ポケットでモンスターな世界にて   作:生姜

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Θ48 VSシバ&トウキ

 

 

 プリムさんとのポケモン勝負の翌日。

 今日も快晴のサイユウシティ第1闘技場では、既に俺にとっての2戦目が始まろうとしていたり。

 

 

『さぁ、本日も始まりましたポケモンリーグ前哨特別試合! 先日はプリム様に大勝利いたしましたショウ選手は、勝利を重ねることが出来るのかぁっ!!』

 

 

 寝て起きて朝ごはん食べてミーティングして昼ごはんは軽めに食べたら、もう闘技場にいるこの状況。いや、実際のところ疲れるよな。バトル自体は楽しみだけど。

 そんな風に清濁入り混じった思考を続ける中。俺の隣に立つ本日の相棒に向けて、改めて挨拶をしておきたいところだ。……いや。相棒とは言ってもポケモンではなくて、

 

 

「んじゃ、今日はよろしくな」

 

「アハハ! もっちろん! アタシ、がんばるよー!」

 

「おー、その意気だフヨウ!」

 

 

 隣に立つ相棒こと、褐色の The 南国幽霊少女……フヨウ。RSEにて四天王の座についていた彼女は現在、この年齢にしてホウエンバトルクラブのナンバー6らしかった。見事な幼女スタイルなのに以下略。俺だっていいだけ学童期だからして、ツッコむ資格はないだろうな。うん。

 ……で、だ。俺の隣に立つフヨウが「相棒」だということは相手も、

 

 

『本日のお客様方はラッキー&ハピネスですよぅ! なんと! バトルクラブナンバー3とナンバー4が同時に登場です!!』

 

 《《ドワァアアッ》》

 

 

 観客の声援に、俺とフヨウの反対側にいる2人の男が……いや、1人は手を振らなかったけど。

 予測外れは置いておくとして。男の1人は、オレンジのシャツを着た(もう一方に比べれば)爽やかな印象の男。手を振り返したのもコイツで、俺も知識では知っているお人だったり。でもって男のもう1人は、シャツなど着ていない筋肉見せびらかしの無愛想な男。立つ事すらせず、スタジアムのトレーナー定位置に胡坐(あぐら)をかいて座り込んでおり……コイツも、俺はものすっごい見たことがあるお人だ。ゲームで。

 

 

『御紹介しましょう! 波乗り大好き格闘家、トウキさん!』

 

 

 これが爽やかオレンジTシャツの方な。

 

 

『格闘一筋! 寡黙な剛力格闘家、シバさん!』

 

 

 で、これが胡坐かいている方。ついでに糸目である。

 つまり本日は、俺とフヨウが組んでシバ&トウキとダブルバトルをするという日程だったのだ。

 

 

「……しっかし」

 

「どしたの? ショー」

 

「あのな、フヨウ。あの2人って格闘タイプのポケモン使いだよな」

 

 

 少なくとも、ゲームではそうだった。トウキはムロタウンのジムリーダー、シバはカントーorジョウトの四天王で、互いに格闘タイプ使い。2人は共に修行をした仲だという設定もあったはずなので、一緒に出てくること自体には異論はない。

 ……ない、が。

 

 

「うん! ふたりとも、『かいりきー』とか『はりてやま』とかとトモダチなんだよ! つっよいの!」

 

「……なら相棒がフヨウだと、俺が有利じゃないか?」

 

「だいじょーぉぶ! たぶん、ふたりとも『みやぶる』とかつかってくるよー」

 

「うーん、まぁそれでもいいんだけどさ」

 

 

『さて、ではでは一応本日もルール説明をばさせていただきますよぅ! 異論は受け付けません! まず――』

 

 

 ま、確かに『みやぶる』を使いさえすればゴーストタイプに格闘技を当てることは出来る。出来るが、ダブルバトルじゃあ……読み合いになるか。ならば作戦は至極単純だ。今のうちに打ち合わせをしよう。

 手招きして、フヨウと2人して地面にしゃがみこむことにする。

 

 

「フヨウ、作戦作戦」

 

「どんなさくせんー?」

 

「いや、まずは手持ち確認。フヨウの今日の手持ちは?」

 

「えっとね。このコと……このコはげんきがいーみたい」

 

