斬々のヒーロー(ヒロイン)アカデミア   作:彩野めろん

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まずは導入部です。

あとがきでは、天羽斬々のスペックについて説明していきます。

─────/─────は場面の移り変わりを表しています。



天羽斬々:オリジン

「アモォ!!!」

 

「ノムラァ!!!」

 

この私、天羽斬々は咆哮した。

 

最も手にしたいこの男──納村不道との、断じて本気のぶつかり合いの開幕を祝い、悦び、哀れみ、憎んで。

 

納村の拳が私の顔面を捉える。

 

私は何も考えなくてもいい、ただ自動反撃(オートカウンター)が文字通り自動で発動し、納村の腹を貫くのを待つのみだと、そう思っていた。

 

「ッッ!?」

 

瞬間、私の視界とその中の納村は、光と共に消え失せた。

 

身体が浮くような、そんな感覚。

 

初めてだ……。

 

納村との戦いのせいか、はたまたこの奇っ怪な感覚のせいか、私は柄にもなく心を踊らせていた。

 

暫く霞む私の世界──その靄は、突如として晴れると共に、私に謎を押し付けてきた。

 

眼前には、愛地共生学園と同レベルかそれ以上の学園。

 

校門前のプレートには、雄英高等学校入試試験会場と書かれている。

 

「断じて理解不能だ…」

 

私の頭の中を、ある言葉が過ぎる…。

 

〝異世界転生〟

 

あまりにもバカバカしい話だ、確証も確信もなければ、現実味もまるでない。

 

しかし、私は今自分に降りかかるこの状況を、そう呼ぶ他に思い付かなかったのだ。

 

「納村……」

 

納村(想い人)への気持ちを、グッと胸に押し付けるように、破れていたはずの制服の胸の辺りを握る。

 

「いいだろう。世界が私に課した試練など、いくらでも淘汰してやる」

 

─────/─────

 

そう意気込んだものの、いざ試験用紙を目の当たりにすれば、流石に別世界の筆記試験──勉学となると、やはり勝手が違うだろうという多少の不安や焦燥を感じざるを得なかった……が、これは杞憂に終わる。

 

女帝と恐れられたこの私が、勉学如きで周りに遅れをとるわけにはいかない。というより、そんなことは断じてありえない。

 

という思いで、サラサラと問題を解いていく。

 

後から聞いた話なのだが、どうやら偏差値は79らしい──そんなことがあるのか?と思ったのは内緒だ。

 

一通りの教科の試験が終われば、講堂へと案内される。

 

そして、マンモス校が故に大きい講堂へ入るや否や、教壇へと目を向ければ、陽気そうなグラサンが──

 

「今日は俺のライヴにようこそー!!! エヴィバディセイヘイ!!!」

 

──と叫び、生徒側へ耳を傾ける。

 

私は柄にもなく、心の中で盛大にツッコんでしまった……。

 

私たちからの反応がないことを確信したその男は、震えながらも実技試験について説明する。

 

まぁ、この試験の内容は知っている人間が多いと思うので、私から改めて細かい説明はしなくていいだろう。

 

極端に言えば、仮想敵(ロボット)を行動不能にすればいい、それだけだ。

 

私は自信と熱を胸に、会場へと足を運んだ。

 

─────/─────

 

受験生が皆会場へ入れば、少しの間をおき、「スタート」と声がかかる。

 

「先に行かせてもらおう、私の前を往くことは断じて許さん…っ!」

 

周りの反応が遅れる中、私はすぐさま駆け出し1番近くにいたロボットの左脚目掛けて、手刀(てがたな)を振り下ろす。

 

「壊れろ──!」

 

左向きに崩れたソレを、右脚、下半身、両腕…と連続で()()()()

 

次第に機動力を失ったロボットは、力なくその場で崩れてゆく。

 

「一体あたり約2秒か…この試験、私のモノだな」

 

勝利を確信した私は、続け様にロボットの破壊を進め着々とポイントを稼いでゆく。

 

そうすれば、当然私の周りにロボットは見当たらなくなった。

 

「こんなものか……ヒーローとは、簡単なものだな…」

 

そう吐き捨てた私の前に、轟々と機械音を鳴り響かせ現れる大きなロボット──そう、0ポイント敵だ。

 

「なるほど…これが……いい相手になりそうだ」

 

私が迫り来るロボットに対し、ゆっくりと歩み寄っていこうとしたその時──

 

「どけェ!!クソアマァッッ!!!」

 

手から()()()()()()()()()、髪の毛を逆立たせた目つきの悪い─私も人のことは言えないが─少年が飛んでゆくのを確かに目で捉えた。

 

直後、その彼は0ポイント敵に向かい、大規模な爆破を起こす。

 

私は半ば感心していた──のだが、0ポイント敵には傷一つ付いておらず、逆に少年が吹き飛ばされて往くではないか。

 

「面白い、いいぞ機械!その調子で私も楽しませろ!」

 

私も少年に遅れながら、0ポイント敵に接近し、先程までの要領で両脚を斬る。

 

「こんなものだったか?まだ私は、断じて満足していないが?」

 

暴力的なまでの音と風を起こしながら倒れゆく0ポイント敵、私は奴の中心部目掛けて虎爪(こそう)を繰り出す。

 

「…脆いな、もう動かないのか……!?」

 

油断した一瞬に、0ポイント敵の振りかぶられた腕からの一撃が私に入る。

 

瞬間、私の脳内では自動反撃(オートカウンター)の準備が完了していた。

 

「フハハハハッッ!!!通ると思ったか!?そんな攻撃がァ!!!」

 

自動反撃(オートカウンター)四本貫手(よんほんぬきて)

 

やつの文字通り鋼の身体を、私の技が貫く。

 

「驚いたか?機械。この化身刀(タケミカヅチ)は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

唖然とする周囲の受験生を眼にも入れず、私は断じて高笑いを続けるのだ──試験終了の合図を聞きながら。

 

おっと、言い忘れていたな…。

これはこの私が、最高のヒロインになるまでの物語だ。




導入部ということもあり、かなり短めのスタートを切りました。
それでは、天羽のスペックをご覧下さい!

ヒロアカで言うところの個性:化身刀(タケミカヅチ)
これは、体のあらゆる部分を盾とし、刀とする。作中の言葉をお借りするのであれば、〝人体を一振りの刀へと変える 空手の究極〟です。

そしてもう1つ、大切な能力が自動反撃(オートカウンター)です。
どんな能力かは読んで字の如く、自動で反撃するというものです。

主に使用する技は、手刀(てがたな)。天羽の基本技。掌を伸ばした状態で薙ぐことで、刀のように扱う技です。

技は他にもありますが、作中で出すうちに紹介していきますね!

長くなってしまいましたが、あとがきはこの辺で…

改めまして、これからよろしくお願い致します。
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