1:勇者部と雷獣
「よいしょっと!」
僕の『10まんボルト』が、スマホに『乙女座』と表示されているバーテックスの懐に当たって熱烈な火花を散らす。
・・・・・・うん、効いてる。二年間戦っていなかったけれど、威力は変わってない。
身体に稲妻を纏わせ、雷速で移動しながら『スパーク』でバーテックスに突撃し、吹っ飛ばす。
吹っ飛ばした先には、黄色い服を着た、大きな剣を持つ勇者がいて、その人が剣を巨大化させて横殴りにぶったたく。
「・・・・・・よし、何だか知らない人ばっかりだけど、上手く戦えてる。これならイケるかな」
車椅子に座っている、何だか雰囲気が鷲尾ちゃんに似ている人、僕と同じくらいの歳の可愛い人、お姉さんっぽい人、パンチが凄い威力の人。全員知らない人ばっかりだ。
雰囲気が鷲尾ちゃんに似ている人は変身していないけど・・・・・・まあ、それは今は良いか。
今は、あのバーテックスを倒そう。
「うわぁ!なんかベロンと出てきたぁー!」
・・・・・・ナニアレ。どういう事?
見れば、バーテックスは大人しくしていて、三角錐が下向いた感じの何かを吐き出していた。
うーん、形と出てきた場所から見るに弱点かな?
パンチが凄い人が殴るけど・・・・・・硬そう。よし、手伝おう。
「おねぇさん!ちょっとどいてぇえええええええ!!」
「うん?・・・・・・うわぁ!?」
一瞬不思議そうな顔でこっちを見たけれど、すぐに焦った顔になって離れていった。
まあ、だって今の僕・・・・・・めっちゃ高威力の技ぶっばなそうとしてるし。左手に纏わり付いてる稲妻のエフェクトが大袈裟だから、よけい危なく見える。
「いっくよー! 『プラズマフィスト』ォオオオオオオ!!」
樹海全体に、稲妻の雷鳴が響くと同時に、電子のシャワーが降り注いだ。
*
バーテックスの弱点っぽいところをを『プラズマフィスト』で殴り飛ばした後。
「さーて帰ろう」
「逃がさないわよ」
「で、ですよねぇ~・・・・・・アハハ」
こっそりと逃げようとして、お姉さんっぽい人ーーーー犬吠崎風さんに捕まった。
そのまま『勇者部』と言う看板が下がった部屋へと連行されて、椅子に腕と足をプラスチックの鎖で括り付けられた。
・・・・・・で、放課後が来る一時間ずっと放置。扱いが雑過ぎる。僕悲しい。助けて銀ちゃん。
で、やってきました放課後。
「あ、あの~? せめて腕だけでも自由に」
「じゃあ、今起こったことの説明をするわね」
「完全無視!? 椅子に括り付けられている僕の言葉は無視ですかそうですか」
ええと、もしかして今日ずっとこのまんま?流石にそれは嫌なんだけど。というか早く帰りたい。じゃないと銀ちゃんが怖い。
『なぁ、こうなったアタシを放って何処行ってたんだ? 浮気か? なぁ。オイ。ちょっとこっち来いよ・・・・・・何だよこの女の匂い。こんなになっちまったアタシはもういらないのか!? なぁ!? ・・・・・・捨てないでぇ・・・・・・[以下自主編集済み]』
ヤバい。あの日の事思い出してトラウマがッ!
※因みに、大雨で電車がストップした結果、駅で寿司詰め状態になったとき、たまたま女の人が近くにいただけ。
ああ、今日は厄日かな?
近くにこんなに女の人いるし・・・・・・時間も四時過ぎ。だから結構遅くなりそうだし・・・・・・うわぁーん。どう転んでも結局銀ちゃん嫉妬だぁ!!
最近は少し僕に依存しちゃってる感じがあるし・・・・・・今日は帰ったら先ずは土☆下☆座かなぁ。
因みに銀ちゃんは大赦が運営やってる通信教育で勉強してます。