ハイスクール・フリート マーメイドと海の男達   作:SNAKE金城

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第13話 歓迎会と武蔵の発見

 

 

早朝、平賀は秋津より先に起き、ブルーマーメイドの制服に着替え。艦長室を出る。

数十分後、艦長室のドアをノックする音が聞こえた。

 

「秋津さん・・・秋津さん?」

 

誰かが秋津を尋ねて来たようだ。ドアをノックする音で、秋津は目を覚ます。

 

「何だ?・・・う~ん、誰だ?・・・平賀さんは、行ったようだな。ふぁ~」

 

秋津は、欠伸をしながら軍服に着替えて。艦長室のドアを開ける。

 

「ん?・・・葉月か、どうした?」

「朝のコーヒー、飲みませんか?」

「お、いいね~」

 

尋ねて来たのは、葉月であった。葉月はコーヒーサイフォンを持って秋津の部屋に来てコーヒーを飲まないかと言う。それを聞いて秋津は、嬉しそうな表情して葉月に部屋に入るよう促す。

葉月はコーヒーサイフォンを空いている台に置き、コーヒーを淹れはじめる。部屋にコーヒーのいい香りが漂う。

 

「いい香りだな~、ブルーマウンテンか?」

「ご名答、よくわかりましたね?」

「まぁな・・・」

 

葉月が淹れているコーヒーの名前を当てた秋津だが内心「たまたま、当たったんだけどな」と呟く。

葉月はある事を秋津に聞く。

 

「昨日の夜は、どうでしたか?」

「昨日の夜?」

「秋津さんと平賀さん、聖なる夜を過ごしたみたいですけど」

「ん?・・・なっ!?/////」

 

秋津は最初、葉月の言葉に疑問を感じたが「聖なる夜」と言う言葉で、葉月が何を言いたいのかが分かった。秋津は、顔を赤くする。

 

「お前・・・何故それを・・・/////」

「昨日の夜、秋津さんと話がしたくて部屋に来たんですが・・・聞いちゃたんですよね・・・二人の愛し合ってる声が」

 

葉月は、昨日の夜。秋津と話をしに部屋に来た時に、何か声が聞こえたらしい。それは、秋津と平賀が愛し合ってる時の声だと葉月は判断した。それを葉月は、ニヤニヤしながら秋津に言う。普段、真霜との関係をからかわれてる仕返しだろう。

 

「お前、誰にも言ってないだろうな・・・/////」

「言ってませんよ、お二人のプライベートな事ですから」

 

葉月が誰にも言ってないことに秋津は少し安心した。

葉月は、淹れたてのコーヒーをカップに注ぎ秋津に渡す。秋津はコーヒー香りを楽しんだ後、ゆっくり味わいながら飲む。

 

「いつ飲んでも、葉月のコーヒーはうまいな~」

「そうですか?自分は、まだこの味に納得してませんけどね」

「まだ、大石長官の味に近づけようとしてるのか?・・・俺も大石長官のコーヒーを飲んだことあるが、葉月と大石長官の淹れたコーヒー、さほど変わらない気がするけどなぁ」

「全然違いますよ。大石長官の方がもっとうまいですよ」

(葉月は相変わらずこの世界でもコーヒーの味を大石長官の味に近づけようとしているんだな・・・)

 

葉月は、上官である。大石蔵良 元帥の淹れたコーヒーの味には、まだまだ及んでないと言う。秋津は、さほど変わらないと言うが、葉月は納得してないようだ。

 

大石蔵良 元帥。世界でも名を知らない人がいないほど、有名な海軍軍人である。秋津がこの世界に飛ばされる前は、連合艦隊司令長官である。欧州ドイツ戦線では、1948年に起きた。地中海海戦でドイツが誇る戦艦ビスマルク、ティルピッツ、シャルンホルストの3隻を地中海に沈めた。山本五十六は、大石の事を「不気味で恐ろしい男」と言っている。そんな大石は、コーヒーを淹れるのがとても上手で大石のコーヒーを飲んだ物は、他のコーヒーが飲めないと言うほど上手いらしい。

葉月も大石のコーヒーを飲みその味に惚れて、コーヒーサイフォンをわざわざ買ってコーヒーを淹れているのだ。相当こだわっているようだ。

 

「なぁ、葉月」

「何ですか?」

「そう言えばお前、岬さんと武蔵艦長の知名さんから「お姉ちゃん」って呼ばれているよな?」

 

