現時点において、この先未来の話で起こるだろう出来事がもう起こっちゃった後のお話なので新キャラが追加されてたりします。
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超*番外編!!:転移者達の会合
[讃州中学校/とある空き教室/夜/三人称]
なんか、神樹とか言う神様の集合体で、造反神とやらが反乱起こしたせいで四国の大半が征服されてから一年が経った頃。
まあ、イロイロ取り戻しつつ、時々失いつつ(主に男が)、時々平穏を楽しみつつ(尚男性にとって平穏=地獄の幕開け)。
最初の頃は、武田兄弟が過去の自分に会って、(主に兄貴二人が)一緒にヒャッハーしたり、完成型勇者の三好夏凜が勇者部にやってきた日に転移してきた真田幸村が過去の転移者にそのノーマルタイプの体と技全て、特性:マルチタイプという能力故にチート扱いとか完成型(笑)扱いされたりされていたが、今ではもう普通に過ごせている(尚、男性はry)。
そんな時に、讃州中学校のとある空き教室で、真夜中の午後九時、男が集まっていた。
今日は、男の、女子会ならぬ男子会という、非公式で、この世界で戦う男達が開く会議のようなものの開催日である。議題は主に・・・・・・
「ズバリ、今日も恒例、『恋する乙女達(ヤンデレ)から監禁されないように頑張る男子会』を始めようぜ!」
「つー訳で話し合おうかぁ!」
である。
音頭をとった、この中で一番年上の、鋼タイプの武田兄貴(高)、そして武田兄貴(中)がまず最初にこう言った。
「それじゃ、まずは何時も通り日常に関わる愚痴から」
「やっていきまっしょう!」
「俺から良いか」
「「どうぞどうぞ」」
そう言って手を挙げたのは格闘タイプの釘宮天地。
めっちゃ可愛い男の
「最近誰とは言わないけど勇者五人と巫女一人からの押しが強くて怖いです誰かタスケテSOS!」
『ああ・・・・・・』
皆が声を揃えて哀れみと同情の視線を向ける。
何があったのかは知らないが、天地は勇者五人と巫女一人の愛情を一身に受けているのである。正直言ってヤバいっす天地さん。
「全員と正直に向き合えばそれなりに解消されんじゃねーのそれは。お前が逃げっからそーなるんだろ」
そう言うのは北海道から勇者一人、そして自らが救い出した子供達六人と共にこの神樹が作り出した世界に転移してきた氷タイプの服部鬼十郎。
コワモテの鬼番長である。が、知り合いや友人には優しい。
「いやぁ、実はね、それをやったんだよ。俺も別に嫌ってる訳でもねぇし、友達として好きですよって」
「オイオイそれは・・・・・・」
ああいうマジ恋乙女達にはヤベェ、と、ドラゴンタイプの草薙竜介が言う。
「そういう中途半端なのは言わないほうが良いですよ絶対に」
「僕らも銀ちゃんでヤバい事経験してるからある程度そういうのはわかりますから言えます。それはヤバいですよ天地さん」
電気タイプの武田兄弟の弟、真央(小6)と真央(小4)が言う。
「ええ、あなた方が言う通りヤバい事になりました」
「・・・・・・具体的には・・・・・・?」
炎タイプの、基本人の前じゃコミュ障なため何時もボソボソと喋る錦裕也が続きを促す。
「『好き』のとこしか聞いてなかった全員が暴走して全員に貪り喰われた(意味深)。危うく腹上死しかけたぜ・・・・・・」
『あーあ・・・・・・』
全員が可哀相なものを見る目つきで天地を見る。
そして、
「まあ、おいそこの自業自得野郎、取り合えず未来は暗いとだけ言っとくわ」
『ファイト!』
兄貴(中)の言葉に合わせた全員の爽やかなサムズアップを見て天地は死んだ目で虚空を見て、「諦めたら楽になれるよな・・・・・・ハハッ」と、現実逃避をし始めた。
「さて、現実逃避をし始めた奴は置いといて、他になんかあるか?」
「・・・・・・俺が行こう」
兄貴(高)の問い掛けに応えて手を挙げたのは、裕也だった。
「珍しいですね裕也さんが手を挙げるのって。久しぶりに見ました」
「具体的には二ヶ月ぶり?」
真央(小4)と、竜介が驚く。
「・・・・・・愚痴くらいある。・・・・・・その・・・・・・棗に毎晩搾られて正直死にそう・・・・・・・なんだが。どう思う?」
『ああ~・・・・・・ご愁傷様』
一斉に可哀相なものを見る目で裕也を見る一同。