「ん。サマヨールとジュペッタだな。……ジュペッ、タ……」

 

 

 ……いや、相棒は強いに越したことはないけどさ。ゲームでの規定進化レベルが両方ともに37だったサマヨールとジュペッタが進化してるって、結構レベルが高いことになるんだよな。勿論その可能性も十分にあるんだけど……ワタルのカイリューやらシロナさんのガブリアスみたいに低レベル進化しているかも、ってのもある。

 あー……これは1回、本気で調べてみたい。トレーナーとポケモン間の、例えば相性とか素質みたいなものによる、進化レベルの変動について。とはいえ、研究題目はひとまず先送りしとくけどな。バトルに集中で。

 まぁ、思考題を戻して。フヨウもバトルクラブのナンバー6であるからには、手持ちのレベルも30台前半以上とみていいだろうとは思う。なら、

 

 

「フヨウ。ゴーストポケモン達がどんな技を使えるか、大体分かるか?」

 

「うん!! えっとねー……」

 

 ……

 

「……と、こんなかんじ!」

 

「十分十分。フヨウは凄いな」

 

「! エヘへーェ」

 

「……凄い、なぁ……」

 

「エヘへーェ」

 

 

 俺、迂闊(うかつ)!

 

 ……迂闊にも、流れ的にフヨウの頭を撫で始めてしまったという。

 まぁ、撫でられている褐色少女はステキな笑顔ですんで別に良いけど! 撫でがいのあるヤツめ!!

 

 ヤツ、め……

 

 

「……凄い、よなぁ? なら撫でてもいいよな? 俺、同年代だしな?」

 

「んー?」

 

「あー、いやいや。凄いなーフヨウは」

 

「うん! だってアタシ、ゆーれいたちのきもちわかるもん!」

 

「……新手のエスパーみたいなもんなのかね」

 

 

 もしくは慣れ故の経験則に基づいたものなのか、だ。なにせフヨウはホウエンどころか全国でも屈指の心霊ポケモンスポット『おくりび山』で修行しているっていう設定だったはずだし、今朝の顔合わせの時に聞いてみたら修行どころか今現在も住んでいるって言う話だったし。ゴーストタイプ使いとしてはこれ以上ない素質をもっているのは確かなんだろうな。キクコばぁちゃんは知らないけど。

 んじゃあ、さてさて。無駄思考も一通り済んだ事だし、作戦の発表といこうか。

 

 

「じゃあ作戦な。まず、フヨウは『まもる』『おにび』『かなしばり』を俺の言うタイミングで使ってくれ」

 

「たいきゅーしょうぶだね」

 

「得意だろ?」

 

「うん」

 

 

 流石はナンバー6幽霊少女。ジュペッタはともかく、サマヨールの生かし方は心得ているらしいな。『しんかのきせき』があればもっと良かったけど、そこまでは求めなくてもいいだろうと思う。そもそも時代的に無いと思うし!

 で、あとは。

 

 

「あとは俺かフヨウ、片方のポケモンに攻撃を集めていく」

 

「ふーん、どうやって?」

 

「それこそ相手が格闘タイプなら簡単だ。どっちかが味方を庇って前に出てやればいい」

 

「おー」

 

 

 ここがゲームとは大いに違う部分で、直接技と間接技の区分がはっきりとあるのだ。そのため例えば、

 

 俺のニドリーナに相手のカイリキーが攻撃

→ 格闘攻撃を遮ることのできる位置にサマヨールを配置

→ 攻撃はサマヨールに当たる。

→ だがしかしゴーストに格闘は「こうかがない」。

 

 この流れを上手く利用すれば今回の対戦においては、上手く立ち回れば相手の攻撃をシャットアウトできるという目論見なのだ。まぁその「立ち回る」っていうのは、相手も1度やられれば対策を立ててくるだろうから難しいんだけど。

 因みに、ニドリーナが前に出る際には『まもる』を使ってやればいいハズ。『もう1つの仕込み』もあるしな。

 

 

「俺が前に出るときは、声をかける。それ以外はフヨウのポケモンを前に出してくれ」

 

「……うーん、たしかにこのコはつよーいけどね。でも、『みやぶる』つかわれてたらこのコは……」

 