秋津は葉月に明乃ともえかから、お姉ちゃんと呼ばれているだろうと聞く。

 

「ええ、そうですけど・・・それが何か?」

「・・・まさかとは、思うがお前、真霜さん同様。岬さんと知名さんとも関係をもっていたりしないよな?」

「ギクッ!?」

 

秋津の言葉に葉月は、ドキッとする。

秋津は、葉月が真霜同様。明乃やもえかとも関係を持ってないかと問う。

秋津は、明乃が葉月に甘えている所を何度も目撃している。その時の明乃の甘え方に違和感を感じ、まさかと思い葉月に聞いたのだ。

 

「アハハハ・・・ソンナコトナイデスヨ~」

 

葉月は冷や汗を流し、秋津から目線を逸らして片言の言葉で否定する。これじゃあ「関係を持ってますよ」と言ってるも同じである。

 

「お前、同性愛の次は・・・浮気か・・・」

「違います!・・これには、深いわけが・・・!」

「真霜さんに言っちゃおっかな~」

「やめてください!それだけは~!!」

 

秋津は、蔑む様な目で葉月を見て言う。葉月は何とか説得しようとするが、秋津は真霜にこの事をばらすと言いからかう、葉月はそれだけは勘弁してくれと言う。

 

 

 

その頃、とある海域では。

 

現在、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィンなどが、行方不明になっている横須賀女子の学生艦の捜索活動を行っていた。その捜索活動に参加している東舞鶴男子海洋学校の教員艦で編成された教員艦隊が、行方不明になっていた武蔵を発見した。

 

「教頭先生、哨戒船から入電です。発5分隊2号船、宛旗艦あおつき。武蔵を発見、北緯19度41分 東経145度0分にて巡航中。無線で呼びかけるも応答なし。ビーコンの反応も消えてますし、恐らく無線も含め。電装系の故障だと思われます」

 

教員艦隊の旗艦あおつきの副長が艦長である東舞校の教頭に、哨戒船から来た報告を伝える。

 

「武蔵の位置を横須賀女子海洋に連絡しよう・・・まぁ見つかってよかった~。随分と心配しているだろうなぁ、生徒の安全確保が最重要だと言うのに・・・複数同時に、実習艦が行方不明になるとは・・・」

「幸い、伊201潜水艦に乗艦していた。我が校の生徒たちは、全員無事に救助できましたが・・・」

「晴風は教員艦とも撃ち合いになったと言うし・・しかも、同じ教員艦の播磨までも・・一体、何が・・・・いや・・何が起きたにせよ、武蔵の保護に向かおう。哨戒船を呼び戻せ」

「了解です」

 

東舞校 教員艦隊は、武蔵が発見された海域へと向かう。

 

 

 

一方、その頃。播磨甲板では、乗員達が海で遊んでいる。晴風の生徒たちを見ていた。晴風の生徒は、出航までの間。休憩すると言う。それを見て播磨乗員達は・・・

 

「晴風は休憩だってのに俺達は、なしか・・・」

「いいよな、昨日は士官達の剣道の稽古に付き合わされたて・・・ほとんど休めなかったぜ・・・」

「そりゃ残念だったな・・・」

「それにしても、晴風の生徒達は、自由でいいな~・・・」

「今の俺達は、生徒達を守るのが仕事だ・・・だから今日の休息は、お預けだ」

「仕方ね~か・・・」

 

播磨の乗員達には、休憩がないようだ。播磨乗員達は休憩がお預けになったことにテンションが下がるが、仕方ないとすぐに開き直った。

晴風の生徒達は、皆海水浴を楽しんでいた。野間はパラセイリングを楽しんでいたり、イルカの群れが現れそれを見た明乃は、制服を脱ぎそのまま海に飛び込もうとする。それをましろが必死に止めていた。前まで反乱者扱いされ追われていた事が嘘のように感じるほど、皆楽しんでいた。

一方、備蓄倉庫では、平賀と福内そして播磨の士官による。立石の聴取が行われていた。付き添いの西崎も立石と一緒に聴取を受けていた。

 

「くぅ~、いいなぁ~・・あ~いいなぁ~、私もキャッキャッ、ウフフ。したいなぁ~」

 

晴風の皆の楽しそうな声が備蓄倉庫の中まで聞こえてくる。それを聞いた西崎が羨ましそうに言う。

 

