ハイスクール・フリート マーメイドと海の男達 作:SNAKE金城
それではどうぞ!
買い出しに出ていた秋津と明乃達は、平賀達に見張られていることを知り、ブルーマーメイドの包囲網から脱する。作戦が今、始まろうとしていた。
「平賀さん、秋津さん達が店から出てきました」
葉月は、平賀に秋津と明乃達が喫茶店から出てきたことを知らせる。
「追いましょう」
平賀と葉月、部下二人は、秋津達を追う。一定の距離を取りながら少しずつ近づく。
(来たか・・・)
秋津は、視線を後ろに向け葉月と平賀達の動きを警戒する。秋津はハンドサインを出す。すると、右側の路地に美波、和住と秋津の部下、三人が走り出すと。秋津と内田、明乃と美甘は、そのまま真っ直ぐ走り出した。
「なっ!?」
「あっ!?」
「「っ!?」」
秋津達の突然の行動に葉月と平賀達は慌てた。
「くっ、貴女たちはそっちをお願い!私と葉月さんは秋津特務監察官を!!」
「「了解!」」
平賀は、右側の路地に走っていった。美波達の方へ二人を行かせ、平賀と葉月は、秋津達の方を追いかける。
その先は、T字路になっており、平賀は左右どちらかに逃げると予想するが、秋津達は、また別れた。
左に内田、明乃、美甘の三人が走って行き、秋津だけは、右に走って行った。
「また、分かれた!」
「平賀さん、どうしますか?」
平賀は、一瞬迷う左に行った三人を二人で追いかけるか、右に行った秋津を二人で追いかけるか、それとも自分達も二手に分かれて追いかけるか、平賀は決断した。
「葉月さんは、あの三人を追って!私は、秋津特務監察官を追います!!」
平賀は、二手に分かれて追いかける方を選んだ。果たしてこの判断が吉と出るか凶と出るか。もし、秋津に逃げられたとしても、播磨と晴風の乗員の身柄を抑えれば、秋津は出てくるだろう。人質をとる様なマネではあるが、秋津の身柄を抑えるには、これしかないと考えた。だが、彼は前の世界では軍人である。そう簡単には、行かないだろう。
だが、まだ平賀は気づいていない、この判断が秋津にとって最も望んでいた状況であることを。
秋津は、暫く真っ直ぐ走っていたが平賀の方を一瞬見た後、路地に入っていった。
(私を誘導しているの・・・だけど、ここで逃がすわけにはいかない・・・)
平賀は、自分が誘導されている事に気づく。だが、ここで逃がすわけにはいかない。平賀は、秋津の誘いに乗り、秋津が逃げ込んでいった路地に入る。その路地は、建物と建物の間にあり、薄暗く人通りも少ない所だった。
平賀は、警戒しながら路地を進んで行く。だが、人の気配がない。秋津は、もう此処にはいないのかと思った。
すると、後ろから金属音がなる。
「動くな・・・」
「っ!?」
平賀の後ろから無機質な声が聞こえた。その後ろには、拳銃を構えている秋津がいた。平賀は、素早く後ろを向き、秋津の銃を持つ手を払おうとしたが、避けられた。平賀は、直ぐに間合いを詰め拘束しようとしたが、逆に秋津に腕を取られ、後ろに回されて。壁に押し付けられた。
「イタッ!」
平賀は、壁に押し付けられ身動きがとれなかった。すると、平賀の頭に何かが突きつけられる。
「静かにしろ・・騒いだり、変なマネをしてみろ・・・その頭が吹っ飛ぶぞ・・・・」
「ヒッ!」
平賀の背後から秋津の声がした。だが、その声は自分が知る秋津の声ではなかった。冷たく無機質であったが、殺意を感じられた。
「久しぶりですね・・・平賀さん、こんな形で会うことになるとは・・・残念だなぁ」
「秋津さん・・・」
「幾つか、質問に答えてもらおうか・・・此処で何をしていた?」
「わ、私は宗谷監察官の指示で・・・」
「指示?我々を消すために?」
秋津は、一番知りたかった事を平賀に聞いた。自分達を消すために来たのかと。