「作戦が上手くいけば、攻撃はされないぞ。『かなしばり』で封じるからな」

 

「ホント!?」

 

「ほんとほんと。それに、俺のニドリーナだってすぐにはやられない」

 

「うわぁー、たのしみっ!」

 

 

 目を輝かせているフヨウは、うん。まぁいいとして。とりあえずの行動予測をしてみたい。

 

 多分、シバとトウキはどちらかが初手でサマヨールに向かって『みやぶる』を使用するだろうと予測がつくので、そこへはニドリーナを前に出して『まもる』。これで『みやぶる』も『もう一方』から繰り出された攻撃も同時にシャットアウト出来る。

 相手の技を防いだところで、使用する技だけの指示を先だししておいたサマヨールへ『かなしばり』の対象(みやぶるを使った相手ポケモンへ)を指示。そうすれば……本来はダブルバトルにおいては狙う対象の指示も必要なのだが……指示タイミングの遅れを取り戻し、後出しでも問題なく『みやぶる』を『かなしばり』することが出来るだろう。

 

「(……「対象の後決め」とでも呼ぶべきかね、これ。ダブルバトル限定だけど)」

 

 2ターン目は雰囲気次第だが、相手は1ターン目で『みやぶる』のに失敗したために、たとえ効果がいまひとつであろうとニドリーナを集中攻撃してくることが可能性として考えられる。どちらにせよこのターンはサマヨールに攻撃を受けて貰うが、相手が格闘以外のタイプでサマヨールを狙い続けてきたなら『まもる』、格闘でニドリーナへごり押ししてきたのならば『おにび』で片方を「やけど」状態にしてもらう。「やけど」になった相手は物理攻撃力が半減するため、格闘タイプ主軸のトウキ&シバでは機能停止といってもいい状態だろう。

 

 ここまでくれば2対2という数の少なさから考えても、俺達がかなり有利になっていると思う。後は必要に応じてもう一方の『みやぶる』も読み合いで封じたり、「やけど撒き」を遂行したり、こちらからの攻撃をチマチマ当てていけば……多分なんとかなるかな。

 

 ……全ては相手が直接攻撃主体であるという仮定の元に成り立っている戦略だけど!!

 

 

「まぁ、多分外れてはいないよな。2人とも格闘大好きだし。『じしん』の技マシン持ってたら厄介な気はするけど」

 

 

 今はゲームの対人戦ではないから、そんなにエッジだの地震だのは使ってこないと信じたい。タマムシデパートだけでなく色々な場所で売り出されている様な『まもる』の技マシンとは違って、エッジだのは技マシン自体もレアだし。

 そんな折(おり)。袖口がぐいぐいと引っ張られる感覚によって、思考の海より舞い戻ってみる。すると目の前には……うぉっ。顔が近い近い。

 

 

「だいじょーぶ? ショー」

 

「あー、うん。だいじょぶだいじょぶ。離れてよし」

 

「うん? ショー、行こうよ!」

 

 

『――さぁ、間もなく試合開始ですよぅ!』

 

 

 どうやら思考している間に、ご覧の通りの展開だったらしい。……なら、

 

 

「うし、フヨウ! 俺達の即席コンビネーション、見せてやるか!」

 

「おーう!」

 

 

 フヨウと2人で、バトルフィールドのトレーナー位置へと向かう。さぁ、ここからが本番だな!!

 

 

 ――

 

 ――――

 

 

「……ウー、ハー! ニドリーナへクロスチョップだカイリキー!」

 

「リキィ!」

 

「ハリテヤマ、ニドリーナに地球投げ!」

 

「ハリテヤマァ! ウス!」

 

 

「……ヨ~ル?」

 

 

『またもカイリキーのチョップが割り込んできたサマヨールを(むな)しく通過っ! ハリテヤマは上手く回り込んでニドリーナに攻撃をしていますが……やはり効果はいまひとつなのか!? いえ地球投げは定値ダメージですけど、そう思いたくなるぐらいニドリーナが硬いんですよぅ!!』

 

 

「サマヨール! 『あっついの』!」

 

「ムヨーン」

 

「ニドリーナ、目の前のにアイアンテール!」

 

「ギャ――」

 

 

 俺はニドリーナに対象を声差しながら指示を出し、フヨウは……多分なんか不思議な力っぽいので息を合わせ、技指示のみにも関わらず作戦をこなしている。やっぱりエスパーといってもいいのかも知れないな、コレは!

