひびきくん、好きー!」

 

 それからだ。りんかが俺に対して好きだと言ってきたのは。

 

 *

 

 [夜/服部(はっとり)子供(ガキ)隊の部屋]

 

 「えへへー」

 

 ぎゅー。すりすり。

 

 りんかに正面から抱き着かれて、とてもドキドキする。

 

 「えへ、好き、大好き・・・・・・」

 

 抱きしめられた状態で、ずっと耳元で好きだと呟かれる。

 正直照れとドキドキと、自分も好きだという気持ちが溢れて、もうごっちゃになって訳わかんなくなってきた。

 

 「・・・・・・俺も、その・・・・・・好き」

 

 いつかの番長のよくわからないアドバイスを思い出して、俺も正直に好きだと言ってから抱きしめてみる。

 そういえば、俺がりんかに好きだって言ったのは初めてだし、抱きしめたのも初めてだな。

 ・・・・・・ぎゅう、と、りんかを抱きしめると、とても柔らかくて、なんか何時までもこうしていたい気分になった。

 

 で、当のりんかは、

 

 「!?」

 

 なんかりんごみたいに顔を真っ赤にしてた。俺の胸に顔を押し付けて、自分の顔を隠そうとしている。

 ・・・・・・なんか可愛くて頭を撫でてみると、りんかがぎゅう、と、更に身体を押し付けてきて、真っ赤な顔を上げて凄い事を言ってきた。

 

 「ねー、好きなら・・・・・・ちゅー・・・・・・しよ?」

 

 それで、そのまま目をつぶるりんか。

 俺もつられて、そのまま目をつぶってーーーーーー。

 

 「はむっ・・・・・・ちゅっ・・・・・・」

 「んん・・・・・・んむぅ・・・・・・」

 

 なんか、最初は触れ合うだけだったのが、舌も入れ合う感じの、大人なちゅーになってしまった。思わず、抱きしめる力が強くなる。

 ・・・・・・ちょっと気持ち良かったのは内緒だ。

 

 *

 

 (ちゅーしちゃった・・・・・・えへへ、夫婦になっちゃったー。浮気、しないように見張らないとねー・・・・・・浮気したら、一緒に寝て、ちゅーよりもっと凄い事して、私と一緒にいないといけない身体にしちゃおっかなー。

 ・・・・・・『また』雪花おねーちゃんに相談しよーっと)

 

 「寒気がしたけど・・・・・・気のせいか。ちょっと厚着しよ」




 ・・・・・・なんか最近ヤンデレタグつけているのにその要素が足りなかったんで・・・・・・ロリっ娘にやってもらいました。
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