それに1と2、3と4を一つにまとめて良かった気がする…
さて、そんなことより今回は人間嫌いなあの人が出ますよ
地の文が難しい...
~787年 マグノリア外れ ポーリュシカ宅前~
「相変わらずここは落ち着いていいですね」
「悪かったね何もないような所で、あたしは人間が嫌いなんだよ」
「い、いえ、私は本当にここが好きなんです。それにポーリュシカさんの気持ち少しわかりますし…」
正直私もそんなに他人は好きではないですし、でもギルドみんなは勿論ですけど他にも大丈夫な人はいますけど、それでもやっぱり私は人が怖いです。
「まったくそんなに暗くなるんじゃないよ。確かにあんたの前でこういう話はダメだったね。すまなかったよ」
「いえ…今は
それにお兄ちゃん達に怒られちゃいますしね
「そうかい、あんたがいいならよかったよ」
ポーリュシカさんって人が嫌いって言いながらもやっぱり優しいですね…なんだかお母さんを思い出します。
「なんだいその顔は、何か言いたいことでもあるのかい?あるんならはっきり言いな」
「ふふふっ、ポーリュシカさんと話してたらお母さんのことを思い出したんです」
「あたしがかい?だとしたら、あんたの母親は随分と変わり者だったんだね」
それ自分で言っていいやつなんですか…でも、私は変わり者だなんて思いませんけどね。むしろ思いやりのあるいい人だと思います。
まぁ、口にしたらきっと箒を持って追いかけてきそうですから言いませんけどね
「そうですね~、厳しい時もありましたけど、私たちのことをいつも大事に思ってくれて…特に私は生まれてすぐから心配をかけてばかりでしたし…」
「ふ~ん、そんな人とあたしが似てるってかい?それは嫌みのつもりかい?」
ふふふっ、私がそんあこと出来るわけないのを知ってるじゃないですか
「そういえばあんたがこんなところに来てるってことはあの2人とクエストにいくんだろ?だったらとっとと行きな。何度も言ってるけどあたしは人間が嫌いなんだよ」
話にそらすのが苦手なところも似てますね。折角ですから呼んでみようかな。
「ふふふっ、わかりました。それじゃあいってきますね…お母さん」
「バカ言ってないでさっさと行きな!」
本当に箒を持って追いかけてこなくてもいいじゃないですかー!それでもやっぱりここは落ち着きます。
「ちゃんと帰ってくるだよ」
ふふふっ、私に聞こえないように言ったつもりでしょうけどしっかりと聞こえてますよ。
私はポーリュシカさんの言葉に対して右手を銃の形にし、そのまま手の甲を向けて空を指さすように腕を突き上げた。
~3人ハルジオン港合流中~
「すみません、お待たせしました」
「ミカン、遅いよ」
「いや、まだ待ち合わせの時間より20分は早いぞ…」
久しぶりに3人でクエストに行くのが楽しみでしたから早めに来たつもりが、もう2人とも来ていただなんて…でもこれって2人も同じように楽しみにしていたということですよね…なんだか嬉しいです。
「何をそんなにニヤニヤしてるのかな?ミカンちゃん」
「いえ、3人でクエストに行くのが楽しみだなって思いまして…というかしれっとミカンちゃんって呼ばないでください…」
「フフフッごめんごめん、でもわたしも楽しみだよ。ミストガンは?」
「俺も楽しみだ…そういえば、今回2人はどんなクエストを受けてきたんだ?」
「ええと…今回のクエストは、ブラーゴという町の近くの雪山で暴れているモンスターの討伐だそうです。なんでも目撃者の方の話によるとそのモンスターはバルカンのようらしいですけど何やら様子がおかしいそうです」
「バルカンってたしか
「たしかにそうかもしれないな…だがそれを今言っても仕方がない。とりあえず依頼人の方に会いに行こう。たしかブラーゴまでだったら1日あったらいけるだろう」
「そうですね。一応今回のクエストのためにチケットがあるそうなのですが…」