「もう少しで終わるから。頑張ってね」

「立石さん、もう一度聞くけど・・何故、急に攻撃したか、どうしても思い出せないのね?」

「うぃ・・・」

「撃った事は、覚えているのだな?」

「うぃ・・・」

 

福内と播磨士官が立石に明石、間宮に対する発砲の事について尋ねると、立石はいつもの返事で答える。

立石は、撃った事は覚えているものの。何故その行動に至ったのかは、わからないと言う。

 

「思い出せないなら仕方ないよタマちゃん。私だって、撃てるものなら撃ってたし、あの状況だったらさ」

「・・・終了しましょうか?」

「以上の聴取内容をまとめ、海上安全委員会に報告します」

「自分は、この事を秋津教官に報告します」

「お願いします」

 

立石に対する聴取が終了した。

 

その頃、ある病院の病室で、撃沈された。さるしまの艦長、古庄が何故晴風と播磨に砲撃したのか。そして何故、反乱と報告したのかについて事情聴取を受けていた。

 

「晴風と播磨の反乱を最初に報告したのは、さるしまですよね。何故、反乱と断定を?」

「晴風が、実習の集合時刻に遅れて、当該海域に到着し。その際、こちらから砲撃を行いました。晴風は、魚雷で反撃し本艦に命中。同時に播磨も本艦に向け機銃による攻撃をしてきた為。これを反乱と見なし報告しました」

「遅刻程度で先制攻撃を行った理由は?また、同じ教官艦である播磨にも何故、攻撃を?」

「それは・・・」

「他の乗員は全て、艦長が命令したと証言しています」

「命令した事は、全て覚えています・・・ですが、何故そう言う判断に至ったのか、自分でも不明なのです・・・」

 

古庄は、自分が晴風と播磨に対する砲撃を行ったことは、覚えてはいるものの。立石同様、何故そう言うことをしたのかは、わからないと言う。また、同じ教官艦である播磨に対して何故攻撃したのか、わからないと言う。

すると、古庄の病室のドアからノックする音が聞こえた。

 

「監督官の宗谷です」

 

そう言って病室に入ってきたのは、真霜である。

 

「ご苦労様、差し入れをもってきたわ」

「はっ、恐れ入ります」

「私も、古庄教官から話を聞きたいので、少しいいかしら?」

「はい」

 

真霜がそう言うと、聴取を行っていた女性は、病室を出る。

 

「大丈夫ですか、古庄先輩?・・・救助が来るまでの間、海を漂流してたって聞きましたけど・・・」

「後輩に心配かけるなんて・・情けないわね・・・ありがとう、大丈夫よ」

「すみません、調書が完成するまで。此処に居ていただくことになります」

 

古庄は、調書が完成するまでの間は、この病室に居ることになっているようだ。少し軟禁に近い扱いである。

 

「これ、食べてください」

「ありがと」

 

真霜が古庄に差し入れを渡し、古庄はそれを受けとった。

差し入れを受け取った古庄は、浮かない表情をする。

 

「生徒に向かって発砲したの・・・しかも、教官艦の播磨にまで・・・何故そんな事をしたのか思い出せないなんて、自分に腹が立つわ」

 

古庄は、生徒に向かって実弾を発砲し。間違えれば、死者を出したかもしれない様な事を、何故したのか思い出せない。しかも、同じ教官艦である播磨に対しても攻撃を行っている。それも思い出せない自分に腹を立てていた。窓の外を見ると、雨雲に雷が鳴っていた。まるで今の古庄の気持ちを表現しているかのように・・・

 

「他の乗組員も、ちゃんと記憶があるのに・・何故こんな事をしたのか、思い出せないと証言しているんです。先輩だけじゃありません。サルベージしたさるしまの戦術情報処理システムもログが消えていました・・・」

 

真霜は、「西ノ島沖 航洋艦晴風及び教官艦播磨 銃撃・雷撃事件」と書かれている報告書を古庄に渡した。

 

「ログ、消失・・・13時20分から機能を喪失していたと見られる、か・・・」

 

古庄は報告書の次のページをめくると、そこには、他の船に牽引されている。さるしまの写真が載っていた。古庄は報告書を見終わると真霜に返した。

 

「晴風と播磨は、本当に大丈夫?」

「艦長以下、全員無事です。反乱の疑惑が晴れるまでの間。秋津教官が晴風の生徒達を守っていたみたいですし」

「そう・・良かった・・・」

 

