蒼炎の英雄   作:たまの助

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ヒーロー

 事の始まりは中国、発光する赤子が産まれたというニュースからだった。それ以降各地で『超常』が発見され、原因も分からぬまま時は流れる。

 いつしか『超常』は『日常』に……

架空(ゆめ)』は『現実』に……!

 社会人口の約8割が"特異体質”を持つ人間となった、超人社会。混乱渦巻く世の中で、かつて誰しもが憧れた職業が脚光を浴びていた。

 

『ヒーロー』

 

『超常』の出現に伴い跳ね上がった犯罪係数。その犯罪を止めるべく立ち上がった勇気ある人々の活躍により、ヒーローは公的職務として定められた。

 そして彼らはその活躍に応じて与えられるのだ。

 国から収入を、人々から名声を!

 

 

 だけど、

 

 僕こと 白石(しらいし) 雄斗(ゆうと)はそんな世の中で、ただ腐っていた。

 

 

 何万もの『超人』が産まれる中、稀になんの力も持たない『無個性』と呼ばれる人間が産まれる。それは言葉の通り個性のない者、つまり普通の人間だ。

 だが、その普通(・・)はもはや現代では稀少(・・)となっていた。

 

「個性の発動が見られない……雄斗くんは『無個性』ですね」

 

 そして、齢4歳にして僕に押されたのは『無個性』という烙印。これまで抱いてきた夢はあっさりと打ち砕かれ、僕は絶望の底へと落とされた。

 

 今現在、16歳となった僕は学校にも行かず、家で怠けているだけな自堕落な生活を送っている。

 両親も僕を無個性として産んでしまったことに負い目を感じてか、特に何も言ってこない。

 両親への申し訳なさもあるが、それ以上に外の世界が怖かった。学校に行くとまたいじめられるんじゃないかと、震えていた。

 

 この世は不平等だ。

 産まれた時から、持ってる者と持ってない者で格差がつけられ、持ってない者は必然的に貶められる。差を見せつけられ、絶望するのだ。

 

 最初は僕だって夢を諦めなかった。だけど、世間はそれを許さなかった。

 

 無個性なりにヒーローになろうと頑張っていた僕は、小学2年生の時イジメを発見した。1人に対して3人で、よってたかって暴力を振るっていた同級生達を止めようと、前に出た。

 しかし、そんな僕に待ち受けていたのは残酷なまでの暴虐。結局イジメられてる子1人助けられずに為す術もなくボコボコにされた。

 

『個性持ってねえお前がヒーロー気取りか? 個性がなきゃヒーローになんてなれるわけねえだろ!』

 

 これは、その時言われた言葉。全くもってその通りだ、正義の心を持っていようと、個性(チカラ)がなきゃ、正義を実行できなきゃ意味が無いんだ。

 つまり、無個性にヒーローなんて不可能なんだ。

 

 これが、この世の理だった。

 

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