「まぁ、大体こういうときのって少し不安になるような船だよね~。1回でいいからあんな船に乗ってみたいよ~…」
アリサが指さした先にあったのは、この港に泊まってる船よりも1回りも二回りも大きな船で所謂豪華客船とよばれるものだった。
「まぁ、無理だな」
「えぇ、無理ですね」
「いや、わかってるけどさ~。でも、2人も乗ってみたくない?」
「まぁ、アリサの気持ちもわかるが今回は依頼主の方からチケットを用意していただいているんだからその時点でかなり優遇してもらっている」
「そうですね…あれ?あの船の行き先私たちの目的地と同じみたいですよ」
「あ、本当だ!ねぇミカンちょっと確認してみてよ」
「わかりました。一応確認してみますが流石に違うと思いますよ」
え~と私たちがのる時間に出港する船は…1隻しかないですね。この船は…
「え!嘘です…よね?」
「ん?どうしたんだミカン?」
こんなできすぎた話があるはずがありません。これはきっと私が疲れてるか夢を見ているかですね。ためしに頬を抓ってみたら…うぅ…痛いです
「ちょっとミカン!?突然自分の頬抓るなんてどうしたの?もしかして疲れてるんだったら無理しなくていいんだよ」
「えっと…本当にあの船みたいです」
「「あの船?」」
「はい…私たちがもらったチケットに書かれてる船がさっき話してた船みたいです」
「「え?」」
~船上:ミカンの部屋~
「いや~まさか本当に乗るとはね」
「そうだな。しかも1人ずつ部屋を取ってあるなんてな…たしかにミカンが驚くのも無理ないな」
「本当に夢見たいです!ただでさえ乗ることすら驚きなのに3人で乗れてるだなんて」
予想外のことで驚きこそしたがやっぱりこういうのはいいですね。折角ですし3人での思い出を作っていきたいです。昨日のことで改めて思いましたけどもう1人の私がでてるときの記憶は私にはありません。もし今の私が完全に
「どうしたのミカン。顔が暗いよ?もしかして船旅嫌?」
「い、いえ…そんなことはありません。ただ少し不安な面があるだけです」
「そうなの?フフフッやっぱりミカンはかわいいね。大丈夫だよ何があっても私たちが側にいるよ。ね!ミストガン?」
「そうだな、何かあったら俺たちがいるから好きなだけ頼ってくれ。ただ、俺たちがミカンに頼ることも多いがな」
「え!!」
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~774年 ???~
「もうっ!ミカン男の子はそんなに簡単に泣いたらダメなんだよ?」
「だって…ルーお姉ちゃんもソーマお兄ちゃんもいきなりいなくなったから…」
「…たしかに、私やソー兄がいないっておもったら不安になるのはわかるけどミカンのためなんだよ?」
「うぅ…でも…でも!」
「でもじゃないの!」
「2人とも落ち着け」
「ソーマお兄ちゃん」
「ソー兄」
「なぁミカン、たしかに今は俺たちの方が強いしミカンに頼ってもらってるけど、ミカンがその魔法を完成させたら俺やルーよりもきっと強くなる。そうなったら兄としては不甲斐ないがミカンに頼らざるを得ないことも増えるだろう」
「そうだね~ソー兄の言うとおりいつかはそうなるだろうね~」
「私が…ですか?」
「そうだよ!でも今はまだ私たちがミカンのことを守るし、何があっても私たちが側にいるよ。ね!ソー兄?」
「そうだな…俺たちはミカンの兄姉なんだ。何かあったら俺たちがいるから頼ってくれ。ただ、いずれは俺たちがミカンに頼ることが増えると思うがな」
((大丈夫、私たちはずっとミカンの側にいるからね))
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「嘘つき…」
「え?ミカンなんて言ったの?…ってどうしたの!?」
「え?どうしたって何がですか?」
「いや、こっちが聞きたいわよ!どうして泣いてるのよ!」
え…私が泣いてる?