 そんな目の前にてハリテヤマへ、サマヨールから放たれた青黒い怪しい炎――『おにび』がヒットだ。

 

 

『あああー! これでトウキさんシバさん共に、最後のポケモンまで状態異常がかけられてしまいましたーぁっ!! わたし、明日からサマヨールが怖くなってしまいそうです! 今も幽霊は怖いですけどねッ!!』

 

 

 うし。狙い通りか……それ以上に上手く進行していると言って良いだろう。

 因みにトウキは最初の1体がチャーレムだったんで、初手から『とびひざげり』を外したダメージとかがあって早めに戦闘不能になってしまっていた。シバはいきなりカイリキーからだったけど、『みやぶる』担当になってたりとか早めに「やけど」をかけられた事とかがあって、一旦は引っ込んだんだ。しかし交代で出てきたのがイワークだったため、ニドリーナの効果抜群『アイアンテール』で早々に「ひんし」状態まで追い込まれてしまい……結果、現在の窮状になっているという次第だ。

 流石に途中からは「効果なしによって両方の攻撃を遮断する」という戦前に俺がたてた作戦は突破され、上手く距離をとって1対1になるよう誘導されてるけど、さ!

 

 

「――ャウゥッ!」

 

「ハリッ!」

 

 《ガスンッ!》

 

 

『トウキさんのハリテヤマ、序盤の勢いもどこへやら! ニドリーナに押されております!』

 

 

「くっ……キミのニドリーナ、硬すぎないかい!?」

 

「まぁ、そうかも知れないですね」

 

 

 トウキが焦った顔で俺へと話しかけるが……もちろん、硬いのは確かだ。けどこれはアナウンサーが言った様に「効果がいまひとつだから」ではない。なにせ読みが外れた部分では、ニドリーナも数回攻撃を受けているんだからな。それにしては未だ……フヨウのサマヨールは元からとして……俺の先発ポケモンであるニドリーナが倒れていないのは、それこそトウキが指摘した様に「硬すぎる」と表現したくなるだろう。

 

 

「ハリテヤマ、はっけい!」

 

「ニドリーナ、まもる!」

 

 

 ハリテヤマの繰り出した『はっけい』を、ニドリーナが『まもる』で受け流す。これを隔ターン毎に繰り返せば……っと。

 

「(うし、回復回復!)」

 

 実は俺のニドリーナの「硬さ」は、『もう1つの仕込み』……ニドリーナの持っている道具『くろいヘドロ』によるものだったりする。

 『くろいヘドロ』。これは毒タイプに限って、毎ターン少量ずつのHPを回復していくという道具だ。コレを利用し、攻撃ターンと防御ターンを繰り返すことで耐久力を上げていくこの戦法は、俺にとってはよくある戦法だったんだけど……未だポケモンに持たせるアイテムがきのみ位しか浸透していない(開発されていない)この世界においては、『くろいヘドロ』自体の入手し難さも相まって行われていない戦法だったのだ。

 

 

「サマヨール、『げんこつでぼかーん』!」

 

「……くっ……ウォォォォッ!?」

 

 

 ……カオスになっているシバ VS フヨウの戦況は視界には入れないでだな。

 先程の説明では俺が『くろいヘドロ』を入手したのはどこなのか、という疑問が残るだろう。その疑問への回答は「ノモセ湿原で」となる。

 

 つまり『くろいヘドロ』を持ったグレッグルが出るまで、ひたすら捕まえ続けたという! 苦行だったけど!!

