~XXX年 ???~
「はぁ…はぁ…」
嵐の森の中をわずか8歳の少年が走っていた
「はぁ…はぁ…」
地面は降り続ける雨でぬかるみ一時収まっていた風も強くなっていた……
「はぁ…はぁ……っ!!!」
少年はとうとう木の根に足をとられてしまい身体を泥だらけにしながら転んでしまった。
「まだはし……らなきゃ…もっと…もっと……」
しかし、大人であっても外に出ない程の嵐の中をまだ幼い子供が走るのには当然限界があった。
「みんな……ごめん…ね…私、やっぱりダメみたいだよ…」
少年は今は亡き家族のことを思い呟いた。
瞼も重くなり、意識も薄れゆくなかで大切な人が見えた気がした。
「お兄…ちゃん?」
そして少年は落ちていく意識の中で自分の方に向かって兄が走ってきているような気がした。
~784年 マグノリア港 船上~
「……ン」
あぁまた思い出しちゃったなぁ…
「ミ…ン!」
忘れるつもりもないけど私のせいでみんなは……
「ミカン!」
「ふぇっ!!?」
ちょっと目を瞑る程度のつもりだったのがいつの間にか寝てしまっていたの…かな?
「ふぇっ!!?じゃないよ!そろそろ出発するよ」
「あ、アリサごめんなさい。ちょっとウトウトしてました」
「ちょっとウトウトしてたなんてレベルじゃなかったけどね」
「うぅ…ごめんなさい……」
「いや、別にそこは全般いいんだけどさ、随分とうなされているようだったからさ…大丈夫なの?」
そんなに酷かったのかな…私…
「はい、大丈夫です。少し昔のことを夢に見ただけです」
「そう…それならいいんだけどさ…
でも何かあったら言ってね。力になるからさ!」
ふふふっ、相変わらずアリサは優しいですね。そういうところが大好きです。
「ところで寝てたってことは勿論もう出る準備は終わってるんだよね?」
「勿論ですよ!」
まぁ心の準備は終わってないんですけど言ったら呆れられちゃいますかね。
「じゃあ帰ろっか私たちのギルドに」
「はい!帰りましょう!|妖精の尻尾<<フェアリーテイル>>に」
~784年 |妖精の尻尾<<フェアリーテイル>>~
一応入り口近くとはいえ入る前から中での騒ぎようがこっちまで聞こえてきますね。
「「ただいま~」」
久し振りに帰ってきたギルドは相変わらず賑やかでここにいるだけで気分が晴れるような、私にとって家族のような人達のいる安心できる場所です。
「お?ミカン、帰ってきたのか。オレと勝負しろー!」
「ふふふっ、いいですけど先ずはマスターに報告してからね」
そういって私は"|操作<<オペレート>>"で床を操ってナツの動きを止めた。
「んなっ!…ぐぬぬ~…勝負しろー!"火竜の咆哮"」
あ、そうだった…ナツは動きを止めた程度で諦める人じゃなかった…
というかブレスは流石にまずいって!ギルドが燃えちゃうでしょ!
「ギルドを燃やす気ですか!あと、報告は大切だよ…"|操作<<オペレート>>"」
とりあえず、ブレスから炎だけを取り除いてっとあとはこれを消したら終わりだね
「ナ~ツ~?ミカンがいたから良かったけどギルド燃やす気なの?それにミカン平然とやってるけど熱もある程度いくんだよ?あと魔力の消費結構激しいんだからね?わかってる?」
「ひっ!ご、ごめんなさい…」
「あはは~ギルドのことはたしかにそうだけど私のことは大丈夫ですよ~」
それにしてもアリサって普段優しいのにたま~に怖いというか凄い圧力発するんですよね~…
ナツをあんなに簡単におとなしくさせるのってアリサとエルザくらいかもしれませんね…アリサ怖い子……
「ミ~カ~ン?余計なこと考えてない?」
「えっ!な、何のことですか~……」
あと、たまにしれっと心読んできてますよね??もはや悟りじゃないですか!
「ふ~んまぁ今はいっか…ふふふっ、後で覚えててね?」
後でってなんですか、というか笑顔が怖いです…
「あ、あはは~……あ、マスター!!」
あぁマスター…ありがとうございます。丁度マスターが近くにいたから報告しましょう。決して話をそらすためじゃないですよ
「ん?おう、ミカンにアリサか…お疲れじゃったな。いろいろあったらしいが依頼主の方からお礼がきておったよ」
「そうですか…ギルドの顔に泥を塗らなくて良かったです!!」
「ははは!お前さんたちは評議院から全然お世話になることもないし、助かっておるよ本当に……」
「「あ、あはは~…」」
たしかにみんないろいろやらかしすぎだよ。ソーサラーで|妖精の尻尾<<フェアリーテイル>>のことが書かれないことあまりないですもんね。主に悪い意味で…特にナツとかナツとかナツとか………
「ううむ…眠い……」
「マスター?」
こんな昼間に眠いなんてかなり疲れてるんですかね?まぁしょうがない気がしますけど……
「奴じゃ…」
「え!もしかして!」
私は周りを見て驚いた。先程までお祭り騒ぎしていたみんなが揃いも揃って眠っていたのだ。そしてそれは私たちにとってこの上なく楽しみにしていたことだ。
ギルドの入り口を見ると一人の男がいた。その男はローブのようなもので顔を隠していて背中には5本の杖を背負っていた。
それを見た私たちは合わせてその人の名前を呼んだ。
「「おかえりなさい、ミストガン」」
「あぁ、ただいま」
いかがでしたか?
とりあえず今作はミカンとアリサ中心の基本的にはミカン視点で書いています。
ときおり視点転換もあります。
あと、原作でも謎が多いミストガンをどのように表現するかも頑張っていきたいと思います。