アリサに言われて目元を触ってみるとたしかにぬれていてどうやらいつの間にか泣いていたらしいですね…
少しは強くなったと思っていたのに…やっぱりまだ寂しいです…
「えと…ごめん…なさい。もう、大丈夫…です?」
私は突然アリサに抱きしめられていた。
「大丈夫だよミカン。私たちの前で強がる必要ないんだよ?」
私はもう妖精の尻尾のみんながいるから寂しくないです
「今ミカンが何を思ったのかも、昔何が辛かったのかも…」
私なんかよりもソーマお兄ちゃんたちの方が辛かったはずです。
「今すぐ話して。とは言わないけどさ、いつか話してほしい…かな?」
これは、全部私が悪いんです。私のせいでお兄ちゃんたちは…
「もちろんその時はわたしのことも話すからさ」
だから私はアリサ達に優しくしてもらう資格なんてないんです…
「1人で抱え込まないでさ、もっと頼ってよ」
でも、もし許されるのなら私は
「だからさ、少しくらい甘えてもいいんだよ」
「うぅ…ごめん、なさい…ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい………」
私は誰にともなく謝り続けているのをアリサはずっと背中をさすってくれながら何度も何度も「大丈夫だよ」と言ってくれていたのを聞きながら私の意識は落ちていった。
「……お姉ちゃん…」
~アリサSIDE~
フフフッ、ミカン寝ちゃったな~。普段のミカンも顔立ちとか所作も女の子って感じがするけど寝てたら本当に女の子にしか見えないわね…腰近くまで伸びた髪は綺麗な黒髪でとってもサラサラしてるし、腕とか足も細いし、本人は男だから意識して何かしたことはないって言ってたけど正直わたしよりも女の子って感じがするのがなんだか複雑だわ…それにしても
「お姉ちゃん…か~」
「どうしたアリサ」
「いやさ、今ミカンが多分寝ぼけてたんだと思うけどわたしのことお姉ちゃん…って呼んだんだけどなんか少しモヤッとしたっていうかさ~」
「どうしてだ?」
「どうして…か~、う~ん…はっきりとはわからないんだけどミカンからわたしのことを姉のように親しく思ってくれてるって思うと嬉しいんだけどなんだかその分寂しい…のかな?」
「寂しい?」
「うん、わたしとしてはミカンの姉みたいなのもいいかなって思うけど、でもやっぱりミカンの
「そうか…」
「やっぱり変だよね」
「いや、変ではないさ。ただそれならもう少しミカンの前で素直になったらどうだ?」
「うぅ…わかってるけどさ~どうしてもこう…照れるというか恥ずかしいの」
自分でもわかってるしだからこそ恥ずかしいわけだし…
ミストガンはその辺もわかってていて言ってるんだろうけど事実今のミストガンは少し笑ってるし…
「まぁ、俺としてはお前達は2人でいるときの方がお互いに活き活きしてると思うし見てて微笑ましいと思うから仲良くしてほしいというのが本音だな」
「そう…だよね。うん!決めたよ私昔に何かあったとしてもこれから何があってもずっとミカンの側にいることにする」
そう言いながら静かに寝息をたてているミカンの髪を撫でた。
「そうか…俺もできる限り2人を助けよう」
「フフフッ、ありがと!……ねぇ、ミストガン。なんだか兄弟って感じなのかな?」
「?どうしたんだ突然」
「いや、なんだかさ~…さっきミカンがわたしのことをお、お姉ちゃんって言ってたでしょ?」
あぁ、わたしがお姉ちゃんって自分で言ってて恥ずかしいわ。
「そうしたらミストガンが長男でミカンは…次男?それとも次女?」
「?ミカンは男だろ?」
「いやまぁ、そうなんだけど今のミカンを見てたら…ね?」