 

 いやいや。腰までぬかるみに浸かった状態にも関わらず、只でさえゲームとは違って1戦1戦にかかる時間も体力も半端ない現実であることも省みず、同じ野生ポケモンをひたすら捕まえ続けるというあの苦行。もう体験したくはないなぁ……。

 

 

「カ、イ、リキィ……」

 

 ――《ドサッ!》

 

 

『カイリキー、戦闘ふのーぉぉおおおっ! シバさんの手持ちはこれにて全滅ですよぅ!! トウキさん、追い詰められましたぁっ!』

 

 

「戻ってくれ、カイリキー。……クソッ、俺とポケモン達が負けるとはッ!!」

 

 

 苦行を回想している内にどうやら、サマヨールの相手をしていたカイリキーは力尽きた様子で。トレーナーであるシバは地面を叩いて、自らに怒っているのか戦法なんかを悔やんでいるのか――両方なのかもしれないけどな。……さぁて、

 

 

「あとはトウキさんの1体だけだ。行こう、フヨウ!」

 

「うん! ……サマヨール、『みぎてでどかーん』!!」

 

「ニドリーナ、アイアンテール!!」

 

「ギャウッ――」

 

「ヨー~ル」

 

 

「……地球投げだ!」

 

「ウス! ……ハリィィ!!」

 

 

 《《ゴスンッ!!》》

 

 

「……ハ、リィッ!! ……」

 

「……いや、ありがとうハリテヤマ。……審判! こちらは戦闘不能だ!!」

 

 

 トウキが2体の攻撃によって吹っ飛んだハリテヤマをボールへと戻し、自らの敗北を告げた。

 

 ――うし。勝利ぃ!

 

 

『ショウ選手! 本日も、いえいえ本日はッ! フヨウちゃんとのコンビにて、シバさんとトウキさんの格闘タイプコンビを圧倒しましたよーぅッ!! なんじゃコイツーっ! むしろこいつらーッ!』

 

 

 

 

ΘΘΘΘΘΘΘΘ

 

 

 

 

「……zzZ……。キュゥ……」

 

「いやいや。お疲れ、ニドリーナ」

 

 

 本日も付きまとってくる人々から逃げ出してきた郊外の草原。

 膝の上で眠っているニドリーナに、労いの言葉をかけておきたいと思う。なにせ、連戦の上に今日は1匹でシバ&トウキのポケモンを相手していたんだからな。とりあえず明日は休日だし……明後日の相手は鉱物ポケモン大好きのダイゴさんだ。鋼タイプ相手であれば、毒タイプであるニドリーナは出番なく休めるに違いない。

 ……岩タイプ相手だったら出てもらう事になるかもだけど。

 

 

「うーん、そうなったらミュウに『へんしん』しといてもらわなくちゃな」

 

 

 ニドリーナの代わりに、というか、まぁそんな感じで。

 

 

「つってもなぁ。今日の勝利はフヨウのおかげみたいなもんだし」

 

「……z、キュ……」

 

 

 確かにバトルクラブでの序列的にもフヨウはシバ達よりは下らしいし、俺とフヨウの近しい年代でのコンビならば絵面的に良いって言うのもあったんだろう。だけど、シバもトウキも格闘タイプ使いなのに、相手がゴーストタイプはきつかっただろうな。まぁ済んでしまった事だからご愁傷様とだけ思っておくけど。

 

 

「ん、ご愁傷様でした。と」

 

 

 因みに、件のフヨウは俺に「たのしかったよー!! またね、ショー!!」との言葉と満面の笑顔を残して、自らの格好によく似合う南国の街へと帰っていった。

 ……「また」、ね。期間をおいてから会う機会があったとしても、次は俺がホウエンリーグに挑戦した時とかになるんじゃないか? 勿論フヨウならばその時には、順調に四天王になっているだろう。

 

 

「(こんなこと考えている時点で再会フラグな気がするがっ!!)」

 

「……zz、z……ンキュー……」

 

 

 いやまぁ、うん。フラグ云々はともかく、今日くらいは俺もゆっくり眠ることにしようと思う。

 とりあえずは、膝で眠っているニドリーナが目を覚ましてからだけどな。

 

 






 ダブルバトルにおけるゴーストタイプの活用法は、あるお方の作品を参考にさせていただいてます。
(いくら時間がかかってでも、復活を期待させていただければ、これ幸い)

 ついでに。
 シバさんのカイリキーはHGSS準拠で『ノーガード』のカイリキーです。主人公はどちらにせよ「やけど」によるダメージを考慮して、やけど撒きをフヨウさんにお願いしていました次第だという。
 因みにこの後のシバさんは、サブウェポンとして『いわなだれ』を習得させたり、トウキと道を別ちカントーへと修行に来たり……という流れを妄想しておりますが、おそらく描写はあっても一瞬かと。

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