「ち、違います!宗谷監察官は晴風と播磨の・・・秋津さんと生徒達の無実を訴えています!」
「では、何故我々が反乱したことになっているんですかね?先に攻撃してきたのは、さるしまだと言うのに・・・」
「それは、さるしまの古庄教官があの時、晴風と播磨が反乱したと通信で・・・」
(そう言うことか・・・)
秋津は、次の質問を聞く。
「では、何故我々を撃沈するような命令を?」
「それは、海上安全整備局の上層部が出した命令で・・・ですが、私達、安全監督室は違います。播磨と晴風がさるしまを攻撃したのは、自衛の為であって、決して反乱ではないと・・・」
「本当ですかね?」
「お願いです!信じてください!」
平賀は秋津に信じるように言う。
「秋津さん、私達は、晴風と播磨を助けに来たんです・・・補給と補修の為の間宮と明石を派遣しました・・・これでも信じてもらえませんか?」
秋津は、それを聞いて、平賀の拘束を解いた。
「本当に・・・信じていいんだな?」
「はい」
秋津は、平賀の目を見た。その目に嘘偽りはないと感じた。すると秋津は笑顔で平賀に言った。
「わかったよ・・・信じよう」
「・・・よかった・・・・よかった~!!」
「うわっ」
平賀は、秋津の胸に飛び込み泣き出した。
「平賀さん・・・」
「心配したんですから!抵抗するようなら撃沈するって聞いたとき・・・もし播磨が撃沈されて、秋津さんを失うんじゃないかと思うと・・・私・・私・・・・」
平賀はずっと心配していた。
晴風と播磨は、抵抗するようなら撃沈しても構わない。これを聞いたときから平賀は、もし播磨が撃沈されたら、秋津を失うのでないかと言う思いでいっぱいだった。
秋津は、泣きつく平賀の頭を撫でた。
「心配かけてすまんな・・・」
「でも、ひどいです!恋人に銃を向けるなんて!」
「ごめん、ごめん」
「でも、嬉しかった・・・秋津さんにあえて・・・」
二人は、抱き合った。理想的な形ではないが、久しぶりの再会に二人は喜び合った。
〈艦長、応答してください・・・艦長〉
「どうした?」
〈艦長、ブルーマーメイドは、我々を助けに来たみたいです〉
「ああ、わかってるよ。平賀さん、から聞いた」
〈急ぎ、戻りましょうこの事を伝えないと〉
「だな・・・」
内田達もブルーマーメイドが助けに来たことを確認したようだ。秋津達と明乃達は、平賀達と共に晴風と播磨に向かった。
日も沈み辺りが暗くなり、海も荒れはじめていた。そんな中、晴風と播磨は、買い出し組が帰ってくるのを待っていた。
「艦長と岬さん達は、まだ帰ってこないか?」
「ええ、まだ姿が見えません」
「そうか・・・何もなければいいんだか・・・」
金城は、まだ予定の時刻に帰ってこない、秋津と明乃達が心配で仕方なかった。すると見張りの一人が
「っ!?右○○度に、艦影見ゆ!その数4!!」
「何だと!艦種は!?」
「工作艦、明石。補給艦、間宮とその護衛の航洋艦2隻です!」
「工作艦に補給艦?何故、補給艦が我々の所に?」
すると、間宮と明石、その護衛である航洋艦2隻は、晴風と播磨を包囲する。
「完全に包囲されました!!」
「副長、攻撃しますか!?」
「いや、待て・・・もう少し様子を見よう」
「・・・っ!?副長!艦長達が戻ってきました!・・・・っ!?ブルーマーメイドの哨戒艇も一緒です!!」
「我々を捕まえに来たか・・・」
包囲されている上にブルーマーメイドまで現れた、播磨艦橋では、緊張が走る。すると見張りの一人が
「あいつ!何をする気だ!?」
「どうした?」
「晴風の生徒の一人が機銃を動かしています!」
「何だと!?」
晴風の生徒の一人とは、立石の事である。立石は機銃を動かし間宮と明石の方に向けた。
今回の作品は、書くのが少し難しかったです。
誤字、脱字や変な所があると思いますが、ご容赦ください。
次回もお楽しみに!