わたしがミカンの髪を撫でながら言うと、ミストガンが苦笑いを浮かべながらそうだなと言うのを見てわたしもつられて笑っていた。
「ねぇミストガン、ミカンが起きたらデッキにあったプールに3人で行かない?」
「あぁ、ミカンが起きたら行こう」
「うん!折角一生に一度乗れるかどうかってくらいの船に乗れてるんだし、3人で思い出作ろ!これ以外にもたくさん!」
「ふふっ、それは楽しそうだな」
わたしとミカンとミストガンでの思い出作り、か~。フフフッどんなことをしようかな。
「うぅ…ふわぁ~あれ?私なんで寝てたんですかね?」
わたしが3人でこれからどんな思い出を作ろうかと考えているとミカンが起きていた。
「ミ~カ~ン、寝起きのところ悪いけどプール行くことになったから準備するよ~」
寝ぼけているミカンはやっぱり女の子と見間違うくらいかわいくて本当に1女子として嫉妬しそうなくらいだった。それでも今は3人で思い出を作るということが楽しみでしょうがない。
「え?プール…ですか?わかりました……あれ?え!なんで私アリサの腕の中にいるんですか!!?」
あら、ミカンったらもしかしてさっきのこと覚えてないのかな?だったら…
「フフフッそれはミカンがわたしに抱・き・つ・い・て寝てたからよ。いや~ミカンの寝顔かわいかったよ~」
「ふぇっ!!?わ、私がアリサに抱きついて寝てたうえに寝顔をみられたんですか…ふにゅ~」
う~ん、やっぱりミカンって純情よね。やっぱり面白い反応してくれるわ。まぁ、わたし自身言ってて結構くるものがあるんだけどね…
「どうしたのミカン早くしないとおいてくよ~」
「え!ま、待ってください。今準備しますからおいてかないでくださいー!」
「フフフッ水着とかその辺の道具を今から借りに行くのに何を準備する気なの?」
「あ!むぅ~騙しましたね!アリサ酷いです!」
「フフフッ騙されたミカンが悪いのよ~」
「アリサの意地悪ー!」
「あははは、ごめんごめん…ねぇ、ミカンこれからはさ楽しいことだらけの人生にしていこ?」
「はい!楽しんでいきましょう!」
その後自分が眠るまでの経緯を思い出したミカンが慌てるのはまた別のお話です。
今回は前回と違って一本にしてみたのですがいかがでしょうか。前回までのように細かく区切るのか今回のように一本にするのかで迷ってるんですがとりあえずは今回の形式でいこうと思います。
今回のアリサはヒロイン感?をだせたと思います。ただ深夜テンションで一気に書き上げたので調子にのってるところも多々あると思うのでしばらくして見直したらとんでもないことになりそうで怖いですね(笑)
次回はプール回とクエスト前の準備だったりで終わると思います。
行き先をブラーゴ付近にしたのは原作の時系列でいうガルナ島のところなのでそこにでない分少しでも関連があるところを舞台にしたいと思ったからです。
ポーリュシカさんがお母さんで兄がミストガン、姉がアリサで末っ子がミカンだったらお父さんはマカロフになるんですかね…なかなか個性的な家族になりそうですね(笑)
因みにミカンの本当の兄や姉であるルーとソーマの名前はそれぞれ太陽神と月の神からとっています。
ルー ミドナ:ミカンの姉。しっかり者でよくミカンを励ましたりちょっかいかけて面白がったりしているが実はお化けとかそういう類いが苦手で停電などした際には一番慌てていたりする。精霊魔法や簡単な治癒魔法を使える。
ソーマ ミドナ:ミカンの兄。ルーとミカンを纏めるしっかり者。基本的には大人しいがたまに突拍子もないことをしたりする天然系だったりする。天体魔法や一部黒魔術に精通している。