ピリリッ、ピリリッ

 

「ちょっとすみません」

 

すると、携帯の着信音がなる。真霜の携帯にメールが届いたようだ。真霜は、届いたメールを見る。母、真雪からのメールだった。その内容は、東舞校の教員艦隊が武蔵を発見したと言う内容であった。

 

「先輩すみません、ちょっと急用が・・・それ、食べてくださいね」

 

そう言うと、真霜は病室を後にする。古庄は、差し入れの箱をあける。中には、プリンが3つ入っており、プリンの表面には、かわいらしいイルカがゼリーで描かれていた。

 

一方、晴風艦内では。

 

「う~ん、ちょっと小さいな・・・」

 

ミーナも晴風の皆と海水浴を楽しむため、水着を貸して貰ったのだが、どうやら胸のサイズが合わないらしい。

すると、そこへ杵崎姉妹と北条が通りかかる。ミーナを見た瞬間、北条と杵崎姉妹は咄嗟に手に持っていた物を後ろに隠す。

 

「なぁ、主計科は遊びに行かんのか?」

「う、うん。後で行くよ」

 

そう言うと、杵崎姉妹は急いでその場から去っていった。

 

「わし・・・避けられとるのかな?」

 

ミーナは自分は、避けられているのかと言う。

 

「誤解しないでくれよ・・・別に避けてる訳ではないから・・・」

「はぁ・・・」

 

ミーナにそう言うと北条もその場を後にする。手に持っている物を隠しながら。

 

「聴取も終了したので、これで失礼します」

「発砲についての正式な処分は、寄港した後で学校から下されると思うけど、損害も無かったし厳重注意程度で、すむんじゃないかしら」

「ありがとうございます!」

「では・・・」

「私も播磨に戻る。内田、引き続き晴風に残れ」

「了解しました」

「では、失礼する」

 

立石の聴取が終わり、平賀と福内は哨戒艇。播磨士官は播磨の内火艇に乗り帰っていった。

平賀と福内は播磨にいる葉月を迎えにいった。

 

「タマちゃ~ん!お疲れ様!」

「うぃ~」

 

立石は、まだ発砲のことを気にしているのか、浮かない表情をしていた。

 

「大丈夫だよタマちゃん。学校には、ちゃんと説明して私も一緒に謝るから」

「また、私もバッチリ付き添うよ~」

 

明乃と西崎は、落ち込んでいる立石を励ます。立石は少し嬉しそうに返事をする。海に落ちたと言う事もあり、医務室で健康状態を診て貰うことにした。

すると、明乃は塞ぎ込んでいる知床に気づき声をかける。

 

「どうしたの、りんちゃん?」

「う、うぅ・・・」

「皆と遊ばないの?」

「さ、さっき心理テストをやったんだけど・・・わ、私の性格って・・・真面目系グズって言う結果で!」

「えっ・・・」

 

知床は、先程受けた心理テストで真面目系グズと言う結果が出たことに悲しんでたようだ。明乃は、それを聞いて唖然とするしかなかった。

 

「当たってると思う・・・だって私、逃げてばっかりの。逃げ逃げ人生だし・・・」

「逃げ逃げ人生・・・?」

 

知床は自分が今まで歩んできた人生を「逃げ逃げ人生」と言う。

彼女は、小学生の頃。肝試しで友達と一緒に闇夜の墓地に行ったものの怖くなり友達を置いて逃げたり、学校の帰りに散歩をしていた犬に吠えられて逃げ出したり、見学に来ていた場所にある。金剛力士像に怯えて逃げ出したりなど、彼女の言うとうり。殆ど逃げてばかりの人生であった。実際、彼女はこれまでも戦闘の際に逃げることを真っ先に言っていた。

 

「そんな時は、いつも一人で海を見てた・・・不思議と気持ちが落ち着いて、それで海が好きになって・・・ブルマーを目指して船に乗ってれば、逃げ場は無いから、逃げ逃げをやめられると思ったんだけど・・・結局、船ごと逃げ出して・・・」

「逃げるのも悪くないと思うよ」

「えっ?」

 

知床の話を聞いて。明乃は、逃げることは悪くないと言う。

 

「だって私達、3回も戦闘したのに無事なんだよ。播磨の助けもあってだけど、それは、りんちゃんが逃げくれたお陰だよ、的確に状況を見極めてうまく逃げるのは、りんちゃんの長所じゃないかな?」

 