「・・・・・・最近、嫉妬も激しい・・・・・・。俺が大赦で巫女と用事で話していたら・・・・・・いつの間にか背後から・・・・・・真っ黒い目で・・・・・・廊下の角からそっと・・・・・・」
『ヒィィ!!??』
全員が青ざめる。
まあ、このくらいはまだ、
「俺も少し良いか?」
そう言って手を挙げたのは鬼番長である鬼十郎。
何気にヤンデレ被害者の第一人目である。彼らは知るよしもないが。
「最近な、妙に視線を感じるんだよ。どこにいても。学校、寮への帰り、夜中にコンビニでの立ち読みをするときも視線をずっと感じるんだ」
「・・・・・・・・・・・・それは・・・・・・」
ノーマルタイプの真田幸村が何かを察したようで声を出す。
彼は裕也とは違い、ただ寡黙なだけである。
「あるときにな、一度、その視線の正体を調べたんだ。そしたら・・・・・・」
『そしたら・・・・・・?』
鬼十郎以外の全員が、怖いもの見たさで続きを促す。
・・・・・・一瞬後、聞いたことを後悔するのだが。
「雪花の精霊がな・・・・・・複数体、あらゆる場所からじっっっと俺を見てたんだよ。しかも見つけたのが夜の十時だったから、マジで軽くホラーだった」
『うわぁあああああああああああああああ!?』
全員が恐怖の声を挙げる。
・・・・・・だが、それもまだ序の口だったという事を、彼らは知る由もなかった。
「そ、その・・・・・・俺、良いっすか」
そう言って怖ず怖ずと手を挙げたのは、北海道から鬼十郎と共にこの世界にやってきた子供達六人の内の一人である多田響。
服部
因みに、彼はこの男子会に
・・・・・・ということは、この男の子もやはり・・・・・・
「その、最近りんかの行動がヤバくなってきて・・・・・・」
『・・・・・・ほうほう』
子供の行動のヤバさなんてたかが知れていると油断し、気安く続きを促す一同。
・・・・・・だが、認識が余りにも甘すぎた。
マジ恋をした女の子は、ある意味無敵で、何よりヤバいのである。そんな当たり前の事をただ子供というだけで失念していた彼らは、この後、この世の終わりを見ることになる。
「まあ、行動がヤバくなったっつっても皆さんのものより全然かもしれませんが・・・・・・」
『いってみいってみ?』
「じゃあ、言うぜ・・・・・・最近、りんかが大赦に行って、あるものを貰って、持って帰ってきて、それを俺に渡して来たんす。で、付けろって。何だと思います?」
「・・・・・・結婚指輪、とか?」
現実逃避から復活した天地が、予想を口にする。
「違います。指輪じゃあ、ないです」
「じゃあなんだよ?」
竜介が、答えを教えろと、響に促す。
「正解はですね・・・・・・俺のこれを見れば解ると思うっす」
響はそう言うと、首もとを見せる。そこには、真っ黒い、シンプルな装飾品が首に巻かれていた。
「・・・・・・・・・・・・首輪?」
思わず、幸村の口から言葉が出た。
それ程、驚愕の一言に尽きた。
それは、ペット等に付ける、首輪だった。少々ホームセンター等に売っている物とは違うが、それでも、その表現が正しいだろう。
「そうっす。首輪です。・・・・・・俺自身の心音、体温、脈拍、脳波を検知して、それをりんかが持ってるケータイに転送する機能着きの。流石に発信機の機能はないっすけど。
なんか、りんかが言うに、「ひびきくんの全部を知りたいな!だから付けてよ!」って感じで言われて、この首輪を渡されて、流石に首輪はちょっと・・・・・・って具合に断ろうとしたら、「・・・・・・付けないの?ねぇ、付けてよ。じゃないと・・・・・・潰すよ?」って感じに脅されて仕方なく・・・・・・」
『ああああああああああああああああああああ!?』
響以外の全員が発狂した。
聞けば、りんかちゃんは響の一歳年下、つまり五歳。
五歳でこれは・・・・・・ヤバいの一言に尽きた。正直五歳の女の子が持つ愛情のレベルではない。
「で、時々スマホを見ては、「エヘヘ、ひびきくんといつでも、どこでも一緒だ・・・・・・エヘヘっ」って感じで、めっちゃニヤニヤしながら俺のこの首輪から送られる心音をイヤホンで聞きながら、同じく首輪から送られる体温、脈拍、脳波のデータ見てるんですよ・・・・・・」
『お、おぅ・・・・・・』
最早何も言えなくなってしまった。
そして、この場にいる響以外の全員が思った。
『(子供、ヤベェ・・・・・・)』
と。
*
こんな具合で、男だらけの夜の井戸端会議はまだ続く。
男達が真夜中にこの会議をやる理由:女の子に見つからないため。