明乃は微笑みながら知床にそう言う。

 

「確かに逃げることは、悪くない」

「内田さん」

 

話を聞いていたのか、明乃と知床の横から内田がやって来て話しかける。

 

「戦闘に置いても、逃げることは戦術の内でもあると思うよ・・・だから、自信を持ってもいいんだぞ知床さん」

 

内田の言葉に知床は、どこか自信を持てるような気がした。

その頃、医務室では。立石の健康状態を美波が診ていた。西崎も付き添いで医務室に居た。

 

「無憂無風、帰ってよし」

「大丈夫だってさ、タマちゃん!」

「うぃ」

「おう~、チューチュー」

 

西崎は机に置いてある飼育箱を触ろうとする。中には例のハムスターらしき生き物が入っている。

 

「触るな、漂流物から拾ったから。菌を待ってるかもしれない」

「えっ!」

 

美波がそう言うと西崎は、すぐに箱から手を離す。西崎は、目を細めながら箱を見る。

 

「やっぱ、解剖とかするの?」

 

西崎がそう言うと美波は、謎の生物に煮干をあげ西崎と立石の方を見て微笑む。その微笑みからは、不気味さを感じる。

 

「うえぇ~(うぃ~)」

「い、行こう。タマちゃん!」

 

ビィー、ビィー

 

「あっ?」

 

何かを感じたのか西崎と立石は、急ぎ医務室から出る。

すると、美波のつけている腕時計が鳴る。彼女は、腕時計見ると、バグを起こしていた。電波式の腕時計の為、電波の悪いところに入ればバグは起こる。だが、今晴風の居るところは、海の上で天気も晴天で電波の環境が悪いわけではない。にも関わらず美波の腕時計はバグをおしている。すると、美波は謎の生物の方を見る。今、彼女が感じた違和感が、後にある騒動を解決に導く事になる。

 

一方、播磨の右舷甲板では、平賀と福内が葉月を迎えに来ていた。

 

「しばらく、またお前とは会えなくなるな」

「秋津さんは、晴風と共に学校に戻るんですか?」

「ああ、学校に戻るまで。彼女達を守らなければな」

「そうですか」

 

葉月と秋津が、話をしていると。平賀が二人のもとに来る。葉月は、先に哨戒艇へと行く。

 

「平賀さんとも、しばらく会えなくなるなぁ」

「せっかく会えたのに、またすぐに離れ離れになるなんて・・・寂しいです・・・」

 

平賀は、また秋津と離れ離れになることに、悲しい表情をする。それを見た秋津は、平賀に優しく抱きつき優しく声をかける。

 

「大丈夫、俺は必ず平賀さんの元に帰ってくる・・・だから心配しないでくれ」

「・・・絶対ですよ・・・」

 

そして、平賀達は帰っていった・・・

 

その頃、とある海域では東舞校の教員艦隊が武蔵が発見された海域に到着し、旗艦あおつきの副長が双眼鏡で武蔵の姿を確認した。

 

「武蔵、安定して巡航中ですね・・・」

「皆、無事ならいいが・・・」

「あっ?」

 

武蔵の主砲と副砲が旋回してるのが見えた。しかも旋回した先は、東舞校教員艦隊の方であった。すると、次の瞬間

 

ドドオォーン!!

 

なんと、武蔵は東舞校教員艦隊に向け発砲してきた。

 

「なっ!?撃ってきました!!」

「何、どう言うことだ!?いったい・・・」

「「うわ!」」

 

すると、武蔵から放たれた砲弾が海面に着弾し、その影響で、あおつきの船体が揺れる。

 

「四番艦から受信、機関部に被弾!航行不能!!繰り返す、機関部に被弾!航行不能!!」

 

教員艦隊にも被害が出ていた。武蔵は尚も教員艦隊に主砲を向けていた。教員艦隊の一隻が発光信号を送るも武蔵からの応答はなかった。

 

「発光信号を送るも応答なし!」

「我々を脅威と、誤解しているのか・・・二番艦は、接近し音声で呼びかけてくれ!」

 

二番艦は、指示どうり武蔵に接近し音声で呼び掛ける。

 

〔武蔵の生徒諸君!我々は、東舞校の教員だ。君達を保護するために来ている。速やかに停船し、指示にしたが・・・〕

 

ドオォーン!

 

二番艦が音声で呼び掛けるが、武蔵は接近している二番艦に向け右舷副砲を旋回し、発砲。

武蔵から放たれた砲弾は、二番艦の左舷に着弾。至近弾で浸水する被害を受ける。

 

「砲撃をやめさせよう・・・何処かに穴をあけ、傾斜させれば、砲は使えなくなる!」

 

東舞校教頭は、このままでは被害が拡大する為、武蔵の船体に穴をあけ傾斜させて、武蔵の主砲、副砲を使えなくなるさせる作戦に出て。傾斜させれば、砲の射角も制限される。

 

「・・・生徒の艦を・・・撃つ事になります・・・」

「砲を撃てなくしてから、生徒を保護する」

「・・・了解・・・対水上戦闘用意!」

「対水上戦闘用意!」

「主砲、配置よし!」

 

教員艦隊は、対水上戦闘体制に移行する。

 

「各部、配置よし!非常閉鎖よし!対水上戦闘用意よし!」

 

対水上戦闘の用意が完了する。だが、その間も武蔵は教員艦隊に向け攻撃する。

 

「三番艦、被弾!」

「対水上戦闘!噴進魚雷、攻撃始め!!」

「噴進魚雷、発射始め!!」

 

教員艦隊の艦艇から噴進魚雷が発射される。噴進魚雷は、武蔵の右舷に命中したのだが・・・

 

「命中しました!目標・・・速力かわらず、主砲動いてます!」

「演習弾では無理か!」

 

噴進魚雷は命中はしたものの。武蔵の船体の装甲は厚く。また、演習弾であるため、武蔵に全く損傷を与えることが出来なかった。

武蔵は何事も無かったかのように攻撃を続ける。教員艦隊の被害は、拡大一方であった。

 

そんなことは露知らず。晴風では・・・

 

「え~、艦長の岬です。クラス全員、艦首付近の前甲板に集まって下さい、以上!」

 

明乃はクラス全員を艦首付近の前甲板に集合させた。そこには、秋津の姿もあった。

 

「なんだ?急に召集かけたりして」

「一体、何が始まるんだ?」

「あのね皆、今から・・・ミーちゃんの歓迎会を始めま~す!」

「えっ?わ、わしの・・・?」

 

ミーナは、いきなりのサプライズに驚く。クラスの皆から拍手がおこると、そこにケーキが運ばれてきた。明乃のが召集をかけたのは、ミーナの歓迎会をするためであった。

 

「ほぉう、歓迎会か・・・だから、北条を・・・」

「おう、おう!やっちまえってんだぁ!」

「今、火をつけるからね~」

 

そして、ケーキに刺さったロウソクな火がつけられる。

 

「じゃあ、新しい仲間。ミーちゃんから何か一言」

「・・・えー、晴風乗員諸君!全くこの晴風と言うのは、変な船じゃ・・・上下関係はだらしない。規律はいい加減。艦長は、全然艦長らしくない・・・」

「やっぱり・・・」

「意義なし」

「俺も少し同感だな」

 

ミーナの艦長らしくないと言う言葉に、明乃はましろにそうなのかと聞くと、あっさりと答える。秋津も微笑みながらそう言う。

 

「こんなド緩い艦、見たことがない・・だが・・・へ、ヘッペンハイムのシュタルケンブルク城見たいで、小さいが風情がある」

「例えが、わかりずらいぞ」

「では、ニュルンベルクのソーセージ!」

「それも、どうかと思うが・・・」

 

秋津は、ミーナの例えにツッコム。

 

「それに、わしをこんな風に歓迎してくれるとは・・・晴風乗員諸君の手厚い歓迎に、ド感謝する!」

 

お礼の言葉を言うと、ミーナはケーキのロウソクの火を消す。皆から拍手が起きる。

 

「はい、じゃあ皆でケーキを食べようね~」

 

ケーキを切り分け、クラス全員に配られる。すると、皆が驚きの声を上げる。

 

「何、このケーキおいしい!」

「こんなにおいしいケーキ、食べたことない!」

「えへへ、北条直伝のケーキだよ」

 

美甘がそう言うと北条は微笑む。そう、このケーキは、前の休息で明乃達が播磨に訪れた時。美甘は、北条にとてもおいしいケーキの作り方を教えてもらっていた。この歓迎会のためのケーキだったのだ。ケーキを食べたクラスの皆が絶賛するのであった。

 

 

 

 





誤字、脱字や変なところがあると思いますが、ご容赦ください

次回もお楽しみに!
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